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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第五章 暗い影

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誰にも見せたくない

いよいよ晩餐会当日。カリスは自分のアリアに対する気持ちがわからないままでいたが……


※最初の頃は三人称、最後はカリス視点です。

※アリアの心の声だけアリア視点。 

視点ウロウロして申し訳ないです。

 晩餐会当日。煌びやかなシャンデリアの光が、天井の金細工を反射して眩しく輝いていた。 


 ホールの扉が開くと同時に、貴族たちのざわめきが止む。

 重ねた音楽と声が、一瞬にして静寂へと変わる。


 カリスが一歩、前に出た。


 人々の談笑が止み、視線が二人に注がれる。


 カリスの装いはカリスの黒髪に合わせた黒い軍服に金糸の刺繍が施されたものであり、歩く毎に金糸が光を反射した。その凛々しい姿に誰もが息を呑んだ。


 けれどーー


 それ以上に、人々の目を奪ったのは、カリスの隣に立つ花嫁だった。なんせカリスは結婚してからアリアを伴って社交界に現れるのはこれが初めてだったのだ。


 アリアは深紅のドレスを纏い、ドレスに合わせたルビーの髪飾りを揺らせて静かに一礼する。


 純白の肌に映える赤が、まるでアリアにだけスポットライトが当てられたように輝いていた。


 * * *


(……やはり、連れてこなければよかった。皆アリアを見ている)


 俺は一瞬でアリアを連れてきたことを後悔した。今すぐにここを出て、アリアを家に連れて帰りたい……

 今のこの美しいアリアを誰にも見せたくない。


 ふとアリアを見ると、アリアは何故か一人で焦っている様子だった。


 俺はその様子を見て微笑む。そうだ。いくら美しいと言っても、皆からの視線を浴びたとしてもアリアは……


 〜アリアの心の声〜


(どうしよう……今さら緊張してきた……こ、こんなに人が多いなんて……大勢の人の前に出るのは初めてなんです……どうしよう。行きたいって言い出したのは私だけど……うう……)


 私は顔をあげ、カリス様の方をチラッと見た。


 カリス様は私の視線に気づいてくれて、そっと微笑み、私の手を安心させるかのように握る。


「大丈夫だ、アリア。俺がいる」


「……っ!……はい」


(大丈夫だ……私にはカリス様がいるのだから……//)


 頬に熱が上がっていくのと同時に、それまで緊張していたのがカリス様の一言でほぐれていく。


 カリス様が隣にいてよかった……


 〜アリアの心の声終了〜


(ほら、アリアは俺の言葉ひとつでこんなにも一喜一憂する……やはりアリアには俺しかいないのだ)


 俺はアリアの手を握る手に力を込めた。


「……?カリス様……?」


「……俺から離れるんじゃない。いいね、アリア」


「はい!」


 アリアは嬉しそうに俺の手を握り返してきた。

アリアはかなりカリス様を信用しきってますね。でもアリア自身は無自覚で……


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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