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えっ!?まさかの同棲??

ドアを開け3階の居住スペースに通し猫耳の少女をベットに寝かすとかなりひどい怪我を負っていたようだった。

「すまない・・・こんな時間に空いている病院などないしポーションも治癒魔法も効かなくて・・・」

そう話すイケメン冒険者さんに温かいほうじ茶を出しどういう状況で保護したのかなどを聞いた。

するとどうやら近くの森で魔物の討伐中に発見したようで予定を切り上げ急いでリムゴーラ市に戻ったが病院が閉まってしまったようだ。

とはいえ私も治癒魔法なんて使えないしどうしたものかと考えていると突然女神様が話しかけてきた

「明日香ちゃんその子はポーションも治癒魔法も効かない厄介な魔物に襲われたみたい

でも明日香ちゃんには女神様の祝福を持っているから念じればその子を治療することができるスキルを取得できるよ!」

言われるがままその子を助けたいと考えているとまた頭の中で

「新スキル 女神様の加護 を取得しました」

と言われそのままスキルを発動すると先程まで酷い傷を負っていた猫耳の少女は回復し起き上がった。

イケメン冒険者さんが驚いた顔でこちらを見つめているが視線を無視し猫耳の少女に話しかけどうして森の中で倒れていたのかを聞くとどうやら生まれた頃から忌み子として恐れられていて獣人族の村から追放され近くの町まで行こうとしたところ魔物に襲われたらしい

「なんて酷い・・・」

そう呟くとイケメン冒険者さんも同調した

獣人族では元々魔法に対する適性がなく魔法を使えるものは恐怖の対象として恐れられているようで猫耳の少女は風属性と聖属性に適正があるようだった。

「しかし奴隷商人と出会わなかったのは不幸中の幸いだな」

イケメン冒険者が言うには獣人族とエルフ族は性奴隷として非常に人気で捕まったら最後死ぬまで奴隷娼館で一生を過ごすことになるらしい

その説明を聞いた私は孤児院が保護を断った理由として奴隷商人に目をつけられたくないという理由があるんじゃないかと推測した。

この国の孤児院は大抵大きな商会等からお金を借りてなんとか成り立っているそんな中でお金を返済する見込みがないとわかると孤児院の子どもたちは奴隷商人の餌食になりやすいなかで獣人族を保護してしまうと他の子どもたちにも被害を受ける可能性があるから断らざるを得なかった

薄情ではあるが幼い子どもを奴隷にするというのも心が痛むのでどこかもどかしい気持ちになった。

私の中でこの件で選択肢なんてものは存在しない答えはただひとつ

「なんてお名前か聞いてもいい?」

「名前ない・・・ずっと地下に閉じ込められていたから・・・」

「じゃあ今日からあんずちゃんだね」

そう言うと

「明日香さん正気かい?あなたのお店の事を考えると相当大変だぞ!」

「わかってます!!

わかってますけどもこんな小さな子に魔法に対する適性を持っているというだけで差別をして村を追放して最悪奴隷になってしまう

そんな酷いことをこの子に経験させたくないんです!

自分だって余裕がないのはわかります!だけども今この子を見捨てたら私を人生のどん底から救ってくれた女神様や周りの人達に顔向けができないんです!!!」

明日香自身も所謂毒親で幼少期から親に愛されたこともなく暴行も日常茶飯事で凄まじい経験をしてきたからこそ辛さは身にしみてわかる

今度は私がこの子を人生のどん底から救う!!

そう硬い決心をもとにあんずちゃんを抱きしめる

「わかった・・・だが獣人族がいるとなると奴隷商人や悪しき心を持った人がこのお店に近づく可能性がある

俺もこのお店に住むことにしよう

元々自分の将来が嫌で冒険者になった身だ定住先なんてものはないからね」

「え!?

ここに住むのは構いませんが好きでもない女の人と住むのって嫌じゃないんですか?」

純粋に気になったことを聞くと

「別に構わない

俺の名前は「シャルロだシャルって呼んでくれ

俺の荷物を取りに一度宿に行ってくるから少し待っていてくれ」

そう言うと家から飛び出していった

幸い部屋は余っているけどもベットは1人用しかなくあとはソファが2台あるだけだから寝る場所がない

そう考えた明日香はアネゾンでダブルベットとシングルベットを買うことにした。

程なくして帰ってきたシャルは手ぶらで不思議に思っていると私と同じ空間収納から次々と荷物が出てきた。

「シャルも空間収納使えるんだね」

そう言うとシャルは

「もって明日香も空間収納使えるのかい!?

空間収納は100人に1人しか持っていないレアスキルで空間収納の魔法書は金貨30枚の価値があるんだぞ!」

「なんか最初からもっているんだよね・・・

魔法らしい魔法なんてなにひとつ持っていないのに」

そう言うとシャルがブツブツ独り言をいい始めたのでこの話を切り上げ今日はベットが足りないから宿で寝てほしい旨を伝えるとソファでも構わないということだったのでそのまま就寝することになった


次の日の午後いつも通りお店で忙しく接客をしていると頭の中でインターホンが鳴ったと同時に誰かが来たことを知らされた。

レジを品出し中のアルさんに任せ私は現実世界に戻ると昨夜注文したベットが届いたようだった。

かなり大きい段ボールだったので家の中まで持ってきてもらい受領のサインを押し空間収納に放り込んでレティスリール大陸へ戻ると現実世界とは異なり賑やかな声が響く

ベッドをそれぞれの部屋に置き元のベットを空間収納に収納し現実世界へ置いて組み立てを始めているとシャルさんが組み立ててくれることになった。

説明書読めるのかと不安ではあったが普通に組み立ている様子を見ると問題ないようだ

いつも通り特に大きなトラブルもなくお店の営業を終了しいつものルーティンが終わった後アルバイトの3人を見送った後あんずちゃんをシャルさんに任せ夕ご飯の買い出しに出た

お肉やお魚は現実世界で買ったほうが安心だが野菜に関してはレティスリール大陸で買ったほうが明らかに安いのでホアンさん夫妻から野菜を買い現実世界にある近所のスーパーで3人分の食材を買い帰宅すると丁度ベッドの組立が完了したらしい

シャルさんにお礼を言い料理を作りシャルさん達に振る舞うとシャルさんは見たことのない料理だったようであんずちゃんは初めての温かいご飯だったようで2人とも喜んでいた。

あんずちゃん・・・・

絶対に幸せにするからね

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