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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十二章 二人の世界

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アリアの特技

この話は別に読んでも読まなくてもいいかな汗

お暇な時にどうぞ。アリアが体も強くなってきたという話。



 アリアが一歩、俺の腕の中へと入ってくる。


 その動きは驚くほど静かで、それでいて確かな意志を持っていた。

 音楽が再び流れ出す。弦の調べがゆるやかに高まり、彼女のドレスが光をすくい上げる。


 ーー美しい。


 言葉が出ない。


 白銀の裾がふわりと宙を撫で、アリアの細い腰がその中心で静かに回る。

 ひとつ、またひとつとステップを踏むたび、ドレスの薄布が波のように揺れ、月明かりがその波間を滑っていく。


 アリアの髪が肩から滑り落ちた。その髪が銀糸のように舞うたびに、そのひとすじが俺の胸をかすめていく。


 香りがした。


 白薔薇と紅茶、そしてほんの少しの甘い花蜜の香り。


 アリアの類は少し上気して、瞳には星のような光が宿っていた。

 その瞳が一瞬だけ俺を見上げたとき、鼓動が跳ね上がった。


(さっきも思ったけどアリアはこんなにも……色っぽかったっけ?)


 上気したような頬に、長いまつ毛が伏せられて、白い瞳が瞬きをするたびに揺れる。半開きの桃色の唇がいつもよりずっと……


 俺はそこでハッと気づく。


 そうか……カロンの食事のおかげか?

 アリアが最近ずっと顔色が良いのは……

 肉感的になったのも、そのおかげ……って、何を考えているのだ。俺は!


(それはいいことだが、俺は……)


 俺はまた黒い思いに心が支配されそうになっていることに気づく。


 アリアは踊りが唯一得意だと言っていたな……

 この見事な踊りを、俺が見ていたのと同じ景色を誰かも見ていたのか?


 くるくると回転して俺の胸に戻ってくるアリアの細い腰を抱き、俺に近づける。


「ッ!」


 俺のいきなりの行動に、アリアの体が跳ねる。


「……アリア、だめだよ。そんな笑顔で幸せそうに踊っては」


「えっ……?」


 俺は自嘲の笑みを浮かべる。ここには俺とアリア以外誰もいないのに……

 アリアの笑顔で踊る姿を一人占めしたいだなんて。


 ーーおかしな話だ。

むっつりカリス笑


ここまでお読みいただきありがとうございました。

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