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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第七章 支配と依存

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追い詰めて、閉じ込めて

アリアの部屋に入ってきたカリスの心に、再び重い霧が立ち込める。


※カリス視点です。

(……どうしたものか……)


 俺は今アリアが隠れているであろうクローゼットの前に立っている。


 アリアがこのクローゼットに隠れているのは知っている。俺は軽く息を()いた。


「アリア、そこに隠れているのはわかってるよ。大人しく出てきなさい」


「いやです……だって、私今変な格好してるから」


「……それがどうかしたのか?」


「だって……恥ずかしい。こんな普段着で、好きな人に会うのが……」


「……ッ!!」


 なんだ、そんな事が理由だったのか。でも今まではそんな……


 もしかしてーー


「アリア、もしかして君は俺を好きだと自覚したからそんなに恥ずかしいのか?」


 クローゼットの扉越しに低く話しかける。


 優しく、慎重に。穏やかに。


「えっ……それは……」


(どうしよう、カリス様のこの感じ……)


 俺はクローゼットの扉に手をかける。


「……アリア、どうなんだ?」


「そっ、それは……」


 カリス様、わざとだ。知っていてわざと私を追い詰めるんだ。あの時と同じ……


「出てこないの?じゃあ無理にでも開けようかな」


 私を追い詰めて、聞いて、答えが出るまで延々と繰り返すの……


 そのうち私は頭がぼーっとなって、カリス様の腕の中で……カリス様で頭がいっぱいになって……


「ああ、それともこのままここに閉じ込めてしまおうか?」


(アリアを誰にも見せたくなくて、閉じ込めたくなる。泣かせたくないのに俺の言葉で泣かせたくなる)


「……本当にそうしてしまおうか?」


 俺はそう言って扉に手をかけた。その瞬間、頬を真っ赤に染めたアリアが勢いよく出てきた。


「だめ……閉じ込めるなんて嫌……もう二度とカリス様に会えないなんていや……」


 ???ん???


「アリア、君は」


「だってクローゼットに閉じ込められたら、カリス様には会えないじゃないですか……そんなのは嫌なの」


「アリ……」


 そう言ってアリアが俺の胸に飛び込んできた。


「私、嫌です。たとえ私がどんなに見窄(みすぼ)らしくても体が貧相でも、カリス様のおそばにいたい……」


「お、おいアリア。君は何か思い違いをしている」


「お願い……カリス様。私頑張るから、もっと太るから私を捨てないで……」


 捨てる?俺が、アリアを?


 スゥっと頭の中が冷たくなる。この感覚には何度か覚えがある。

アリアちゃんはいつもカリス様の地雷を思いっきり踏みつけてジリジリしますよね。 

そういうの好きです(歪)


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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