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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第七章 支配と依存

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キスで塞いで、息すらできない

アリアの部屋に踏み込んだカリスは、アリアの「捨てないで」の一言に怒っていた。


※前半はカリス視点。*印以降アリアの独白です。

 捨てる?俺が、アリアを?


 スゥっと頭の中が冷たくなる。この感覚には何度か覚えがある。


 アリア、酷い勘違いだ。今までは許せたけれど、今回は許さない。


 俺の胸にしがみつくアリアの手をとって、俺は半ば強引にその唇を塞いだ。


「……ッ!」


 アリアが俺の腕の中で身を捩る。


「……いつ俺が君を捨てると言ったんだ?なぁ?」


「……ぁ……ご、ごめんなさ……」


「謝らなくていいよ」


「カリス様、怒ってるの?」


 答える代わりに俺はもう一度アリアの唇を俺のそれで塞ぐ。いつものような軽いものではない。アリアの意外と強情なところも、その自信のなさも、息をすることも奪うような深い口付け。


 アリアは最初何をされているのかわからないと言った様子で大人しくしていたが……


「アリア、呼吸して……そう、鼻で……」


「……はぁ……ッ」


 俺が唇をやっと離すと、アリアの瞳はもはや潤み、全身の力が抜けていた。


 * * *


 私はまた何か間違えてしまったんでしょうか?


 カリス様が、私の口を塞ぐのです。それも、息ができない程深く……私の全てを奪うようなキスで。


 私が目をあげてカリス様を見た時ーー


 カリス様はまた深い口付けをしてきて、私はカリス様という海に溺れてしまったのです。


 カリス様……


 私を心地よい海の底に引きずり込んで、私の自由を奪って救い上げてくれる人。


 クローゼットに閉じ込めなくても、私はとっくにカリス様という鎖に縛られて、閉じ込められていたのだ。


 でもこの鎖が、気のせいか心地よいのは何故?


 ……カリス様に囚われれば囚われるほど、溺れれば溺れるほど、逃げる理由が消えていく……



まあこれも愛の形なのかしら?二人が幸せなら問題はないのじゃ!多分……


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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