残念な学生生活
前作よりも、隙間を開けてみたから
読みやすくなったかな?
学校に着くと、一時間目が始まっていた。
「珍しいね、織音君が遅刻って、じゃあ席座って」
「は、はい、すいません」
先生とも話し、窓際のいつもの席に座る。
すると後ろの席の鷹中紘が茶化してくる。
「うんうん、思春期男子は大変だな」
「鷹中、お前がどんなことを想像し勘違いするかは勝手だが、それはないから安心しろ」
と、鷹中の勝手な想像を否定するが、周りの女子は誤解をしているようだった。
織音は、その女子たちの視線に気づき大きくため息を吐いた。
隣の席には幼馴染の繊月夏秧は、誤解するはずがない。
幼稚園から高校までずっと同じだったのだから。
そう信じて繊月の方を期待の眼で見ていた。
「サイテーだね」
あっれー、おかしいなー。
織音は笑顔のまま固まって、笑顔のまま涙が出そうだった。
「はいはい、授業中なんだから授業に集中して」
先生の合図で、何とかこの状況を乗り切った。
チャイムが鳴り、一時間目の授業が終わった。
「お疲れさま、次の授業に遅れないようにね」
先生が教室を出ようとした時、放送が流れた。
『冴月先生、職員室までお越しください』
と、一時間目が担当だった先生が呼ばれていた。
速足で、冴月は職員室へと戻っていった。
四時間目まで、問題もなく授業が終わり、お昼休憩の時間になった。
「よし、じゃあ屋上行くか」
鷹中に声をかけられる。
学校で昼食は毎回屋上で食べているのだ。
カバンを持って二人、肩を並べ教室を出た。
屋上に着き鞄からレジャーシートを引いてすぐに横になった。
「飯はどうした」
「寝坊して、コンビニ寄れなかったんだ」
鷹中は、フェンスに寄りかかり、コンビニ弁当を頬張っていた。
突然目の前が、真っ暗になった。
繊月が、織音の目の上にコンビニのサンドイッチを置いたからだ。
「はいこれ、買い過ぎたからあげるよ」
「じゃあ遠慮なく」
と、織音は繊月からサンドイッチを貰った。
「ここって景色がいいのになんで誰も来ないんだろうね」
その理由は決まってただ一つ。
屋上の使用を禁止されているからだ。
「鍵も壊れてんだから、入ったらいいのにな」
鍵を壊した張本人が何を言うか。
それは、織音だけではなく繊月も思っていたらしく、じぃーっと鷹中を見つめた。
「何だよその眼は」
「「なんでもない」」
織音と繊月は声を揃えて鷹中を見続ける。
「仲がいいな、漢字も似てるし本当に幼馴染だけかお前ら」
「漢字は関係ないだろ、あとただの幼馴染だよ」
「織音はそうかもしれないが、繊月はそうじゃないかもな」
そうやって、繊月をおちょくろうとする。
「残念ながら、私もただの幼馴染と思っているから」
繊月にまで否定されて、鷹中は愛想笑いを浮かべた。
「面白くねえな」
「まず、面白さを求める事が間違ってんだよ」
「だろうな」
鷹中はコンビニ弁当を食べ始めた。
五時間目が始まる十分前になっていた。
「もうそろそろ行くか」
レジャーシートを鞄にしまう。
「そうだな」
鷹中が勝手に屋上に置いたゴミ箱にコンビニ弁当のごみを入れて、屋上を降りようとするが、繊月は動こうとしない。
「繊月、遅れるぞ」
「次体育でしょ。サボるわ」
繊月は体育の授業に出たことがない。
「単位落とすぞ」
「体育だけなんだから大丈夫よ、補修にさえ出ればいんだから」
体育前にはおなじみの会話になってきていた。
そんな繊月は置いておいて織音と鷹中は更衣室に向かう。
すると、突然鷹中が止まる。
「すまねぇ、屋上に忘れもんした。先行っててくれ」
「分かった、また後で」
「おう!」
と、走って屋上へと階段を駆け上っていった。
――結局、鷹中も体育をサボった。




