表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/71

Review 試合の後で

 サポータを外して、歩み寄る。仲井は、悔しげながらも、どこかすっきりとした表情で手を差し出してきた。



「荻原先輩に注意されてたのに、見事にやられたよ。上宮、足上がるんだな」

「まあな」一応女子なんで。


「……上宮。ありがとな、俺の我が儘に付き合ってくれて。おまえはやめたがってたのに」

 いきなり仲井が頭を下げてきた。礼を言われることでは無いので、笑って首を振る。

「いや、俺も楽しかったよ。仲井、強いしな。良い思い出になった」



「はい、二人ともお疲れ〜。良い試合だったね」

「……部活中ですよ、荻原先輩」


 二人の会話に割って入ってまたまた抱きついてきた荻原先輩を、無造作に振り解く。邪険と誹られようとかまうものか。こっちは試合直後で暑いんだから。


「それにしても涁、戦い方変えたね。あんな慎重派だった?」

 やっぱり気づかれたか……



 先輩の言う通り、私は今までもっと突っ込んでいくタイプだった。相手の動きに合わせて……というのが、どうも苦手だったから。


 けど、まさか私だって、男子相手に突っ込んでいくほど馬鹿じゃ無い。だから仕方なく、全国大会で見たスタイルを、付け焼き刃どころか見よう見まねでやってみた。

 勝ち目が限りなく0に近いと分かっていたので、最初の2,3点は捨てる気でいた。男子の速さに慣れることを最優先にしていた。…慣れても避けられるとは思っていなかったけど、まあ、駄目元、という事で。



「それにしても、仲井君。ダメじゃない、あんな見え見えの引っかけにかかっちゃ。足はフェイクって、思い込んだでしょ」

「……すみません。あの至近距離から足がくるとは思わなくて」



 モロ悔しげな仲井。やってみたかいがあったというものだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ