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赤い侯爵と白い花嫁  作者: 杉野みそら
第二章 可愛い夫婦

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はしゃぐアリア

母の呪いから徐々に解放されつつあるアリアは、自室で大はしゃぎするのだった。


*印以降は三人称です。ウロウロしてすみません。

 もう、私はお母様の顔色や誰かの目を気にして過ごさなくてもいいのね……


 そう思うと、なんだかワクワクしてきたわ!


「ありがとう!ミツキ!これからよろしくね!」


 私はそう言ってミツキの手を握った。


「ええ、こちらこそ」


「このベッド、ふかふかだわ……それにいい匂いもする!ああ、私今最高に幸せかもしれない!」


「ほほほ、なんとまあ無邪気な……」


 コンコンッ!


 私がベッドの端から端を測ろうとしていた時、扉が鳴った。


「アリア嬢、入ってもよろしいか」


(カリス様だ!!)


「は、はい!もちろんです!」


 バッと立ち上がった瞬間、ふわりと天蓋の布が揺れ、私は(すそ)を踏んで転けそうになった。


「きゃっ」


 カリス様が来てその腕を伸ばし、鍛えられた手が私の手首を包み込み、支える。


「おっと……大丈夫か?」


「は、はいっ......!」


(カリス様の顔が、近い……!しかも、すごくいい匂いがする……)


 心臓が、ドクンと跳ねた。


「……っ!」


 * * *


 カリスもまた、アリアの顔が間近にあることに一瞬息を詰めた。


 銀色の髪の隙間からのぞく柔らかな頬。驚いた拍子に少し開かれた唇が、思いのほか無防備で。カリスの中で何かが鼓動を打ち始めた。


 氷のように閉ざしていたカリスの心に、アリアがそっと光を照らす。


(何をドキドキしているのだ私は……私はこんなことで心を乱す男じゃなかったはずだ……いつも上辺だけの体裁を取り繕い石のように心を閉ざし……)


「……あ、あの……すみません、私、はしゃぎすぎて……淑女じゃないですよね。でも私こんな豪華な部屋は初めてで嬉しくて」


 アリアが慌てて身を引くと、カリスは咳払いをひとつして視線をそらした。


「……いや、気にしないでください。このベッド、そんなに気に入りましたか?」


 カリスがそう言うと、アリアの顔がパッと明るくなる。


「はい!とても気に入りました。見てください!このベッド!ふかふかでまるで雲の上にいるみたいなんです!」


 そう言って、アリアはベッドにぽすんと腰を下ろし、軽く跳ねるように両手を広げて見せた。


 その光景に、カリスの胸の奥で何かが弾ける。


(何をしているんだアリア嬢は……まるで子供のようにはしゃいで……)


やはりカリス様の優しさは見せかけだったのね〜!!

カリス様はこれからどうなるのかな。

アリアよかったね!


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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