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第3話

 8 四季の塔



 

 ようやく四季の塔の根元に辿り着いた星の王子たち。

 結界に入って、久しぶりの睡眠を貪っています。先の戦闘で傷ついた者たちもいますし、そうでなくとも疲労はたまっているのです。

 それに、緊急時とはいえ、夜中に女性の家に押しかけるというのも良くないですから。



 しかし、彼らが寝静まったのを見計らって動き出す影が二つありました。

 何人か見張りもいるのですが、二人はそれを想定していたようで、死角を上手く利用して雪の上を進んでいきます。

 すぐ眼前には『四季の塔』が見えています。

 中に、冬の女王がいるのでしょう。

 男たち二人は、先に冬の女王を塔から連れ出して、英雄になるのを目論んでいました。

 どうにかして冬の女王の気を引いて、彼女が扉から顔を出したのなら、多少力ずくでも引っ張り出してやろう。

 そう考えているのです。



 そろそろと真っ暗闇の中を丁寧に進んで、扉の前へ。

「で、でけぇ……」ため息にも似た声が、白い息とともに零れ出ました。

 確かに扉は、高く、幅広く、どこか重厚な雰囲気を放っています。

 錆びたような、くすんだ色をした金属の扉。しかし、細やかな彫り物はくっきりと残っていて、どこか豪奢な風でもありました。


 

 ゴクリ、と喉を鳴らして、そろそろと腕が届くくらいの距離にまで近付きます。

 いつまでも呆然としているわけにはいきません。

 今やらなければ、明日王子が起きてくる時まで躊躇を続けることになる。

 そんな予感が、二人を動かしました。

 大きな手と、骨ばった手が軽く拳を作って、コンコン、と。

 返事はありません。



 もう一度。

 もう一度。

 もう一度。

 やっぱり返事はありません。



 大柄な方の男は、拳を強く握って、扉を叩く勢いを強めていきます。

 トントンがドンドンとなって、ついにはガンガンと、大きな扉を震わせるほどの勢いが。

 音に関しては気にするな、と言われていましたから、遠慮はなしです。

 しかしそれでもなかなか、返事はありませんでした。



 大男は痺れを切らして、自信のある膂力で扉をこじ開けてしまおうかと思いつきました。

 男は魔法で身体能力を強化することができたので、常人の何倍もの力を発揮することができます。その長所を活かせるのではないだろうか?

 そうなると、男はすぐさま行動に起こしました。

 頭に血が上っていたのもありますが、もともと、思い立ったら即行動な性格でもあったのです。



 ガシリ、と力を強めた両手で扉の窪みを掴んで、

「ふんぬぅううおおお」

 と力を込めます。

 何かが軋んだような音が響いたような錯覚ののち、壁のような手応え。

 扉は全く動く気配がありません。

 


 男はすぐにその原因に気がつきました。

 扉の隙間が、びっしりと凍りついていたのです。

 冬の女王が施したのか、その氷は酷く硬く、男の剛腕を持ってしてもヒビ一つ入りません。

 誰一人、入れる気が無いというのか?

 その扉の様相から、男はそんなことを思いました。

 だとしたら、連れ出すのは至難の技です。



 でも、せっかく便利な魔法使いが味方に付いたのだから、もう少し粘ってみようか。

 諦めそうな気持ちを抑えて、痩せ男と二人で、願うような気持ちで扉を叩き続けます。

 二人は恵まれない境遇を恨んでいました。

 だからこそ、王国で最も恵まれた『星の王子』を出し抜いてやって、英雄の座を勝ち取るのです。

 ガンガンと、扉を叩き続けます。

 

 叩き続けます。



 すると、願いが通じたのか、扉の向こう側から微かな物音が聞こえてきました。

 すぐ向こうにいるのかもしれない。

 二人は、叩く手を強めました。

 ガンガンガン。



 頼む。


 頼むよ。



「…………え?」



 突如、扉が開きました。

 

 二人は、自分が何か幻を見ているような気分です。

 

 氷のドレスを着た、白い女の人が、目の前に立っています。


 ああ、その透明な唇から、今にも美しい囀りが聞こえて…………



「うるさい!」


 

 次の瞬間、男たちは氷像になっていました。








 8 四季の塔



 

 ガンガン、ガンガン。

 大きな音が、扉から聞こえてきます。

 うるさい。

 冬の女王は苛立っていました。



 春の女王も確かにしつこかったですが、それでも夜中まで押しかけてくることはありません。

 だからこそ、冬の女王の大切な時間は守られていたのです。

 だというのに、何者かは知りませんが、ついに夜の時間までも邪魔する輩が現れてしまいました。

 自分が間違っているのはわかっています。

 すぐに塔から出て、冬を終わらせて、眠りにつく。

 それが一番正しいのでしょう。



 けれど、冬の女王はそうしません。

 季節の初めに起きてきて、自分の季節を見守って、そして眠る。

 そのサイクルに一体何の意味があるというのでしょう。

 やりたいこともできず、ただ狭い塔の中、視線を彷徨わせるだけ。

 そんな日々に、ずっと、疑問を抱いてきたのです。



 彼女たち四季の女王は、断片的にしか、世界を見ることもできません。

 しかし冬の女王は、唯一、連続した世界を知っていました。

 だからこそ、この繰り返しに嫌気が差したのです。



「む」


 

 すぐに止むかと思って無視していたのですが、未だ音が止まる気配はありません。

 むしろ、だんだんと強くなっているような気さえします。

 塔の入り口は強力な魔法で凍らせているので、こじ開けられるということはないでしょうが、それでも、苛立ちは生まれてきます。

 春の女王はまだ気遣いが出来た。冬の女王は憤りを感じました。

 ぎりりと歯を噛んだ顔が、光に照らされて現れます。



『絶対に許さないんだから』



 その声は、外からの音によってかき消されて、耳には入りませんでした。

 それと同時に、冬の女王は勢いよく立ち上がります。

 この場を離れるということは、世界から目を離すということ。

 一時的とはいえ、冬の女王にとっては、とても大きなことです。

 しかし、集中を欠いたまま、というのも良くない。

 冬の女王は、仕方がないので、邪魔者たちを始末してしまうことにしました。



 作業は簡単です。

 扉を開ける→凍らせる。

 そうするだけで、男たちはすぐに静かになります。



 いきなり殺すのも好きではないので、ただ動きを止める程度にしておきました。

 一度はチャンスを与える心の広さを、冬の女王は持っています。

 もちろん、次はありませんが。



 開いた扉を、再び氷の魔法でぴったりと閉じてから、奥の自室に戻ります。

 そこには、見知らぬ背中がありました。

 細く、丸まっていて、酷く弱々しい背中。

 それが、冬の女王の定位置に収まっているのです。

 扉を開いたごく短い時間のうちに、塔に入り込んだとしか考えられません。



 それはゆっくりと振り返ったので、ようやく男だとわかります。

 そしてそのまま、男は口を開きました。








 orz オタク王子




「こんばんは、冬の女王」



 オタク王子は、塔の入り口のあたりから呆然と見つめてくる冬の女王に、軽く手を挙げて応えます。

 以前よりずっと、逢いたいと願っていた女性。

 平然として見せてはいますが、内心、その美しさに声が上擦ってもおかしくありません。

 しかし、冬の女王にそんな姿を見せたくはない。

 男というのは、必要以上に格好を付けたがるもの。それは、オタク王子でもそうなのです。

 


 冬の女王は、すぐには言葉を返そうとしません。

 隙をつかれたということに、驚いているのでしょう。

 なにせ、扉から冬の女王の隣を通って塔に入ってきた彼に、全く気付くことができなかったのですから。

 一体何者? という疑心が、その氷のような容貌から溶け出てくるようでした。

 冷気なのか、どこか、彼女の周囲はキラキラと煌めいているように見えます。



「あなたも、私を塔から追い出そうとするの?」



 距離を詰めることなく、油断もなく、冬の女王は刺々しい態度。

 


「そうだな。確かに、我にもその役目があることは否定しない」



 オタク王子は、塔の中央にある雪のクッションに腰掛けたまま、大仰に頷きました。

 確かに、王国中の者にその役割は期待されているし、彼も、冬の女王と唯一の約束を交わすには、外に連れ出す必要があると考えています。

 そろそろ、計画を実行する頃合いでしょう。



「さて」



 オタク王子は、勢いよく立ち上がりました。細足が一回二回とフラついて、止まります。

 思えば、幼い頃、初めて冬の女王と出会った時。その時から、『オタク王子』の人生は始まったのでした。

 なぜ、今年に限って冬は終わらないのか。

 なぜ、冬の女王は塔から出ようとしないのか。

 決まっています。



「我は一度、あなたを目にしたことがある。冬の日だった。今でも、あれがどういった現象だったのかは分からない。

 雪が、あなたの姿を映していたんだ。それは、今まで我が見た中で、2番目に美しい景色だったと言って良いだろう」



 一番は、直接あなたをこの目に映した『今』しかありえないが。と、オタク王子は付け足します。

 心底どうでも良さそうな顔で、冬の女王。



「それがなんなのよ!」



 それがなんなの。

 その時が無ければ、星の王子が冬の女王に大きな関心を抱くことは無かったでしょうし、オタク王子が一行に紛れ込むことは無かったでしょう。

 さらに言えば、その時から始まる『オタク王子』の人生があったからこそ、誰よりも早く、冬の女王の心理を読み解くことができたのです。

 誰にも分からぬ、彼女の胸の内を。



「我は、幼い頃から魔法を操ることに長けていた。遠くにあるあなたの姿を遠視の魔法で目に焼き付けて、さらに、聴力強化で声を拾った。

 父上はもとよりとして、当時の兄上は、魔法にそこまでの造詣があったわけではなかった。

 結果、我は、誰も知る術がなかった情報を、唯一耳にすることができた」



 その時から、彼の生活は変わりました。

 部屋に引きこもりがちになり、アニメやゲームに時間を費やす日々。

 何一つ分からない初めての世界。

 時が経つと、彼は『オタク王子』と呼ばれるようになっていたのです。



 オタク王子は右下に向かって、指を突き出します。

 そこには中型のテレビが置かれていました。

 四季の女王たちに、外の情報を断片的に示してくれる機械。

 そこには、春から開始された、新作アニメが写っていました。



「あなたは、小さな声で何か呟いているようだった。

 それは、当時の我には理解不能だったが、今はわかる。わかるようになった。

 16年前の『リーヴァ』と言えば、アニメ史に残る傑作の一つだ」








 ☆ 星の王子



 

 外が騒がしいな。

 星の王子は目を覚ましました。


「…………滴水成氷」

 

 すぐに、身を小さく縮めます。

 眠りについた時よりも、明らかに寒さが増していると、そう感じたのです。

 ちょうど、「大変です!」と兵士が滑り込んできました。

 また何かあったか。

 王子は、半ば確信したように、思います。



 外に出ると、辺り一面が、キラキラと輝いていました。

 細氷。

 これは確実に、冬の女王の所業でしょう。

 兵士に案内されて、王子は塔の入り口に近付きます。

 そこには二人分の氷像が出来上がっていました。



 王子は、二人の意図したことが何となくわかりました。

 とにかく、すぐに、「凍解氷釈、氷を解かせ!」と魔法使いを呼びます。

 四字熟語を頻繁に使う割には誤用が多いのも、彼の特徴なのです。

 魔法使いはすぐさま魔法を発動して、氷を溶かしました。

 罰を与える必要はあるでしょうが、今は、身動きを取れなくしておけば充分。

 体温が急激に落ち込んでいるので、温めておくように指示を出します。



 さて、冬の女王が彼らに接触したのは間違いありません。

 どうしたものか、と王子は頭を悩ませました。

 その間、兵士たちに扉が開かないか試させたり、魔法使いに炎の魔法を使わせたりしたものの、予想通り、ピクリともしません。

 やはり、中から冬の女王に開けてもらうほかに、彼女と面会する機会は得られないのでしょう。

 


「まだ外は暗い……やはり、日が明けるのを待つ方がいいのか……」



 星の王子は悩みます。

 国のためにも、自分のためにも急ぎたいことではあるのですが、冬の女王から悪感情を持たれるような行動を、自ら取りたくはありませんでした。

 どうしたものか。



 そんな時、何の脈絡もなく、塔の入り口が開きました。

 見ると、氷の色をした美女がいます。王子は、その姿に覚えがありました。

 塔から出てこないはずの冬の女王が、自らその扉を開いたのです。

 


 そして、



「お前……!」



 その傍らには、弟のオタク王子が。

 






 

 

 orz オタク王子



 

「あの言葉の意味を調べたのが始まりだった。あなたと話ができる時を信じて、我は必死に勉強した。

 そのうちに、本当にアニメが好きになっていた。それこそ、もう一つの世界とでも思えるくらいに、のめり込んでいた」


 

 オタク王子は目の前の美女に目線を向けます。

 彼が引きこもりになったのは、冬の女王に近い環境にその身を置くため。

 自身の世界が狭ければ狭いほど、『もう一つの世界』はその純度を増すのです。

 そういう意味では、冬の女王にとって、アニメの世界は現実そのものといってもいいくらいでしょう。



「何をくどくどと長話を始めてるの! 早く出てってよ」

「我は、あなたを外に連れ出し、冬を終わらせに来たのだ」

「だから、出ないから」

「あなたの心配は、我が取り除く。そう言ってもか?」



 冬の女王の動きが止まります。

 彼女も、季節の巡りを妨げていることに、罪悪感を感じてはいるようでした。

 よかった、とオタク王子は思います。

 もしそうでなかったら、この計画は破綻していました。



「これを見てくれ」



 王子は、空間魔法を使って、しまっておいた物を取り出します。

 最新のBDレコーダーに、中型テレビ。それにコードが数種。

 


「そ、それは?」



 突然、見たことのない機械を取り出されて、冬の女王はたじろぎます。

 オタク王子は、得意げになって、説明を始めました。



「これを使えば、アニメを保存して、後で見ることができるのだ。

 つまり、あなたはきちんと、春アニメを見届けることができる」


 

 冬の女王は驚きの表情を隠せません。

 そんなものがあったなんて。

 それを見て、王子は続けます。



「我にもよくわかるのだ。アニメは、一度見始めると、止まらない」



 今期のアニメ————つまりは春アニメの放送は、例年より一週間早く開始されました。

 冬の女王も、その影響で、アニメの第1話を目にしてしまったのでしょう。

 それで、その世界を見届けるまでは、と意地を張った。

 繋がった世界というものをアニメ以外に知らない彼女だからこそ、大げさな問題になったのです。

 


「四季の女王は、自分の季節を終えて塔から出ると、たちまち眠りにつくという。あなたは、塔に篭り続けるほかなかった」



 なんと悲しいことでしょうか。

 世界を取れば民が傷つき、民を取れば世界は失われる。

 そんな天秤があっていいのか。

 オタク王子は、嘆いているようでした。

「しかし」



「しかし、これがあれば話は別だろう。あなたは塔から出て、眠る。我は、春アニメの録画をする。

 問題は、あなたが我を信じてくれるか、それだけだ」



 





 

 8 四季の塔




 目の前の男が、きっちりと放送を記録してくれるのか。

 それが明確にならない限りは、冬の女王が気持ちのいい眠りにつくことは不可能でしょうから、当然、判断する必要がありました。

 しかしもう、彼が機械を取り出して見せた時から、半ば答えは決まっていたのかもしれません。



「わかったわ。私、塔から出る」



 冬の女王は言いました。

 今まで、ずっと、心の底で罪悪感が蠢いていました。

 アニメを見ながらも、国のことが気になって仕方がなかったのです。

 両方を選べるのなら、そうしない理由が、彼女にはありませんでした。

 得体の知れない男を信じるわけではありません。

 しかし、その提案は、良いキッカケにはなりえました。

 少しでも可能性があるなら。



 ただし、と冬の女王は続けます。



「春アニメだけじゃ物足りないわ。夏アニメも、秋アニメも、私のために録画し続けること。

 そして冬は、私とアニメについて語り合ってもらうわ」


「よろこんで」



 男は、大げさに、かっこいい敬礼のポーズをとりました。

 冬の女王も知っているアニメのものです。

 おそらくは、自分のために、冬アニメのネタを選んでくれたのでしょう。

 少しだけ、男とアニメについて語るのが楽しみになってきました。



「春も夏も秋も冬も、私のために生きてちょうだい」

「よろこんで」



 もう一度男は言いました。

 冬の女王は、入り口に向かって振り返ります。

 もう、塔の中にいる理由はないのです。

 冬を終わらせましょう。



 ゆっくりと、扉を開け放ちます。




 




 ☆ 星の王子




「こんばんは、兄上」



 冬の女王と共に塔を出てきた弟に、星の王子は驚きを隠せません。

 一体、自分が眠っている間に何があったのか。

 こんなことならば、時間帯など考えず、塔に向かっていればよかったのだ。



 弟にも、何か文句をつけてやりたい気分です。

 冬の女王が弟に心を開いたというのは、王子の心を大いに刺激しました。

 しかし、王子はぐっとこらえることにしました。

 道中、あの大きな怪物から救ってくれたのは、他ならぬ弟。

 あの活躍がなければ、今、自分たちはここに立つことすらできなかったかもしれないのです。



 王子は兄らしく、何やら決意のこもった目つきをしているオタク王子の言葉を待ちました。



「兄上、私は、王都には帰らないことにしました。

 この結界の中、四季の巡りを見守っていきたいと思っています」


「父上に、挨拶もなしでか」


「はい」


「ここには四季の女王以外に話し相手はいないぞ。四季の女王だって、自分の季節以外は眠っている」


「それでもです」


「それでもか」


「はい」


 

 ため息をついて、星の王子は言いました。



「わかったよ。ただし、事情は聞かせてくれよ」









 w 四季の塔




 塔に人が増えました。

 今は結界の隅に家を建てて、何やら機械を使っているようです。

 彼は冬の女王の友達みたいですね。


 あの事件は大きな問題になりましたが、どうやらこれからも、四季は巡っていくことになりそうです。

 さてさて、私もお仕事頑張りませんと。


 お花よお花よ、咲き誇れ〜☆








 ▼ 王都




 星の王子が帰ってきました。

 その頃にはもうすっかり、あたりは陽気な春の日に移り変わっています。

 王都は、星の王子をたたえる声でいっぱいでした。

 正直に言えば、何一つ状況がわからないまま、ことが終わったとしか言えないのですが。



 城に入ると、王様が血相を変えて飛んできました。

 なんだろうと思っていると、弟の名を出して、



「お前の隊に紛れ込んでいただろう!? どこへ行った? どうなった?」



 やはり心配していたのでしょう。訪ねてきました。

 


「今頃は、一人でアニメでも見ているのではないかと」



 星の王子は、相変わらず掴みどころの無かった弟の話を思い出しながら、答えます。

 今までは多少心配もありましたが、口に出すと案外変わりがなくて、「大丈夫そうだ」と妙に安堵してしまうのでした。

 

 

 

 

 了

自分でもよく分からない話を書いてしまいました(笑)

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

こんな話でも、少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。

感想等お待ちしております。

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