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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第二章 可愛い夫婦

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15/123

一晩空けて

翌朝。アリアははしゃぎすぎた自分の行いを後悔していた。


※三人称です。

 翌朝。

 窓から射し込む朝日がカーテン越しに柔らかく揺れていた。


「……」


 アリアは目をこすりながら上体を起こす。


 ふかふかのベッドで寝たのは初めてだった。体が軽い。夢見心地。


 ーーの、はずだったのに。


(……昨日私、カリス様に……あんなに近づいてしまった……)


 思い出した瞬間、顔が一気に熱くなった。


(あれは……その……不可抗力というか……!違うの!私、変なつもりじゃなくて……)


「アリア様、お目覚めですか?おはようございます。朝食はいかがでしょう?」


 ミツキが入ってきて、のんびりとした口調で朝食のトレイを運んできた。


「昨日は疲れたでしょうから、奥様はこちらでごゆっくりとの旦那様のお達しですわ」


「ミツキ……//あ、ありがとう!」


「あら?お顔が真っ赤ですね。熱でもおありですか?」


「うっ、こっ、これはそういうのじゃないの、熱じゃなくて……」


「ひょっとして旦那様の事を思い出していたとか?」


 紅茶をカップに注ぎながらミツキが微笑む。


「〜〜〜〜ッ!//」


 アリアは真っ赤に染まった顔を枕に埋めて隠した。

 ミツキはそんな様子を楽しそうに眺めながらトレイを並べた。


「旦那様はもう朝食を摂られてお仕事に出られました。朝も早くから執務室に籠っておられて」


「……あ、そ、そうなの?」


 その言葉を聞いた時、なぜだか胸がちくりとした。


(一緒に朝食を食べられると思ったのに……なんだろう、胸がチクチクする……もしかして昨日はしゃぎすぎて呆れられたのかも……)


 どうして期待してしまったのだろう。私なんかと朝食を共にしたい人なんかいないのに。私なんかがはしゃいで馬鹿みたい。私なんかーー


 愛されるわけがないのに。


 ミツキがテーブルの上に次々と朝食を並べている。スープの香りが立ち上るのに、食欲が沸かない。胸の奥がじんわりと沈んでいく。


 私……子供みたいだったもの。あんな風に跳ねて……

 カリス様、きっと「面倒な女だ」とか「リリオーネの淑女が聞いて呆れる」とか思ったに違いない……


 そんな時だった。


「アリア嬢」 


「っ!?」


 突然ドアがノックされ、静かな声が響いた。


 アリアは飛び上がりそうになる。


(カ、カリス様!?なんでこんなタイミングで!?)


「お食事中だったかな。すまない、少しだけ顔を見に来ただけだ」


 扉の向こうから、昨日と同じ落ち着いた声。

 アリアは慌ててベッドを整え、姿勢を正した。


「だ、大丈夫です!//」


 ドアが開く。朝の光の中に立つカリスは、昨日よりも柔らかな雰囲気だった。


「……昨日は驚かせてしまったね。すまなかった」


「い、いえっ、こちらこそはしゃぎすぎました。すみません。こんなに豪華な部屋は、初めてだったもので……」


「……そうか」


 カリスは穏やかに答える。


(カリス様……どうしてそんなに優しいのですか?もっと冷たくしてくれた方が楽なのに……)


 アリアは優しくされることに慣れていないので、カリスの優しい声音に戸惑い、目を伏せた。


(……なんだこの()は。昨日あんなにはしゃいでいたのがまるで嘘のように今朝は大人しくなって……)


 笑ってほしい。またあの笑顔が見たい。私の心を揺さぶるあの笑顔……

 

 カリスはほぼ無意識に、アリアの笑顔を求めていた。


アリアもカリスもなかなか進まないですね。焦ったいなぁおかしいなぁ。中途半端なところで終わってすみません。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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