表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/19

第6話 初めての護衛依頼

本当の目的は、渓流釣りの道具を揃えることでした。

 冒険者ギルドに着いたのは、昼前になっていた。屋台では買い食いしていないので、ギルド内の食堂に先に行った。時間帯が冒険者の出払った頃のため、客は依頼に来た商人等が少し居るだけだ。親父の癖が移ったのか、俺も通りに面したテーブルに座って注文する。日替わり定食のような物を頼んだ。パンとポテトサラダに焼き肉と、スープが付いてきた。いろんな野菜を煮込んだポトフの様なスープで、具が大きくて多い。焼き肉はホーンラビットの肉みたいだ。前世の俺だったら、量が多いが、15歳の育ち盛りには丁度良かった。お腹もいっぱいになったので、のんびり護衛依頼の貼ってある掲示板に行く。王都方面への商隊護衛依頼を探す。

 「へええ、結構有るんだ。なになに、『馬車20台の護衛、Cランク以上30名求む。Bランクパーティーでの参加可。30名の護衛集まり次第出発予定。王都までの片道護衛も可、報酬片道金貨30枚 王都での滞在費各自負担。』て、王都まで一ヶ月掛かるから、一日金貨1枚か、良い報酬額だな、でもこれじゃ、確実に二ヶ月で帰ってこれないな。商隊は辞めて、個人の商人を探すか、」

 もっと、個人の商人で急ぎの護衛依頼は無いか見て回ると、『錬金術素材搬送業王都への至急便荷馬車1台 護衛Bランク以上2名依頼、15日朝一出発 報酬は掛かった日数に付き金貨1枚 予定往き4週間、滞在1週間、復り4週間 尚滞在期間は、宿泊代のみ支給 カムエル商会』とある。カムエルさんて確かオーマ山岳地帯の村に行商に来ていた商人の名前と一緒だと思い出した。無料で、水魔法や、浄化魔法を覚えられたお返しをするかと思い、その依頼書を取ってリルカさんの受付に行く。

 「リルカさん、この護衛依頼明日の朝出発だけど、まだ受けられるかな?」とカムエル商会の依頼書を差し出すと、

 「あ! タクマさん、これ受けてもらえますか? いくら荷馬車一台でも、二人以内での護衛は戦力不足で、Aランクのソロの冒険者以上でないと不可能ですとカムエルさんに断るところでした。フェンリルを討伐されたタクマさんなら問題ないと思いますが、一台だけの荷馬車の場合は特に盗賊が狙って来ますが、出来ましたら殲滅して下さい。捕縛した場合は、立ち寄った街のギルドで犯罪奴隷として引き取りますので、ロープを持参されたら宜しいかと思いますよ。それからカムエルさんにお断りしようとして連絡しましたので、もうすぐここにお見えになりますから、明日の打ち合わせをされたらどうですか?」と教えてくれた。

 「じゃあ、その辺で待ってますので、来られたら教えて下さい。」俺はそう言って、他の依頼を見て回る。しばらく見て回っていると、リルカさんが呼びにきた。

 「カムエルさんが見えられました。小会議室に待って頂いてますので、これからご案内します。」

 「ありがとうございます。」俺は、リルカさんに礼を言って後に付いていく。

 小会議室は、食堂とは反対側の買い取り所の奥に二部屋あった。ドアを開け中に入ると、やっぱりオーマ山岳地帯に行商にきていたカムエルさんだった。

 「こちらが、カムエル様の護衛依頼を受けて下さった、Bランク冒険者のタクマさんです。フェンリルを、お父様と二人で討伐された実力者ですので、若いからとご心配されることは無いと思います。」とリルカさんが紹介してくれる。

 「そうですか、助かります。私は錬金術の素材を扱って居りますカムエルと申します。今回、王都の錬金術研究ギルドの緊急依頼で、一ヶ月以内にある素材を手配するように連絡があり、商隊に参加して配送しようと考えていましたが、商隊の護衛がなかなか30人集まらないこともあり、急遽、自分達だけで、王都を目指すことにしました。馬車を急がせる都合、他に2名しか乗ってもらえませんので、護衛を2名以下とさせていただきましたが、それが不評で受けてもらえないかもと諦めかけていたところでした。最悪、火属性の攻撃魔法が使える娘と二人で明日出発するつもりでしたが、正式な冒険者の護衛はタクマ様ひとりになりますが、それでも宜しいですか?」と、現況を正直に話してくれる。

 「別に良いですよ。それより、カムエルさん、お久しぶりです。オーマ山岳地帯の山小屋に居たゴンズイの息子のタクマです。獣人族の村でよくお会いしましたタクマです。」二回名前を言って思い出してくれたようだ。

 「ああ、あの水魔法がすぐに使えたタクマ君ですか。もうBランク冒険者になられたんですね。そう言えば、ゴンズイさんから徹底的に鍛えられていましたね。ある意味納得しました。解りました。それではタクマさま、明日の朝一番に南門が開いたら出発したいのですが、宜しいですか?」と言うので、頷いて答えた。


 ギルドを出て、カムエルさんと分かれた俺は、盗賊対策にロープを探しに商店を見て回る。結構丈夫そうで柔らかい手触りの綿ロープを二巻き購入する。銀貨2枚ですんだ。これも異空間収納に納め、森の熊さん亭に帰ることにした。これで王都に行ける。王都に行けば釣り道具が有るかも知れないと期待に胸がふくらんだ。他の転世者が作っていることを切に願っている。


 森の熊さん亭に着くと、受付のエルザさんが出迎えてくれる。

 「タクマ君、お帰りなさい。今日は何してたの?」

 「冒険者ギルドに行って、王都までの護衛依頼を受けてきました。今夜もう一日泊めて下さい。明日の朝一番に出発します。」と言うと、

 「ええ、そんな依頼受けちゃったの? 王都までの護衛なんかしてたら、二ヶ月以上帰ってこれないでしょ。私に遠慮してるのなら、その必要は無いよ。」と言ってくれるが、

 「いや、どうしても王都に行きたかったんです。親父には話してあります。また二ヶ月したら帰ってきますから、心配しないで下さい。それから、エルダさん王都で買ってきて欲しい物、何か有りますか? 向こうに一週間の滞在期間があるので、探して買ってきますよ。」と言うと、

 「本当、じゃあ、新居の居間につける光魔法のシャンデリア魔道具が欲しいの。」

 「解りました。探してきますね。それから、明日朝の出発が早いので、昨日と今日の宿泊費の精算お願いします。」と俺が言えば、

 「バカ言わないでよ、ゴンズイの息子は、私の息子でもあるのよ。息子から宿泊費を取る親がいるわけないでしょ。じゃあ、明日の朝は、食堂にサンドイッチを用意しておくから、持って行くのよ。」と弁当まで手配してくれた。

 「ありがとうございます。ところで、親父はどこに居ますか?」と聞くと、

 「御免ね、新居の建築の件で、大工の親方の家に行ったの。多分、飲まされて今日は帰ってこれないかもしれないわ。誰か呼びに行かせましょう。」

 「いいえ、結構です。護衛に出るのは、昨日話してますので帰って来てから報告すればいいだけです。じゃあ、部屋に戻ってから、さきにお風呂に入らせてもらいます。」そう言って、301号室に戻り、風呂に行く。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ