表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十一章 邂逅と再開

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/122

どうしてそんなに憎むの

リディアからの手紙を受け取ったアリア。相談しようとカリスに見せると……


※カリス視点です。

 ーーこれは……


 * * *


「罠だな」


 カリスはそう言い捨てると机の上に手紙を置き、窓の外を見る。


「……私、行ってみようと思うんです」


 それを聞いて、俺は呆れたように短く息をつく。


「……何を言っているんだ。アリア」


「私は知りたいのです。リディア様が何故あんなに私を憎むのか……人目も憚らず私を罵ったのか……」


 確かにな……


 あのリディアの目つき。周囲に何と思われても構わないという感じだった。


(……俺も知りたい。何故リディアはあそこまで取り乱していたのか……)


 アリアはしばらく考え込んでいたが、やがて決意したように顔を挙げる。


「……カリス様、私はリディア様に会いに行きます。だから、カリス様には私を見守っていて欲しい」


 それならいいでしょう?


 アリアがこちらを見つめる。そんな目で見つめられると、頷くことしかできないじゃないか。


「……わかった。ただし危険だと俺が判断したらすぐに止めるから」


「……はい!」


(何でそんな嬉しそうなんだ……傷つけられたはずなのに)


 俺は窓から離れ、アリアの頬を撫でる。


「アリア……君は一度傷つけられたんだ。それどころか、今度はそれ以上に酷いことを言われるかもしれない。それでも君は会いに行きたいのか?」


「……はい。もちろんそれは覚悟しております。でも……」


「でも?」


「今の私にはカリス様がいらっしゃるから、怖くないです」


「……へぇ……」


 俺はアリアの頬を撫で、可愛いらしい唇をなぞる。


「可愛いことを言うね、もう一回言って?」


「えっ……?」


「ほら、『カリス様がいらっしゃるから怖くない』って」


「……っ!//」


 アリアの細い首を摩り、喉を撫でる。


「言わないとリディアには会わせない」


「……っあ、言います。言いますから……」


 それを聞いて思わず吹き出してしまう。


 アリアがこれほど必死になって会いたいとは……妬けるな。


 会いに行こう。アリア。

 そして俺も知りたい……


 リディアがこれほどまでにアリアを憎む理由を。


カリス様優しいね。

アリアは強くなろうと必死です。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ