二人の新しい朝
黒い森の中で、二人は新しい朝を迎える。これから先どんなことがあっても、二人で一緒に乗り越えると誓いながら。
※前半少し前回と被るシーンがあります
※カリス視点です
アリアが焦ってベッドから転げそうになった。
「もったいないからです!!せっかくのカリス様とのお出かけだったのに!もっと一緒にいたかったのに……//」
その理由を聞いて俺は思わず笑ってしまう。
「ふは、はっはっは!面白いな君は!」
「え……何か面白いこと言いましたか?私?」
「いや、可愛いなと思っただけだよ」
「かっ//かわっ……」
昨日はあんなに思い詰めて俺の腕の中で泣いていたのに、今は俺との時間がもったいないときた。まったく、予想外で、面白くて、可愛い子だ。
「では、今からやり直そう。アリア」
「……!カリス様!今私のこと名前で……」
言われて気付いた。いつのまにか俺は素の自分で話している。今までこんなことはなかったのに。
他人に自ら心を曝け出すことなど……
でもこの子なら、アリアになら自分を曝け出してもいいと思える。
「……アリアが俺を変えたのかもな。不思議な子だ」
「えっ?……カリス様、それってどういう……」
「まぁ、まずは美味しい朝食が先か」
俺はアリアの言葉を遮ってアリアの手を引いた。理由を聞かれるのが怖かったのではない。ただ単に照れ臭かったのだ。
「でっ、でもカリス様……」
「アリア、新しい朝だよ」
もう過去は振り返らない。これからは二人で思い出を作ると決めたのだから……
俺がそう言うと、アリアの顔がパッと明るくなる。
「ええ!カリス様!!」
アリアは嬉しそうに顔を綻ばせ、俺の腕に飛び込んできた。
「カリス様、ありがとうございます……」
俺は腕の中のアリアを抱きしめた。もう二度とこの娘を悲しませないと誓いながら。
窓の外で朝露が光るのが見えた。新しい朝が始まる。
俺たち二人にとっての「新しい朝」だ。
夜が明けて、二人の朝が始まります。
それはきっと光と希望に満ちていることでしょう!
相変わらず亀の歩な二人だぜ!(汗)
最後まで読んで頂きありがとうございました。




