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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十章 リディア・ベルダンディ

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アリアへの悪意

リディアに突き飛ばされたアリアはカリスの腕の中で震えていた。それを見たリディアがアリアを容赦なく罵倒する。


※このお話ではアリアがとても可哀想なことを一方的に言われちゃいます。そういう描写が嫌な方、調子の悪い方はバックしてください。

※カリス視点です。


「あらぁ、ごめんなさい。あまりに儚くて見えなかったわ。まあ……相変わらずお人形さんみたいに整った顔ですこと。アリア?」


「……何を……」


 アリアが震えて声も出せないようだ。なんだ、リディア嬢のこの仕打ちは……思い込みが激しいどころではない。頭がおかしい。


「何を言っているのかよくわからないって顔ね、でもこちらはあなたの事を昔から知っているのよ?アリア・リリオーネ?」


「……っ!!」


(どうして、初めて会ったはずのリディア様が私の名前を知っているの??)


 アリアが目を白黒させている。


「あなたは覚えていないでしょうね、あれはあなたも私も王立貴族学校の学生だった時よ。あなたは優秀で、見た目も特徴的で入学当初から注目の的だった。おまけにその儚い虚弱体質で、どんな要求にもはいはい応える姿に、心奪われる生徒も多かったわ。特に多感な男子生徒にはとても魅力的に映っていたのでしょうね」


「王立貴族の学校……?」


 震える声でアリアはかすかに呟く。


「あなたは見た目も儚いし、大人しい性格だから、女を虐げて悦に浸りたいサディストな男達の注目の的だった」


 アリアは俺に支えられて漸くよろよろと立った。だが俺の腕はアリアを抱いたまま。


(リディア嬢は何を言っている?アリアが学生だった頃の同級生だったのか?)


「ようやく見つけたと思ったら、何やら氷の侯爵様と仲良くやってるみたいじゃない?一体どんな毒を使ってカリス様を誑かしたのやら……その儚げな見た目と態度と声も白い目も、いつもいつも……ムカつくわ。どうせカリス様も、その虚弱で薄幸そうな雰囲気で虜にしたのでしょう?」


(どうしよう、私が王立貴族の学校に通っていたのは本当だけどこんな方知らないわ……)


「ふん、何よその目は。またその儚い見た目を利用して被害者アピール?あなたはいつもそうだったわよね!」


 アリアが俺の腕の中から一生懸命に声をあげた。


「わ、私、申し訳ないけど存じませんわ。リディア様の事を……」


 アリアが必死に言葉を探しているのに、周囲の誰も助けない。どいつもこいつもただ扇子を口に持って行き、見せ物のように俺たちを笑って見ているだけ。


 ……クソ貴族どもめ……


クソ貴族って、以前のカリス様だったら(一人称私だった頃)は言わなかったよね。

リディアは何故アリアをここまで追い詰めるのか?


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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