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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第九章 狂気の隙間

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狂気のカリス

街へデートに出かけたアリアとカリス。偶然にもランスと出会してしまう。


※カリス視点です。

「やあやあ懐かしいな!誰かと思えば、カリスじゃないか!」


 聞き覚えのある、しかし非常に耳障りな声が聞こえてきた。


「……はぁ……ランスか……ここへ何しにきたんだ?」


 声の主は侯爵家の次男、ランス・レオンハルトだった。


「何しにって買い物だよ。ちょうど退屈な会議が始まりそうだったんで、抜け出してきたんだ。……おや、そちらの可愛いお嬢さんはいつぞやの……」


 俺の後ろに隠れていたアリアが震えた。


「ぁっ……わ、私、あちらを見てきます!!」


「アリア!」


 弾かれたように走り出したアリアを捕まえようとしたが、なんせ人通りが多い街だ。アリアは人の往来をすり抜けてあっという間にどこかへ行ってしまった。


「アリア!……クソッ!」


「なんだカリス、紳士なお前にしてはずいぶんとお言葉遣いが汚いじゃない……か」


 こいつのせいだ。ランスが突然現れたせいでアリアはきっと驚いて……


「……おい、ランス……」


 俺の声は驚くほど低く、怒りを含んでいた。


「な、なんだよ!今回は俺何もしてないだろ?」


 俺は持っていたナイフを素早くランスの首に突き立てて言い放つ。その切先は身も凍るほどに冷たく、容赦なく。


「……黙れ……お前の声に驚いてアリアは逃げたんだ。もしアリアに何かあったらその時は……お前の命は無いと思え」


 ランスは降参だと言わんばかりに肩まで両手を挙げて言った。


「……おっ、お前……イカれてるぞ!こんな公衆の面前で……」


 イカれてる?そりゃそうだろうな。アリアを守るためなら何だってするさ。


 アリアは俺のものなのだから!


 俺はランスを突き放し、アリアが走って行った通りへ急いだ。


カリス様はだんだん公衆の面前とか気にしなくなってきました。

アリアが逃げたのは晩餐会の時にランスがしつこかったからです。そりゃランスが悪いよ。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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