明日香商店開店への第一歩
一度家に帰った明日香はまず簡単に露天を開いてレティスリール大陸の相場を調べようと思い近所の100円ショップへ足を運んだ
試しに明日香が独断と偏見で異世界にあったらヒットするだろうなと思う商品を10種類10,000円分購入した。
明日香にとっては大金ではあるが幸い今までアルバイトをしてたので貯金を崩し代金を支払った。
その後レティスリール大陸に戻りお店を開くための条件や手数料など必要な手続きがないかの確認とご近所さんへの挨拶が必要だと思い両隣のお店に入ることにした。
左隣のお店は八百屋さんでホアンさんがお店の切り盛りをしていた。
隣に引っ越してきたこととお店を開くこと挨拶し話をするととても気さくな方で色々教えてくれた。
特に手土産を持っていって以内にもかかわらず新鮮なリンゴをお土産として頂いたので今度お返しをしないといけないなと考えていると右隣のお店に到着した。
右隣のお店は雑貨屋さんで色々な工芸品や日用品が並んでいた。
先程の八百屋さんと同じように挨拶をし日用品を扱っていることからライバルになる旨を伝えると店主さんは豪快に笑い「お互い頑張ろうな嬢ちゃん!」と言われた。
一通り挨拶が終わり教えてもらった手続きをやりにこの街の市役所であるリムゴーラ市役所に足を運び必要な諸手続きをすることにした。
まずは住民登録が必要とのことで住民登録を行う
次にお店のことについて窓口の人と話し合うことにした。
「お店のタイプはどういった物になりますか?」
「店舗自体はありますが、まずは露店でこの街の物価を調べたいと思っています」
そう伝えると窓口の方は資料を元に説明してくれた。
「一時的な露店であれば手数料はいりませんが今後お店を開くのであれば手数料は銅貨30枚からとなります。」
「それは年間ですか?」
「年間ですがお店の場所や規模に応じて手数料が変わるので明日伺いますのでその時にお支払いください」
「わかりました」
市役所での手続きを終え市場に行き物価を調べつつお店を開けそうな場所を探しているといい場所が見つかった。
ここで商売をしても大丈夫かを両隣のお店に確認し今日はここで露店を開くことにした。
明日香にとってレティスリール大陸での初商売が不安であるのと同時に希望に満ち溢れていた。
レジャーシートを広げ100円ショップで購入したトイレの芳香剤・マッチ・ほうき・ちりとり・お皿・カトラリーセット・化粧水・乳液・飲料水・シュシュを綺麗に広げ露店の営業を開始する
すると1組の老夫婦がやってきて商品を見始める
「この筒状の容器に入っている液体はなにかしら?」
奥さんがトイレの芳香剤を手に取り明日香に質問してきた
「それはトイレの芳香剤です!トイレのニオイを消していい香りにしてくれます!」
「そんな魔道具があるのね!」
「いえ!これは魔法具ではなくただの日用品です。
私の住む国ではどこの家庭にも置いています」
そういうと奥さんはびっくりした顔で
「ニオイを消すスキルは聞いたことあるけどただの日用品でニオイを消すなんて聞いたことないわ!
試しに買いたいんだけどいくらかしら?」
「通常だと銅貨5枚ですが今回は初回価格なので3枚でいいですよ!次回以降容器を持ってきていただければ銅貨4枚でご購入いただけます!」
魔道具という聞き慣れない言葉があり値段付に不安があったが日用品の相場が平均銅貨6枚程度だったのでそれを元に値段を伝えると
「スキルでしかできないことが銅貨3まいですって!?3つ買います!!」
「わかりました!3つで銅貨9枚です。」
銅貨9枚を貰い老夫婦を見送ると今度は冒険者のパーティーと思われるグループがやってきた。
「この箱はなんという物なんだい?」
私好みの顔をしたイケメンのお兄さんが聞いてきたのはマッチのようだった
「それはマッチといってこんな感じで側面のザラザラした方に擦り付けるように使うと火がつくんです」
マッチの使い方を説明し実演をすると近くにいた他の人たちもよってきて突然混雑するようになった
「これは革命だ!!今まで火属性を扱える魔法師がいないと火なんて使えなかったのにこれがあれば簡単にどこでも火が使えるじゃないか!!」
「ご飯を作るときの火起こしが楽になるわ~」
あちらこちらからマッチを称賛する声が響き始めあっという間にマッチが完売する
1個あたり銅貨3枚で売れ正式オープン後は銅貨5枚と伝えるとそれでも安いといわれたが元はこの世界の価値で銅貨1枚で買えるものだ
なので銅貨5枚にしても5倍になるので十分儲けが出る
私の中では異世界に100円ショップのような物があれば大きな商機が訪れるのではないかと考えていたので今日の反応からすると好評のようだった。
その後も接客を続けていると持ってきた商品は完売し銀貨20枚の利益が出た
今日の売上と今までなけなしのお金で貯金してきた10万円を元に明日香商店を起業することを決意するのであった。