ツンデレなカロンお姉様
アリアはカリスの口付けでようやく落ち着きを取り戻した。翌日、この物語で唯一の(?)癒し枠カロンが朝からテンション高めに朝食を摂っていた。
*印以降はカロン視点です。
「……落ち着いたか?」
「は、はい……カリス様。早とちりしてごめんなさい。私、人を好きになったのは初めてで……混乱しちゃって……」
「……それはこちらも同じだ。俺もこんな気持ちになったのは初めてなんだ」
こんなドロドロとした黒い想いを抱くなんて。
アリア。可哀想に……こんな男の心を開かせたばっかりに……
君は目の前の男の心が、こんなに真っ黒なのを知らなかっただろう。
もう君がどんなに泣いても震えても、逃がせそうにない。
ーー君が望もうと望むまいと、俺は君を離せない。
(俺がこんなにも一人の女に執着するとは……)
俺はもう一度キスをする。今度は軽く……
アリアはもう身じろぎはしなかった。
* * *
翌日ーー
「カロン、お前まだいたのか?」
「あらカリスお兄様!ごきげんよう!ここは私の実家ですもの。いつまででも居てもいいでしょう?それよりアリアはどこなのよ!」
「アリアは低血圧で朝は弱いんだ。ゆっくり準備してくるさ」
「まー!貧弱ねぇ!やはり痩せすぎてるのがよくない……」
「……なんだと?」
カリスが腰に下げている剣をカチリと鳴らす。
「ひっ!じょ、冗談よ!お兄様ったら本気にしちゃって!!」
「俺はアリアの事に関してはいつも本気だ……」
「ハイハイわかったわよ!でも実際お兄様も心配でしょ?あんなヒョロガリで」
「……アリアは食べても太らないんだ。お前と違ってな」
カリスはすげなくそう言ってお茶を飲む。
「なんですってーーーー!?」
カリスの言葉に腹が立ったカロンが立ち上がったその時ーー
「おはようございます」
アリアがまるで天使のように軽やかに、優雅に現れた。白い肌が朝の光に照らされて余計に神々しい。
「ま、まぶし……って、なんかあなた……一晩見ない内に変わった??まるで別人みたいに綺れ……」
私は言いかけた言葉を慌てて飲み込んだ。危ない危ない!『綺麗になった』って言うところだったわ!
私はまだアリアを嫁として認めていないわ。
褒めてなんかやるもんですか!絶対に!!
「おはようございます。カロンお姉様。今日も相変わらずお美しいですね」
果たしてカロンは謝れるのか!?
でもアリアは気にしてなさそうだよね。カリス様に慰めてもらったもんなぁ!?うらやまs……いや、何でもな
最後まで読んで頂きありがとうございました。




