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赤い侯爵と白い花嫁〜愛を知らない二人が描く、歪な愛の物語  作者: 杉野みそら
第十二章 二人の世界

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二人だけの舞踏会

※この章はただカリスとアリアがイチャイチャしてるだけの回になります。

視点気にせず読めると思います。


※二人だけの世界注意

※糖度高め

 あの夜から、庭園の花々はひっそりと沈黙していた。

 風の音も、鳥の(さえず)りも、まるで誰かの嘆きを慰めるように静かだ。

 そんな沈んだ屋敷の空気の中で、今夜だけは不思議と柔らかな光が灯っていた。


 アリアは今宵「大広間に来て」と言ってカリスに誘われた通りにやってきていた。


 アリアの身を包むのは、淡い月光を溶かし込んだようなペールシルバーのドレスだった。

 肩から胸元にかけて薄絹が幾重にも重なり、動くたびにきらりと光を返す。

 まるで夜空に浮かぶ雲が、星の光をすくい取っているかのようだった。


 裾は軽やかに広がり、歩くたびに霧のような透明感を纏って揺れた。


 その様がまるでアリアの歩む道を密かに照らす光のようであった。


 大広間の扉を開けた瞬間、思わずアリアは息をのむ。

 天井のシャンデリアが無数の星のように瞬き、壁際には季節外れの白い薔薇が並べられている。


「わぁ……!」


 広いお屋敷だとは思っていたけど、まさかこんな場所があったなんて!


「すごいすごい!」


「アリア」


 私がはしゃいでいると、カリス様が階段の上から降りてきた。


 少しだけ髪を後ろに撫でつけ、黒い燕尾服に身を包んだ姿。カリス様のそのいつもと違う出立ちと格好に私は息を呑む。


(まるで絵画からそのまま飛び出したような立ち姿……)


「どうしたの?そんなに見つめて……」


 私が見とれていると、カリス様が眉根を下げて笑う。


「カリス様が格好良すぎて、見惚れていました。すみません」


「……そうか……」


 カリス様は少し照れたように微笑んだ。


「……本当は、人を呼んでもっと豪勢にしたかったんだ」


「でもやはり無理だ。君を他の誰にも見せたくない、美しい君は俺だけのものだから」


 真っ直ぐに顔を見つめて言われ、顔が熱くなる。


カリス様独占欲強すぎ。でもその方がいいよね。

社交の場に出るたびにおかしな人たちに絡まれちゃうもんね。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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