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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第六章 カリスとアリア

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狂おしい程のアリア

カリスは扉を破壊してアリアの部屋に入ってきた。その瞳は赤く光り、炎さえ燃えつくしてしまいそうで……


※カリス視点です。

 俺は子鹿のように震えるアリアを見た。

 

 ああ。アリア……


 可哀想に。こんなに震えて。


 掴んだ手は細く、少し力を入れたら折れてしまいそうだ。


「カリス様……離してください」


「……離さないよ」


 俺はアリアの細い手を指で摩りながら口を開く。


「ねぇ、アリア……俺が無理してるって言ったよね。何でそう思ったの?」


 ことさら低く、優しい声で、怯えさせないように。アリアを怖がらないように。


「えっ……そっ、それは……」


「……どうして?」


「カリス様が、私の事を迷惑だと……不気味だと思ってらっしゃるから」


「……」


 スゥッと、頭が冷えていくのがわかった。同時に心臓の鼓動が痛いほど耳に響く。

 ははっ……アリア。俺がいつそんな事を言った?俺がいつアリアの事を迷惑だと言った?


 俺はアリアの事を一度でもそんな風に思った事はない!!握る手に、自然と力が入ってしまう。


「いっ……」


「……いつ俺がそんな事を言った?」


「……わ、私が……そう思っただけです」


「へぇ……」


 アリアはそう思うんだな。俺はこんなにもアリアを思っているのに……


「アリアはそう思うんだな」


 俺は握っていた手を離し、頬に軽く触れる。

 アリアの頬は柔らかく、ほんのりと紅く染まっていた。泣いていたのか、目が腫れて涙のあとが少し残っている。


 俺は躊躇う事なくその涙のあとを掬うように口付ける。


「なっ、カリス様やめて!//」


 驚いて俺の手から逃げようとするアリア。俺は素早くそれを止める。逃がさない……


「……なんで?」


「なんでって……汚いから……です」


「アリアに汚いところなんかない」


 そうだ。アリアは汚いところなど無いのだ。白くて透き通っていて、無垢で、儚くて。


 食べてしまいたくなるほど、狂おしい。


アリアちゃんも結構強情な気がせんでもない。

それだけ過去がトラウマになっているということなんですかね?(聞くな)


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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