燻っていた思い
晩餐会も無事?に終わり、二人はカリスの自室にいた。アリアは今日のお礼をしたいとカリスに言うが……
※カリス視点です。
晩餐会は無事終わり、二人はカリスの部屋にいた。
俺はアリアは疲れているだろうから、自室に戻って早めに寝るように言ったのだが、アリアがどうしても言いたい事があるというのだ。
「あの……カリス様……」
「ん?」
「今日は、ありがとうございました。おかげで楽しかったです」
手袋を外していた俺の手がピクリと止まる。
「楽しかった?」
「……ええとっても……楽しかったです。豪華なシャンデリアと見事な装飾、それに来ていた人たちのドレスの華やかな事……」
俺はそれを聞いてイライラした。アリアを傷つけたくないのに、ついつい意地悪な事を聞いてしまう。
「……それだけ?」
「えっ、そ、それだけって?」
戸惑うアリアの様子に、俺の中で再び黒い気持ちが湧き上がってくる。
「……ランスの事は?」
「えっ、ランス様?何故今ランス様が……」
「怖い思いをしたんじゃないのか?」
「……そ、それは……」
アリアにとって忌まわしい記憶を、わざと思い出させようとしている。
「どこを触られた?」
「さっ、触るなんて!!」
「答えて。どこを、どんな風に触られたのか……」
俺はそう言ってアリアのむき出しになった腕から肩にかけてを撫でる。
「……っ、それは……//」
「それは?」
俺は意地悪だ。アリアはどこも触られてなどいない。それがわかっていてこんな事を聞いている。
「ああ、それともキスされたとか?」
「っ!!そんな事はされてないです!!」
アリアが少しムッとして答える。
「じゃあどこを触られたの」
俺はアリアの細い肩から首をつっと撫で、その手を頬に滑らせる。
「……ねぇ、どこ?」
「そ……//」
顔をあげさせる。アリアの頬は思った通り真っ赤になっていた。
蒸気したような真っ赤な頬に、半開きの唇が扇状的で。
「……その顔わざとやってるの?」
「えっ」
「どおりで、ランスのようなヤツに目をつけられるわけだ。君は……」
違う。俺はこんな事を言いたいわけじゃない。本当は今日はよく頑張ったとか、労いの言葉をかけるべきなのに。
ーー口をついて出るのは、アリアを傷つけるような事ばかり……
「……逃げないの?」
「ッ……ん」
俺はアリアの唇に触れ、そのまま唇を重ねた。
先程まで燻っていた思いが解けていく……
ああ、アリア……
カリス様大暴走汗
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