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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第十章 リディア・ベルダンディ

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新たな波乱

ランスのことがあってからしばらくは何もなく穏やかな日々を過ごしていた二人。そんな中カリスに一通の手紙が届く。


※カリス視点です。

 秋の風が心地よく吹き抜ける頃、ヴァレンティ家の廊下にやわらかな陽が差し込んでいた。

 

 カリスの部屋に、執事が手紙を運んでくる。


「旦那様、お手紙が届いております」


「ああ、ありがとう」


 カリスは手紙を手に取り、顔を(しか)めた。


「これは……」


 * * *


「おはようございます。カリス様」


 朝食の席では、アリアが珍しく早く席に着いていた。


「アリア、今日は早いんだな」


 カリスが微笑みながら口付けると、アリアは恥ずかしそうに身を捩る。


「はい、今日は早く起きれましたの。カロン様のお料理のおかげで少しずつ体調が良くなってきたので……」


「そういえば今日はそのカロンがいないな……いつも誰よりも早く来ているのに」


「カロン様は今朝早くに出かけられました。何やらお急ぎのようで……」


 ミツキが説明してくれた。そうか……


「まああいつは今までも神出鬼没な奴だったし珍しいことではない」


「でもカロン様は私の為の料理を今日も作ってくださってます。本当にありがたいわ……」


 アリアはそう言ってふわりと微笑む。


(あのカロンがな……カロンはなんだかんだでアリアのことをちゃんと考えてくれているのだな)


 まだアリアに謝ってはいないが……?


「そうだ、アリア。舞踏会に興味はないか?今日招待状が届いて……」


「まあ素敵……舞踏会なんて行ったことないです」


「そうか……」


「もしかして何か不都合があるのですか?私が隣にいると、馬鹿にされるとか……」


「アリア、自分を卑下するのはやめろ……」


 カリスの機嫌が一気に悪くなる。


「あ、ごめんなさい。つい……」


 カリスが軽く息をつく。


「……主催者が、どうもな……アリアの苦手そうな人なんだ」


「えっ……それってもしかして、ランス様?だったら私は行きませんわ」


 カリスは思わず笑いながら首を振った。


「違う違う、それだったら俺も誘わないよ。主催者はリディアという女性だ。ただこの女性は……なんというか、気が強いというか……」


「気が強い……カロン様と同じタイプでしょうか?」


「……あいつとはちょっと違うな。リディアは豪快で、押しに強く思い込みの激しい女だ」


これは一波乱ありそうな予感ですね。


最後まで読んで頂きありがとうございました。


感想などありましたら是非書いてくださいね!

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