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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第二章 可愛い夫婦

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黒い森とアリアの過去

約束通り黒い森にきた二人。アリアは過去を思い出して震えるのだった。


※カリス様視点です。

 翌日。

 澄んだ空気が、森の奥まで透き通っていた。

 馬車を降りた瞬間、アリアは思わず息をのんだ。

「黒い森」と呼ばれるその場所は、名とは裏腹に美しかった。

 濃い緑の中に光がこぼれ、木々の葉が揺れるたび、金色の粒が舞う。


「……黒い森という割には黒くないわ……」


 アリアがそう呟く。早朝の陽光に照らし出されたアリアの横顔は、まるで絵画のように神秘的だった。


 ……だからといって別に何とも思ってなどいないがな。


「……かつてこの森は、災厄の後で長い間枯れていた。黒い森というのはそこから呼ばれるようになった。だが今は再び木々は宿り、森は命を取り戻したのです」


「そうなんですね……あ、風が……」


 風が吹いて、アリアの束ねた銀の髪を揺らす。その光景に目を奪われそうになって慌てて目を逸らす。


「確か、アリア嬢は森の散歩は初めてでしたね。ミツキから聞きましたが……」


「は、はい、そうなんです。私昨日の夜は楽しみで眠れなくて……」


「楽しみ?ただの散歩が?」


「はい!私には初めての体験だったので……家では、せいぜい中庭を散歩することしかできなくて……それも」


 アリアが言ってもいいか迷っているのか、口を開きかけて言い淀む。


「それも?」


「……侍女が一日中ついて回るので、全然楽しめなかったというか……あの、今のは内緒にしてください。母に知られたら怒られてしまう……」


 そう言ってアリアは突然小刻みに震えだし、背後に誰か来ていないかと振り返った。


(アリアは自分の母親を恐れているのか……もうとっくに離れているというのに、まだ母親の叱責が怖いのか)


「ああ、言わないよ。それにここには私とアリア嬢しかいない。だから安心して……ほら、深呼吸して……」


「す、すみません。私……どうして……」


「気にしないで。深く息を吸って……」


 アリアの小さな背中に手をおいて落ち着ける。痩せて小さい背中……痛ましい。と同時にどうしようもなく怒りが湧いた。


(アリアの母とやら、自分の娘が可愛いくないのか?アリアはこんなに可愛いのに!何故愛情を向けられないのか!!)


 アリアの肩を抱く腕に力が入る。


「カリス様、少し痛いですわ」


「あ、すまない。つい……もう大丈夫か??」


「ええ、だいぶ落ち着きました。カリス様のおかげです」


 そう言ってアリアは微笑む。


(ほら、アリアはこんなにも愛らしくて愛おしい……)


 って……何を考えているのだ私は。これは義務だ!同情で錯覚を起こしているのだ。


カリス様のキャラが崩壊していく様子を楽しんでいただけると嬉しいです。


また中途半端なところで終わってすみません。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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