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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第六章 カリスとアリア

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全部カリス様のもの

カリスはアリアの自信がないところを一つひとつ潰すように教え込んでいたが、その行為は同時にアリアの依存心を刺激していた。


※カリス様視点です。

「ま、待ってください。言えます。言いますから……」


「うん、待つよ。でもキスはする」


「なっ……それは話がちが……」


「アリア。続きは?」


「……ぅ……つ、続き……//」


「私の銀髪も」  


 俺はアリアの銀髪に口付けながら低く呟く。


「私の……銀髪も……」


「細くて頼りない体も」


 アリアの首筋に口付ける。軽く捻るだけで折れてしまいそうな、血管が透き通る薄い首。


「……ッ……ほそくて、頼りない……体も……//」


 一生懸命に言葉を紡ぐアリア。可愛いな……


「あと少しだ……頑張れるな?アリア……」


「……はっ、はい……」


(カリス様に褒めてもらいたい……もっと、塗り変えてほしい。私の記憶を……)


「白い瞳も赤い唇も」


「……しろい……瞳も、赤い唇も……」


 グイッ!!


 アリアを引き寄せ、その赤い唇に触れる。


「んっ……//」


(カリス様、褒めて……これが言えたら褒めて……カリス様に褒められたい)


 ドクンと心臓が高鳴る。アリア、君はなんて顔をするんだ。潤んだ瞳と、真っ赤になった頬に、何かを期待するかのような半開きの唇……


 思わずゴクリと喉が鳴る。


「……全部カリス様のものです」


 そう、全部俺のもの。全部……

 俺はアリアの細い首筋にもう一度口付けをする。


「んッ……ぜんぶ……カリス様のもの……です//」


(言えた……!!全部言えた!)


 俺は苦笑して、アリアの頭を撫でる。


「全部言えたな……アリア。いい子だ」


「……ッ!!」


(カリス様……褒めてくれた。嬉しい……)


「アリア、これから嫌な事を思い出しそうな時にはいつも思い出して欲しい。今言った言葉を」


「カリス様の……言葉」


(私はカリス様のものです)


 アリアは顔を真っ赤にしてこくこくと頷く。


「ふふっ、いい子だね。アリア……」


褒められたいという気持ちがアリアの依存心を刺激したんですね。カリスもアリアもお互い大変だ。


恋って依存と紙一重な部分ありますよね。想いが深ければ深いほど……


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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