優しいカリス様
晩餐会を終え、カリスの自室にいた二人。カリスはアリアのズレた発言に若干イラつき、ランスのことを持ち出しアリアを詰めるが……
※前半部分は前回と被ります。
※カリス視点です。
「……逃げないの?」
「ッ……ん」
俺はアリアの唇に触れ、そのまま唇を重ねた。
先程まで燻っていた思いが解けていく……
ああ、アリア……
何をしているんだ。俺は。
「……ごめん。こんな事言いたくないのに。俺は……」
正気に戻った俺はパッとアリアから距離をとる。
「……」
アリアはただ黙って俺の目を見ていた。
「君を守れなかった俺への苛立ちを、つい君にぶつけてしまった。責めるべきは俺だ……ごめん」
「カリス様、いいえ。私もカリス様が……」
「俺が、何……?」
「カリス様が怒ってくださって、嬉しかった//」
「……ッ!」
また君はそんな事を言って……どこまでも俺を……
「カリス様?」
「……あぁ、クソッ……」
こっちは君を傷つけたくなくて必死なのに、何故君は俺を煽るような事ばっかり……
「アリア」
「はい!カリス様!」
「……〜〜〜〜」
俺は頭を抱えた。アリアはこんなにも俺を信用している。いや信じきっている。
俺はアリアを傷つける事はないと。
優しいカリス様は私に手も足も出ないだろうと。
アリアを見ると、赤くなった頬を両手で押さえている。
俺はその様子を見て軽く微笑んだ。
ああ、わかったよ。
降参だーー俺はアリアには敵わない。
でもアリア。君はひとつだけ誤解している。
いくら優しいカリス様でも……手も足も出ないわけじゃないんだよ。そのことを分かってる?アリア。
微笑みの裏で黒い思いがまた芽生え始める。もしまた君に近づき、狙う人間がいたらその時はーー
俺は、俺自身。何をしでかすかわからない……
アリア、恐ろしい子!カリス様も恐ろしい!汗
すみません短めでした!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




