ランス再び
いつのまにかカリスとはぐれて迷子になったアリア。そこへランスが登場するが……
※アリア視点です
「あれ?カリス様?」
カリス様がいない?嘘。だって私はずっとカリス様の手を握っていたはずなのに。
「いっ、いつのまに……」
いつのまにかカリス様はいなくなっており、私は迷子になっていた。
ゾッ……
ゾッとして、嫌な汗が噴き出てくるようだった。だってカリス様がいないと私、誰も知り合いがいないのに……どうすればいいの?!
(ダメダメ!しっかりするのよアリア。慌てる様子なんか見せちゃ……淑女らしく……お母様のお教え通りに……)
「ああ、ここにいたんだね。アリア嬢。さっきはカリスが睨んでいたからあまり話せなかったけど……」
私の目の前には金髪を後ろで束ねた涼やかな青い目の男が立っていた。
(こ、この方は……確かランス・レオンハルト様。この晩餐会に招待してくださった方だわ。えーとえーと……)
「こんばんはレオンハルト様。この度は素敵な晩餐会にお招きいただきありがと……」
「はははっ、堅苦しい挨拶は抜きにしよう。気軽にランスと呼んでくれ!」
「……は、はい。えっと……ランス様……?」
(なんだろうなんか……カリス様のお友達だけど、距離が近くて……苦手……)
早く帰ってきて、カリス様。カリス様……どこに行っちゃったの?
今すぐにカリス様の手を取りたい、あの声で安心させてほしい。
「……」
?ランス様が、見てる?……もしかして私すごく見つめられてる?
私……何かしたかしら?ランス様の失礼に当たるような……でも挨拶は完璧にしたはずで……
「……美しい……」
「えっ?」
ランス様がうっとりといった感じで顔を近づけてくる。
「本当に美しい。肌は白くて滑らかで、でもほんのり紅に染まって。まるで女神の彫刻のようだ」
えっえっ何!?//いきなり何!?//
「この白銀の髪と、髪飾りの赤が対比して、あなたの真っ白な肌を輝かせてる……気付いてる?俺だけじゃなくみんなが見てるという事に」
「あ、その……//」
ダメダメ堂々としていなくては!私はカリス様の妻!
【紹介しよう。アリア・ヴァレンティ。俺の妻だ】
そう言えばカリス様、私の事"妻"って呼んでくれた……
私は先程のカリス様を思い出して思わず顔を綻ばせた。頬に熱が上がっていくのがわかる。カリス様……かっこよかったな……//
「……君今どういう顔してるかわかってる?」
ランス様の声が聞こえて思わずハッとする。
ランス、これは軽薄というより距離感バグってるだけなのでは?汗
また中途半端なところで区切ってすみません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




