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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第七章 支配と依存

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好きと自覚したら……

お互いにお互いを好きと自覚したアリアとカリス。自分の気持ちに気付いたアリアは、どうして良いかわからなくなっていた。


※アリア視点です。

 ど、どうしよう……


 カリス様の事、好きだって自覚したら……なんか……//


 ドキドキする。心臓の音が鳴り止まない……

 どうしよう。


 でも勘違いしちゃダメよ、アリア。

 カリス様は不遇な境遇だった可哀想な私に情けをかけてくださってるだけ。


 そのうちカリス様は私に飽きて、他の人と幸せになるかもしれなくて……私は……


 ズキッ……


「いや……いやよ……」


 あの声で、他の方たちにも呼びかけるの?

 あの優しい微笑みを、他の方に向けるの?


「いや!そんなの嫌……!」


 今まではそれでも構わないと、思っていた。だって私は愛される資格がないと思っていたから……


 でもそれは、カリス様の事を好きって自覚する前の事で。今は違う。


 カリス様は……


『全部言えたな……アリア。いい子だ』


 私の頭を撫でて、褒めてくれた。


『アリア、君が好きだ』


 こんな私の事を好きだって言ってくれた……


「奥様?旦那様がお呼びですよ」


「あっありがとう!ミツキ……」


 今までの私って、どんな風に接してたんだろう。カリス様を好きだと自覚した今は、どんな顔して会えばいいんだろう。


 私はふと鏡を見た。


 全身が映る鏡には、晩餐会で着ていたような豪華な赤いドレスではなく、質素な白いドレスに長い銀髪。白い肌に白い瞳。貧相な体の私が映っていた。


 その中で赤い髪飾りだけがキラキラと輝いて……


(……私……今までこんな見窄らしい格好でカリス様に会ってたの……)


「…………」


「奥様?どうされましたか?」


「……やっぱり私、行かないわ。カリス様には具合が悪くなったと伝えてください」


 こんな見窄らしい格好で、会えるわけがない。どうして今まで平気だったの?


「えっ、奥様!?」


「ごめんなさい、ミツキ……」


 具合が悪いなんて嘘よ。本当はこの見窄らしい私をみて欲しくないだけ。カリス様に……好きな人には見せられない。見せたくない。


 私はふらふらと自室に戻り、鏡の前に立った。


 髪を()かして、そのまま髪を上に持ち上げる。


「確かカリス様はこんな風にしていたわ」


 私はあの夜、カリス様が私の髪に髪飾りをつけてくれた事を思い出す。思えばあの夜は、初めてキスをしたんだっけ……//


「カ、カロン様!!困ります。勝手に……今奥様はお休み中で……」


 えっ??


「アリア・ヴァレンティ!出てきなさい!」


そういえばこの二人って結婚してたんだった。

告白とかしてるからさ……滝汗


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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