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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第六章 カリスとアリア

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氷の侯爵再び

小姑根性丸出しのカリスの妹カロン。カロンは調子に乗って言いたい放題だったが……


※三人称です。

「そう、あなたよ。なんなのそのヒョロガリは!!はっきり言います。あなたはお兄様に相応しくないわ」


「……えっ?」


「カロン、アリアを悪く言うな」


「いいえ。両親が亡くなった今、嫁を判断するのは私の役目よ!」


「嫁って……そもそもお前は嫁やら何やらの縛りが嫌で家出したのではないのか?」


「私の事はいいの!お兄様は黙ってて!」


「……黙らない。もしアリアを傷つけるというのなら、すぐにこの屋敷から追い出すぞ」  


「……お兄様は目が節穴すぎますわよ。よく見て頂きたいわ。顔色は青白いし、今にも折れそうなくらい細くて……それにあの不気味な白い瞳!」


「……ッ!!」


 カロンがそう言った途端、アリアの顔色がサッと変わり、体が小刻みに震え出した。


【ああ、辛気臭い顔で見ないで!あなたのその真っ白な瞳、白髪に近い銀髪!見るだけで呪われそう!】


 アリアの脳裏に、あの日の記憶が蘇る。

 母に言われたあの言葉。 


『見ているだけで呪われそう!』


「……あ、あの……私……、失礼します……」


「アリア!!」


「あら、こんなもので引っ込むとはなんて軟弱な……」


「……カロン」


 空気が一瞬で重く冷たくなる。カリスはカロンに背を向けたままだったが、その背中には誰も寄せ付けない威圧が感じられた。  


「……ひっ……」


 カリスの空気が変わったのを察したのか、先程まで元気よく騒いでいたカロンが小さな悲鳴をあげ、途端に静かになった。


「カロン……これ以上アリアに口を出すな。いくらお前が妹でも……」


 痛いほどの沈黙。言葉に刃が仕込まれているのかと思うほど、カリスのひと言ひと言が重くカロンに刺さっていく。


「俺はお前を殺してしまうかもしれない……」


(あ、あ……あ……)


 長い間ヴァレンティ家を出ていたから忘れていた……

 私のお兄様は、怒らせるとたとえ身内でも容赦はしない人だという事を!!


 "氷の侯爵"と言われる所以は、何も他人に向けられた言葉に限った事ではない。


(……その二つ名は身内にも容赦しない事からだった!!すっかり忘れてた!私の馬鹿!!)


 カロンはその場に崩れ落ちた。恐怖でガタガタ震える足を、もはや止めることもできなかった。


だから言ったのにー!ってやつですね。

カリス様怖


※カリスやらカロンやら似たような名前で紛らわしくてすみません。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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