万引き犯逮捕ー!!
警備員を雇い仕事内容の説明や自己紹介を終えた次の日には警備員をそれぞれのフロアに配置した。
聞いたところによると雇った冒険者さんたちは全員AランクやBランクといったランクの高い人間だけだった。
不思議に思い追加の従業員募集を商人ギルドに依頼した帰りに冒険者ギルドに赴き確認することにした
ドアを開けると受付にこの前担当した受付のお姉さんがいた。
「こんにちはー」
「こんにちは明日香さん!どうかなさいましたか?」
「依頼手数料を払いに来たのとちょっと相談があって来ました」
そう言うと別室に案内されたのでついていくと応接室に案内された。
ソファに座るよう促されたので座るとギルドマスターがやってきてお話しすることになった。
「明日香さん先日は大変失礼いたしました。
それで今回はどうなさいましたか?」
「いえいえこちらこそ無理を言って申し訳ございませんでした。
ご紹介いただいた冒険者さんの中にAランクの冒険者さんが何人かいたのですが報酬を増額しても問題ないですか?」
「Aランクの冒険者さんは確かに何人かご紹介しましたが報酬金額についても納得いただいているようなので特に報酬を上げるとかはしなくて大丈夫です。
それにあの依頼であの報酬は条件が良すぎてこちらも紹介するの大変だったので・・・」
明日香はこの世界の冒険者に対する報酬の相場というものがわかっていないし仕事量+拘束時間=報酬という価値観を持っているがこの世界では仕事の難易度=報酬というのが当たり前だ
つまり明日香が提示した金額はお店の警備という仕事で尚且つ魔物の討伐のように必ずしも戦闘状態になるというわけではないので例えAランクの冒険者を雇うにしても一日あたり銅貨80枚日本円換算で8000円が大体の相場だ
しかし明日香の出した求人は1ヵ月銀貨60枚の給料で週休2日制というこの世界ではあり得ないシフト体制で待遇として飲食費補助(1ヵ月の上限銀貨20枚)・家賃・宿代の補助(上限銀貨50枚)・警備に必要な物品の補助(全額補助)・ゴロツキ等を捕えた際の報酬金の支払いといった高待遇で1日あたり銀貨2枚と銅貨72枚なのだ
この世界の人間からしたら正直罠なんじゃないかと疑われるレベルなのだが雇用主は今急成長中の明日香商会長からの依頼ともなれば疑う人間などそうそういない
「ギルドマスターさんがそこまで言うならわかりました。
ですがC~Dランクの冒険者がいないのはが気になります。
私の紹介としての地位を鑑みるとA~Bランクの冒険者は来ないと思うのですが・・・」
「たまたまの結果ですね
受注希望者が多すぎてギルド規定に基づき面談とかを行った結果たまたまAランクやBランクの人を紹介するに至ったというわけです。」
現時点での明日香商会の影響力を鑑みると「大店」と呼ばれる王国内の商会における売上金額TOP10に余裕でランクインするレベルの売上を誇り知名度抜群の商会だ
明日香は決して自己謙遜したのではなく成り行きとはいえ王都に支店を置いたばかりで知名度も売上もそこまで大きくないと考えていたからだ
だが実際は違い「バハムート伯爵領リムゴーラ市で個人店からスタートした珍しい雑貨を扱うお店が大ヒット商品を連発し商会を立ち上げるまでに成長したすごい経営者」という評価だ
そんなお店が警備依頼を出したともなれば受注希望者が殺到するのは当然だ
「そうなんですね
なんかすみません・・・・」
「いえいえここまで受注希望者が殺到するという前例がなく困ったというだけですので!
また何かトラブルがあったらまたいつでも言ってください」
「ありがとうございます。」
明日香はギルドマスターにお礼を言い依頼手数料を支払い明日香はお店へ戻って言った。
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警備員を雇い数日が経った頃
昼1の鐘が鳴りあんずちゃんとお昼を食べようと居住スペースに移動しようとしたときのことだった。
お菓子や調味料を置いている売り場に怪しい人物を目撃した。
人目を気にしているのか周りをキョロキョロ見つめていて挙動不審な40代くらいの男性がいた
服装は庶民の服を着ているが雰囲気は貴族や大店の重鎮と言われても不思議ではないくらいの雰囲気でぱっと見万引きに手を染めるような人には見えない
だが挙動不審な様子や周囲の視線を気にするしぐさなど万引き犯おきまりの行動パターンで明日香の中でほぼ確証に近い状態だった。
明日香は今日の警備当番のマーカスさんを呼び一般客のふりをして見張るようにお願いした。
マーカスさんは何故窃盗をするってわかるのかと聞かれたがそこは「女の勘」と言って納得してもらった。
マーカスさんに見張りをお願いして40分が経過し昼食を終えあんずちゃんとのんびりしているとスタッフが息を切らせながら1階フロアに大至急来て欲しい旨を言われた。
理由を聞くと窃盗事件があったようで取り押さえたところその犯人が雇ったであろうごろつきに襲われそうになったとのことだった。
怪我をしている可能性があり念のため商品のハイポーションを数個取り出し1階へ行くと明日香が警戒していた40代の男といかにもという感じのごろつき3人が既に取り押さえられていた。
「はなせこの野郎!!
この儂をこんな目に合わせて貴様ら死にたいのか!!」
「俺達は護衛だ!
雇い主が襲われているたから斬りかかっただけだ!」
好き放題喚く4人を眺めていると従業員が呼んだであろう衛兵隊が15人やってきた。
「リムゴーラ市衛兵隊だ!
商品の窃盗事件と聞いた。詳しい事情を聴きたい
当事者と店主と目撃者は衛兵隊本部までご足労いただきたい!」
一先ず取り押さえた犯人一味は拘束魔法で拘束し奴隷馬車と同じ見た目の馬車に放り込まれて走り去っていった。
その後残った数人の衛兵は私と警備員と通報した従業員と目撃した冒険者4人を衛兵隊本部まで案内をした。
当然逃走防止のためか前後左右に衛兵が陣形を組まれ逃走しようものなら一瞬で捕まるような状況だったのは言うまでもない
歩くこと15分ほどの市役所の隣に石レンガ造りの堅牢な建物が衛兵隊本部のようだ。
衛兵隊本部に入るとまずは手持ち品を全て預けさせられるようだ。
私は持っていたスマートフォンやお財布ハンカチ等を全て渡した。
スマートフォンのことは衛兵の方にはわからなかったようで執拗にこれは何かと聞かれたがこの世界の代物ではないので護身用の魔道具ということにして納得してもらった。
所持品を預け厳重なボディチェックを終えると別の衛兵に案内され地下の一室に案内された。
中に入ると衛兵の方は
「取り調べを行う係りの者の準備が終えるまでここで待機するように」
と言われ了承すると鉄製の扉が閉まり施錠された。
他の関係者と口裏合わせをさせないためか呼ばれるまでの間ずっと1人で待機し暇だなーなどと思っていると扉があいた。
「お待たせし申し訳ない!
この度取り調べをさせていただくローディス・ハルバートだ
取り調べ室に案内するのでついてきてほしい」
了承しついていくと待機部屋と違いものすごく無機質な部屋に拘束用の手枷が取り付けられた机と椅子と水晶のようなものが置かれていた。
入口から最も遠い椅子に案内され座ると
「規則で例え犯人ではなかったりそれが貴族であろうと例外なく取り調べの最中は机に設置された手枷をつけてもらう決まりだ
悪いが一旦拘束させてもらう」
そういうと両手首に枷を着けられ魔法で外れないように封印された。
「では取り調べを始める
まず名前を教えてほしい」
長い長い取り調べの始まりだ




