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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十一章 邂逅と再開

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月の下の邂逅

リディアの指示通りに湖畔に来たアリアとカリス。

まずはアリアだけがリディアに会いにいく。


※アリア視点です。

 夜気(やき)はひんやりと澄み、湖面には月がぽっかりと浮かんでいた。

 湖畔の東屋には、たしかに一つだけ灯りがともっている。小さな灯火が、冷たい風にゆらりと揺れ、私を誘うように瞬いていた。


(本当に、来てしまったのね)


 決意したはずなのに、足が震えてしまう。


 湖の向こうには霧が立ち込めていて、その向こう側にカリス様の気配を感じた。


(よかった……カリス様が少し離れたところで見守ってくれてる……)


 そう思うだけで、不思議と足の震えがおさまった。


 東屋の中には、すでにリディア様がいた。


 月光の下で見る彼女は、舞踏会での派手な化粧はしておらず、ずっと美しかった。

 薄布のショールが風に踊り、白い肌が月の光を反射している。

 その姿はまるで、湖に棲む妖精のようで……同時に、冷たい刃のようでもあった。


 私はその冷たさに寒気を感じた。


 ……本当に近寄っても大丈夫なのかしら?


「ようこそ……アリア様。今宵は来てくれてありがとう」


「まずは謝罪をさせて頂戴。数々の無礼、あなたが倒れるまで追い詰めた私を許して」


「いえ……」


 不思議……舞踏会の時にはあんなに取り乱していたのに、今宵はすごく穏やかだわ。


 私はグッと喉に力を込める。


 聞くのよアリア。ずっと聞きたかったことを。


「……リディア様、私はあなたに対して何かしましたか?リディア様がそこまで私を憎む理由が私にはわからないのです」


 私がそう言った瞬間、リディア様の顔色がサッと変わった。


「……私が何かしたかですって??」


(したわよ!あなたのその儚げな態度!虚弱ぶって……)


「したわよ!私からカリス様を奪ったでしょう!?」


 えっ……


 カリス様を奪った?

 私が?

 カリス様を?

アリアちゃんはリディア様の地雷も踏みまくるんです汗


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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