表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い侯爵と白い花嫁〜愛を知らない二人が描く、歪な愛の物語  作者: 杉野みそら
第十三章 不穏な影

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

99/147

私はあなたを救いたい

リディアが一人呟いている頃、アリアも同じ夜を過ごしていた。


※アリア視点です。

 その日の夜。


 アリアは屋敷の温室にいた。アリアはいつからかこの温室が気に入り、カリスが特別に改装を施してソファなどの家具を置いてくれたので、この温室はアリアの隠れ家みたいになっていた。


 温室の花々に囲まれて座り、アリアはホッと息をついた。


「リディア様、私を憎む目がお辛そうだったな……」


 リディア様は、私にどうして欲しいのだろう?

 カリス様を、どうしたいのだろうか?


 あの小瓶には、何が入っていたのかしら?

 カリス様が「とても恐ろしいもの」だとおっしゃっていたけど……


 恐ろしいもの……


 今の私にとって恐ろしいのは、実家にいた頃の侍女たちの冷たい視線でも、母からの叱責でもなくて。


 ーー今はカリス様を失うのが本当に怖い。


 カリス様は時々怖くて、意地悪になる時があるけれど……


 誰よりも私に愛を伝えてくれる。


 ふと、温室の天窓から射す月明かりが、花々の葉を透かして白く揺れた。

 その光が、まるで優しく包み込むように私の肩を照らした。


 でも、どうしてかしら?


「……私はリディア様を見捨てる事ができない」


 なぜならリディア様も、私と同じ人ーーカリス様を見ているから。


 目を閉じると、花々の香りがやわらかく胸を満たした。


 その中に、カリス様の温もりを感じた。


「……リディア様、私はあなたを救いたいの……どうしたらあなたは救われるの?」


 呟きが静かな温室に溶け、アリアの指先がひとつの花弁に触れる。

 その花は、夜の静寂の中でゆっくりと揺れた。


リディアとアリアは対照的ですね。

皆さんはリディアとアリア、どちらが好きですか?

私はどちらも好きです。


ここまでお読みくださってありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ