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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十章 リディア・ベルダンディ

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私だけを見ていて

カリスが言いにくそうに主催者のことを話す。詳しく知っていそうなカリスの物言いに、アリアはもやもやしてしまう。


※アリア視点です。

「違う違う、ランスが来るんだったら俺も誘わないよ。主催者はリディアという女性だ。ただこの女性は……なんというか、気が強いというか……」


「気が強い……カロン様と同じタイプでしょうか?」


「……あいつとはちょっと違うな。リディアは豪快で、押しに強く思い込みの激しい女だ」


「……お詳しいんですね」


 ズキンッ……


 なんか、嫌だな。カリス様の声で他の女性の話を聞きたくない。


「……私は平気です」


 勘違いしちゃダメよ、アリア。


 カリス様は不遇な境遇だった可哀想な私に情けをかけてくださってるだけ。


 そのうちカリス様は私に飽きて、他の人と幸せになるかもしれなくて……私は……


 ハッと息を呑む。


(いけない、いけない!)


 またネガティブな思考が頭を(もた)げる。こんなこと考えたくないのに……カリス様は私だけが好きなことわかってるのに……


 ……でも、本当にそう?


 カリス様は私に飽きることはないのかしら?


「アリア、どうした?顔色が悪い……」


 アリアの手にそっと触れる。……冷たい。


(もしかして、また何か余計なことを考えて不安になっているのか?)


 一度疑い始めると、どんなに優しい声をかけられても懐疑的になってしまう。聞けばいいのに、聞くのが怖い。


 ーーもし望む答えじゃなかったら?


「……アリア、舞踏会が重荷になっているのなら断ろう」


「だ、だめ!!カリス様がせっかく誘ってくれたのに!」


 思わず強く言いすぎて、私も驚いた。カリス様も目を瞬かせていた。


「何でも一緒って約束しました……」


「そうだな、アリア。でも無理だったら行かなくてもいいからな」


 カリス様はそう言って私を抱き寄せた。カリス様、いい匂いがする……


 そう。カリス様は私に誓ってくださった。私と何でも一緒にしてくれるって……

 一緒に思い出を作っていきたい。カリス様と二人で。二人だけの……


 ーー私だけを見ていて欲しい。カリス様。他の女性なんか見ないで。


 私、なんでもします……


 栄養をつけて、体力もつけます。だから……


(カリス様、もっと私を見て……)


アリアちゃんヤキモチの仕方が独特だなぁ。汗

ずっと一人でいたアリア。独占欲は強めですが本人は気づいてないです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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