二人の夜明け
※カリス視点です。
「……ん?」
鳥の声が聞こえた。
遠くで、一番星の名残が白む空へと溶けていく。
「……寝てしまったのか?」
俺はどうやらあのまま寝てしまったらしい。
窓の外から差し込む柔らかな光が、部屋を金色に染めていく。焚き火の名残のぬくもりが、まだ微かに漂っている。
アリアは俺の服の端を掴みながら俺の胸の上でぐっすり寝ていた。
(相変わらず軽いな……屋敷に戻ったら、すぐに朝食の用意をさせよう。うんと栄養がつくものを)
アリアの白銀の髪が朝日を受けて光る。
銀糸が黄金に変わって、まるで夜の闇を抜けた精霊のようだ。美しい……
泣き腫らした瞼はまだ少し赤い。けれど、唇には穏やかな笑みが浮かんでいた。
(アリアも、ぐっすり眠れたのだろうか?たしか森が楽しみであまり眠れなかったと言っていたからな……)
俺はアリアの寝顔を見る。相変わらず可愛い……まるで天使だ。
そっと天使の白銀の髪を撫でる。指が頬に触れる。
柔らかくてすべすべだ……ずっと触っていたい。
俺がずっと触っていたからか、アリアが微かに身じろぎをし、俺の手に頬を擦り付ける。突然のその仕草に驚き、胸が高鳴る。
「……このッ……//わざとか?それとも寝ぼけているのか?」
こんなことされたら、手が離せなくなるだろ……アリア。
「うーん……あ、カリス様……?」
「……おはよう、アリア」
「おはようございます。あれ?私……」
「昨日泣き疲れてそのままここで寝てしまったんだよ。よく眠れたかい?」
「えっ!まさかあのまま!?」
アリアはベッドから転げ落ちんばかりの勢いで飛び起きた。
「アリア危ない。何故そんなに驚く?」
「もったいないからです!!せっかくのカリス様とのお出かけだったのに!もっと一緒にいたかったのに……//」
アリアが焦ったように言うのを俺は間抜けな顔で見ていたと思う。
「ふは、はっはっは!面白いな君は!」
「え……何か面白いこと言いましたか?私?」
「いや、可愛いなと思っただけだよ」
「かっ//かわっ……」
昨日はあんなに思い詰めて俺の腕の中で泣いていたのに、今は俺との時間がもったいないときた。まったく、予想外で、面白くて、可愛い子だ。
カリス様の胸の上で寝るアリア!全く体格差ってのはこれだからいいですね!泣(?)
また中途半端なところで終わってすみません。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




