表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第六章 カリスとアリア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/122

君はわかっていない

カリスに捕まったアリアは、言葉を復唱させられていた。だがここでも呪いの言葉が邪魔をしてくる。


※カリス視点です。

【あなたのその真っ白な瞳、白髪に近い銀髪!見るだけで呪われそう!】


「アリア」


 呼ばれてハッとする。カリス様の声……こんなにはっきりと聞こえるのに……


 呪いの言葉が消えない。


「……カリス様……私……」


「アリア、続き言えないの?」


「……ッ」


 とうとうアリアは泣き崩れてしまった。


「ごめんなさい……カリス様」


「……どうやらアリアには物足りなかったみたいだね」


 * * *


「アリア、君のこの髪の毛……いい匂いだな」


 俺はアリアの銀髪を撫でて、顔を寄せる。


「……んっ、カリス様。何を……」


「黙って」


 アリアは素直に黙った。いい子だな、本当に。


「じゃあこうしよう。言葉を変えるから、俺が言ったとおりに繰り返すんだ。さっきより簡単だ」


 アリアは小刻みに震えて、俺の袖にしがみついている。


「……どうするの?」


 だが、だからこそ容赦はできない。ここで過去を完全に断ち切るのだ。


 これは俺とアリアの問題だから……


 誰にも邪魔はさせない。もちろんアリアの過去の幻影にも。


「……や、やります……」


「うん……いい子だね、アリア……」


「ッ!!」


(どうしよう……カリス様に褒められて嬉しい……//)


 俺はアリアを抱き寄せた。細い。

 この細くて頼りない、儚い体も……俺のものだ。


「じゃあアリア、"この銀髪も、細くて頼りない体も、白い瞳も赤い唇も、全部カリス様のものです"って、言ってみて」


 !!


「そっ、それは……//」


「言えないの?ならアリアが嫌がるところにキスするけど」


「……ッ!//いっ、言えますよ!!」


 アリアが少し怒ってそう言う。怒った顔もかわいいな……


「ふふ、じゃあ言って」


「わ、私の銀髪も……細くて頼りない体も」


「ほら、次は……?」


「……//」


「……遅い」


 耳たぶにキスを落とす。


 まただ……どうもアリアは俺を無意識に煽る癖があるな……


 アリアを見ていると、いけない事だとわかっていても、ついいじめたくなるのだ。

 アリアの反応がいちいち可愛いのがいけない。

 だがこのアリアの可愛いさ、怒った顔も、すべて俺だけが知っている。


 ……俺以外は、誰も知らない。


 その事実が俺の心を醜く歪ませる。


 アリア、君はわかっていない。君は自分のことを不気味だの何だのと言って自信がないようだが、俺の方がよっぽど残酷で、醜い。


(……これは、アリアに復唱させられないな……)


カリス様エロすぎやしませんかね……

私は知らんぞ(逃走)


最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ