初めての贈り物
新しい朝を迎え、カリスと一緒に朝食をとり始めたアリアはカリスに提案をする。
※カリス視点です。
「……ほら、冷める前に食べよう」
「……はい、カリス様」
アリアが照れながらスプーンを手に取る。その横顔を見ながら、俺は静かに息を吐いた。
「あ、あの……カリス様。お願いしたいことがあるんです……」
アリアが食事の手を止めて、モジモジと指を胸の前で動かす。
「……私カリス様と、お揃いのものが欲しいです……」
「お揃いのもの?」
「はい、カリス様がお仕事でいない時……お揃いのものがあればきっと、一緒にいると思えるから……」
俺は頭を抱えた。いちいち可愛いな!!アリアは!よし、お揃いにしよう!
「……指輪は結婚式に交換したものがあるが……他に何かあるかな」
俺は俺と同じように考え込んでいるアリアの髪の毛を見る。
(アリアの銀色の髪の毛……)
「なぁ、アリア」
「はい。何でしょう?」
「俺がアリアに贈るのではダメか?例えば髪飾りとか……」
「えっ、カリス様からの……贈り物……?」
(どうしよう、嬉しい……私贈り物なんて初めてもらうわ。しかもカリス様から)
「はい、カリス様」
アリアは机の上に投げ出していた俺の手に、そっと自分の手を重ねてきた。
「嬉しいです……」
「……ッ!!//」
こちらを見上げるその白い瞳が、朝日に照らされてキラキラと輝いていた。
なんと美しい……
二人はもうお互いに食事には手を付けず、話す事も忘れて時間の許す限り見つめあっていた。
* * *
一方ーー
「……ねぇあのお二人って、いつのまにあんな仲良くなったのかしら?」
「結婚された当初はお二人ともよそよそしかったのに」
「見て!滅多に笑わないカリス様が微笑んでらっしゃるわ!あんなに優しい表情で……」
「明日は嵐が来るわね!」
などと侍女たちが耳打ちし合っていることも知らずに。
アリアは贈り物など受け取ったことがないので誰かに物をもらうという発想はなかったみたいですね!
この調子でどんどんカリス様から贈り物をもらっていけばいいと思うよ!()
少し短めでした。すみません!
最後まで読んで頂きありがとうございました。




