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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十章 リディア・ベルダンディ

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悲しまないで、私のカリス様

珍しく落ち込んでいるカリスの姿を見てアリアは……


※アリア視点です。

「カリス様ごめんなさい、私……カリス様にご迷惑を……」


「いや。俺の方こそごめん。リディア嬢の性格を知っていたのに。アリアを連れて行ってしまった」


 そんな、カリス様はちっとも悪くないのに……

 むしろカリス様は私を守ろうとして、怒ってくださっていたのに。


「俺は……君をあの場に連れていくべきじゃなかった」


 カリス様がもう一度噛み締めるように言う。唇が悔しげに歪む。


(カリス様のこんな顔、初めて見た……)


 こんなにも悲しみと、後悔の滲む顔は初めて。いつも凛としていらっしゃるのに。


「いいえ、行きたいと言ったのは私です。……私はカリス様と一緒にいたくて、舞踏会に行ったんです」


 だからそんな顔をしないでください。


「それでも……君を傷つけたのは、あの場に連れて行った俺の責任だ」


 その瞬間、胸が詰まった。

 カリス様の指が、私の頬に触れる。


(カリス様の手、暖かい)


「……もう二度と、君の傷つく事や、悲しませるような事はしないと誓ったのにな」


「カリス様……そんなふうに思ってくれていたなんて、ありがとうございます。私はその気持ちだけで嬉しいです」


「俺は自分が情けないよ。まさかリディア嬢があんなに口汚く君を(なじ)るなんて」


 カリス様が珍しくひどく落ち込んでる。まるでご自身を責めるように、視線は伏せたまま。


 ……私も、ただ守られているだけじゃダメだわ。


 カリス様といつも一緒にいたいのなら、怖くても……言葉をうまく紡げられなくても、自分の言葉で立ち向かわなきゃ。


 すぐに倒れるような虚弱な体ではいけないわ!


「……カリス様、私リディア様にもう一度会ってみようと思います」  


 自分で決意したことなのに、声が震えた。


「アリア、君は何を言っているんだ……」


 カリス様が呆れたように短くため息をこぼす。


「リディア様は私に個人的に恨みがあるような物言いでしたわ」


「駄目だ。今のアリアをリディア嬢に会わせるわけにはいかない」


「でも……」


 いつか直接話さないといけない。


 私のカリス様が……こんなにも顔を歪めて悲しみに沈んでいらっしゃるのだから……


いつか直接リディアとは話し合わないといけませんね。だってこのままじゃ何故憎まれているのか分からないもんね!


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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