その声は鎖の音がする
カリスから静かな怒りを感じたアリアは戸惑い怯えるが……
※カリス視点です。
「……じゃあ、『これからは何があっても、カリス様のそばを離れない』って言ってみて」
「えっ」
俺は口だけで笑みを作る。
「……言えるよね。アリアはいい子だから……」
(どうしよう、カリス様のこの感じ……私が逃げたからカリス様の何かのスイッチを押しちゃったの?)
ドンッ!
俺はアリアの背中に手を当てて壁に追いやり、逃げ道をなくす。アリアはびっくりした様子で、潤んだ瞳でこちらを見上げる。
(こういう時は逃げないのか)
「……早く。キスしてしまうよ」
「まっ、待って……言います。言いますから」
その怯えた声さえ愛おしい。
俺はアリアの髪を優しく撫で、その細い首に触れる。ぞくりとするほど柔らかい。
「これからは、何があっても……」
(でもまたランス様が現れたら?)
アリアの言葉はそこで止まってしまった。どうやら"何があっても"の部分が引っかかるらしい。ランスが現れた時のことを考えているのか?
大丈夫だよ。もしまたランスが現れたらその時はーー
(ーー俺が殺すから大丈夫だよ)
「ランスは俺がなんとかするから大丈夫だよ。安心して」
アリアは俺の本音には気付かずホッとした様子で胸に手を当てた。
可哀想に。俺に好かれたばっかりに……
アリアはおそらく知らない。アリアを失わないためには、俺はどんな手段も厭わないことを。
「続きは?アリア……」
俺はアリアの唇をなぞって続きを促す。
「……カリス様のそばを離れません……//」
「いい子だね。アリア……」
グイッ!
「んっ……」
拒む隙を与えず唇を奪う。
深く、けれど優しく。呼吸さえ忘れてしまうほどに熱く、その熱で溶けてしまいそうに甘く……
「……ぷはっ」
やっと唇を離した時、アリアの顔は真っ赤になっていた。俺は微笑んで、息を整えているアリアに囁きを落とす。
「……約束だよ。アリア」
「……はぁはぁ、はい……//」
優しいのに、絶対抗えない。甘いのに、鎖の音がする声。
* * *
(……もちろんです。カリス様……)
私を、もっと褒めてください。
私をもっと、支配して。
見えない鎖で、縛り付けて…………
結局のところアリアもどこか壊れているのかな?
でもこういう愛の形も美しい……
最後まで読んで頂きありがとうございました。




