表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第二章 可愛い夫婦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/153

黒い森の抱擁

カリスの腕にすっぽりと包まれて安心したアリアは、ポツポツと自分の過去を語り始めるのだった。


※カリス視点です。

※ここから二話はだいぶ重い話になります。

 しばらくアリアを抱きしめていた。小さくて可愛い、真っ白なアリア。


 俺の……アリア。


 離したくない。これが独占欲というやつか。こんな気持ちは初めてだった。だが、不思議と心地良い。


 森の風が葉を揺らす音だけが、静かに響いた。


「……カリス様」


 胸の辺りで、か細い声が聞こえる。


「……私、言いたいことがあるんです。聞いていただけますか?」


 それは吐息のように小さな声だった。


「……ああ」


「私の両親のことです。……母は特に厳しい人で、常に淑女として毅然(きぜん)とした態度で過ごさなければなりませんでした」


 アリアの体がまた小刻みに震えてきた。俺は腕の中で震えるアリアを抱きしめ直す。まるで包み込むように。


 守ってやりたい。


 アリアを害する全てのことから……変だな。こんな事は今までなかった。

 自分から人を守ってやりたいなどと思うのは初めての事だった。


「アリア、無理して話さなくてもいいんだよ」


「いえ、大丈夫です。話せます。カリス様に包まれているから……怖くないです//」


 俺は思わず顔を覆った。……どうしてこのように可愛い事を言うのだアリアは。無意識か??だとしたら恐ろしい……


 アリアは俺の服の裾を掴みながら続きを話し始めた。


「……だけど私は母の言われた通りにできなくて……少しでも間違えれば手の甲をつねられるんです。母の納得のいくようにと思えば思うほど、余計な力が入ってできず……」


 アリアが袖を握る手に力を込めるのがわかって、俺はその手を包み込むように握った。


『全く……アリアは何もできないわね。何だったら完璧にできるの?』


 母はついに言いました。『アリアは黙って頷いていればいいの。そうすれば大抵の事はうまくいく』と……


 母にはそれが、何もできない私の唯一できる事だと思ったのかもしれません。


 でもそれは、私には呪いの言葉でした。その言葉を胸の奥で反芻するたびに『私には何もできない、何だったら完璧にできるの?』と母に言われているようで……


 その内、私は母にも兄弟たちにも、侍女たちにさえ呆れられ……見放されたのです。


アリア……( ; ; )

シリアスな話が続いてすみません。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ