支配と依存
ヴァレンティ家のある日、穏やかな午後……
※カリス視点です。
それから数日後、ヴァレンティ家は何事もなく穏やかな日々を送っていた。
「アリア、今いいか?」
カリスはノックをしてアリアの部屋に入る。
「……アリア。君はまた一人でいるのか……お茶をするなら一言言ってくれたら付き合ったのに」
アリアは自室で一人お茶を嗜んでいた。
「カリス様!」
アリアが顔をあげ、パッと花が咲いたような笑顔で迎えてくれる。
「きてくれたんですね。ごめんなさい、一人でお茶をする癖がなかなか抜けなくて……それに、カリス様はお仕事でお忙しいから」
俺はそっとアリアの体を抱きしめた。
「そんなものはどうとでもなる。俺が一番なのはアリアだ……」
「まあ……カリス様、私はその言葉だけで十分です……」
アリア、君は危なっかしい。目を離すとふっと消えてしまいそうだ……
離すとまた前のように……
俺の脳裏にランスとアリアが楽しそうに談笑している様子が浮かぶ。
……そうだ。ランスなどは口がうまいから、まだ無垢なアリアは簡単に騙されて……
「……いいことを思いついた。これからお茶をしたい時は俺の部屋ですればいい」
「えっ?それは……いいんですか?」
アリアが俺を見上げてくる。
その瞬間、ドクンと鼓動が高鳴るのを感じた。
やめろ、俺をその目で見るな。またその白い瞳を潤ませたくなるだろが……
「……何が?」
自分でも驚くほど掠れて低い声が出る。
「……えっ?あ、あの……カリス様がいないのに、勝手にそんなことして……」
アリアと言えば、先程まで穏やかだった俺の急変ぶりにただ戸惑ってオロオロしている様子だ。
「俺がいいって言ってる」
ああ、アリアのこの顔を見るとダメだ……
もっと、困らせたくなる。
もっと、もっと俺の言葉で……
「でも、あの……」
指の腹でアリアの頬を撫で、そのまま可愛い口に……
「んっ……」
「返事は?」
「は、い……//」
「……いい子だ、アリア。これからはお茶をしたくなったら俺の部屋か、俺の目の届く範囲でするんだよ」
「……は、はい……//」
白い瞳が涙でうるんで……ああ、可愛いな。クソッ……
このアリアの無意識に男を煽る仕草、表情は何だ?天性のものか?
支配欲を掻き立てる。もっと俺の言葉に従わせたくなる。
アリア、君も大変だな。
俺なんかに心を開かせたのがそもそも間違いだったんだ。
カリス様の暴走は、支配欲から来てるのかな(汗)
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