君はわかっていない
カリスに捕まったアリアは、言葉を復唱させられていた。だがここでも呪いの言葉が邪魔をしてくる。
※カリス視点です。
【あなたのその真っ白な瞳、白髪に近い銀髪!見るだけで呪われそう!】
「アリア」
呼ばれてハッとする。カリス様の声……こんなにはっきりと聞こえるのに……
呪いの言葉が消えない。
「……カリス様……私……」
「アリア、続き言えないの?」
「……ッ」
とうとうアリアは泣き崩れてしまった。
「ごめんなさい……カリス様」
「……どうやらアリアには物足りなかったみたいだね」
* * *
「アリア、君のこの髪の毛……いい匂いだな」
俺はアリアの銀髪を撫でて、顔を寄せる。
「……んっ、カリス様。何を……」
「黙って」
アリアは素直に黙った。いい子だな、本当に。
「じゃあこうしよう。言葉を変えるから、俺が言ったとおりに繰り返すんだ。さっきより簡単だ」
アリアは小刻みに震えて、俺の袖にしがみついている。
「……どうするの?」
だが、だからこそ容赦はできない。ここで過去を完全に断ち切るのだ。
これは俺とアリアの問題だから……
誰にも邪魔はさせない。もちろんアリアの過去の幻影にも。
「……や、やります……」
「うん……いい子だね、アリア……」
「ッ!!」
(どうしよう……カリス様に褒められて嬉しい……//)
俺はアリアを抱き寄せた。細い。
この細くて頼りない、儚い体も……俺のものだ。
「じゃあアリア、"この銀髪も、細くて頼りない体も、白い瞳も赤い唇も、全部カリス様のものです"って、言ってみて」
!!
「そっ、それは……//」
「言えないの?ならアリアが嫌がるところにキスするけど」
「……ッ!//いっ、言えますよ!!」
アリアが少し怒ってそう言う。怒った顔もかわいいな……
「ふふ、じゃあ言って」
「わ、私の銀髪も……細くて頼りない体も」
「ほら、次は……?」
「……//」
「……遅い」
耳たぶにキスを落とす。
まただ……どうもアリアは俺を無意識に煽る癖があるな……
アリアを見ていると、いけない事だとわかっていても、ついいじめたくなるのだ。
アリアの反応がいちいち可愛いのがいけない。
だがこのアリアの可愛いさ、怒った顔も、すべて俺だけが知っている。
……俺以外は、誰も知らない。
その事実が俺の心を醜く歪ませる。
アリア、君はわかっていない。君は自分のことを不気味だの何だのと言って自信がないようだが、俺の方がよっぽど残酷で、醜い。
(……これは、アリアに復唱させられないな……)
カリス様エロすぎやしませんかね……
私は知らんぞ(逃走)
最後まで読んで頂きありがとうございました。




