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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十章 リディア・ベルダンディ

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カリスの後悔

アリアはリディアの罵倒にショックを受けて倒れ、そのまま寝込む。そのそばにはカリスがいた。


※アリア視点です。

 目を開けたとき、見慣れた天井がぼんやりと霞んで見えた。

 胸の奥に冷たい痛みが残っていて、呼吸をするたび、微かに喉が焼ける。


(ここは……私の部屋……?)


 かすかな焦げ茶色の香り。

 それは、カリス様の紅茶の匂いだった。


(カリス様、すぐ近くにいるの?)


 ゆっくりと手を動かすと、ふかふかの布団の手触りと……


「……カリス様……?」


 カリス様はベッドに突っ伏して寝ていた。


(カリス様、そばにいてくれたの?)


 さらりとその黒髪を撫でる。


 私、どうしてここにいるのかしら?確か、カリス様と一緒に舞踏会に行って……それで……


【まあ……相変わらずお人形さんみたいに整った顔ですこと。アリア?】


 ドキッと、心臓が跳ねた。


(そうだ、私は確かにカリス様と一緒に舞踏会に行って、そこでリディア様に会って……)


【あなたは見た目も儚いし、大人しい性格だから、女を虐げて悦に浸りたいサディストな男達の注目の的だった】


 違う、そんな事ないわ。

 私はいつも目立たないようにしていたもの!


【どうせカリス様も、その虚弱で薄幸そうな雰囲気で虜にしたのでしょう?】


「違うわ!!」


「……ッアリア!起きたのか」


 私の叫びに驚いたカリス様が顔を挙げて、私の頬を撫でた。


「……何か、怖い夢でも見た?」


 カリス様は血の気が引いて、おそらく真っ青になっているだろう私の顔色を伺っていた。


「カリス様、私……リディア様に」


「すまない……怖い思いをさせたな」


 カリス様……ものすごく悲しみに沈んだような声。どうしてそんなに悲しい声を……


「あの……リディア様は……」


 カリス様は私の顔を抱き寄せ、耳元で囁きを落とす。


「いいんだよ。もう……アリアはリディア嬢に酷い事を言われて倒れたんだ……」


「……そうだったんですか、だから私は寝て……」


 カリス様に言われてハッと気付く。もしかして、カリス様にご迷惑をおかけしたのでは……?


「カリス様ごめんなさい、私……カリス様にご迷惑を……」


「いや。俺の方こそごめん。リディア嬢の性格を知っていたのに。アリアを連れて行ってしまった」


アリアは虚弱だから倒れても仕方ないんだよ。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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