表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第四章 森はどこまでも深く

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/128

黒い森のピクニック

以前来た時は充分に楽しめなかった黒い森。アリアとカリスの二人は黒い森の散歩に再び来ていた。


※アリア視点です。

 それから少し経ち、私たちは再び黒い森へ来ていた。

 カリス様が、前に来た時には私がすぐ寝てしまって楽しめなかったからやり直しと言ってくださって。


(やはりカリス様は優しい……こんなに私に気を遣ってくれて……)


 以前来た時より森の緑は濃くなっていた。木々の隙間から射す光は穏やかで、鳥のさえずりが空へ吸い込まれていく。


「空気が気持ちいいですね!晴れてよかった」


 私はバスケットを抱えながら言う。

 今日は私がしたことのないピクニックというものをしに来たんです。


 湿った土の香りが穏やかで、遠くでは小川のせせらぎが聞こえた。


「ああ、そうだな」


 カリス様が手にした毛布を広げて草の上に敷き、その上に女中たちが持たせてくれたサンドイッチと果物を並べる。


「わぁ〜!ピクニックなんて夢みたい!実家ではできなかったから!それに誰かと一緒になんて……」


(あっ、しまった!つい……私……)


 私は自分がはしゃぎすぎている事に気づいて、急に恥ずかしくなった。


「……」


 カリス様がじっとこちらを見ていた。


(い、今の見られたかな?どうしよう、恥ずかしい……淑女じゃないって怒られるかな)


 などと私が考えていると、いつのまにかカリス様の顔が近づいて来て、私の唇にそっと触れた。


「〜〜〜〜ッ!!//」


「……すまん。あまりに可愛いかったから」


「いっ、いえ……大丈夫です!!//」


 初めてキスをされたあの日から、私たちは女中たちの目を盗んでしょっちゅうキスをするようになった。

 おはようのキスはもちろん、日常のちょっとした空き時間に、何気ない時間に、おやすみの時間まで……


 その口付けは触れるだけの軽いものだったけど、それがなんだかとてもくすぐったくて……嬉しくて……


 カリス様が、私を大事に思っている気持ちが伝わって来て……//


(……カリス様、お優しい……な……)


 私はほんのりと熱くなった唇を撫でた。


アリアはまだ恋に恋してる段階、なのかな?(アリアの真似)


最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ