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活動3ヶ月目にして最大のピンチ!?

 週末が明けると休みが終わっちゃったー、というそこはかとないションボリ感は拭えない。けど、この時期は特別! 文化祭に向けて練習練習! 毎日がキラキラ! ……ああ、いつも以上に授業が終わるのが待ち遠しい……!

 なんて思いを馳せている矢先に、何故か生徒会室に呼び出されている私。実は、先週末の放課後の時点でメッセージが飛んできてたんだけど。部長である私宛てに。けど、それに気づいたのは昨日だったんだよねー。いや、見落とさなかったのは、我ながらエライ!

 という話を登校中に紗季としてたら『私も同伴するわ』と心強い申し出が。ありがとう! 紗季は部員じゃないけど!

 ということで、私たちは学校へ着くと、教室ではなく直接生徒会室へ。一応代表者である私がノックする。「どうぞ」と返事をいただいたので、私はガラリと扉を開けた。中から流れ出てくるのは重たい空気。広い部屋の奥のほうにはガッツリ書棚が並んでいて、地震で倒れてきたら怖そう、なんて気になってしまう。フロア中央には机を六つ並べて作った島。その奥、最重要なオーラを放つ席が、会長席だろう。けれど、会長――砂橋(すなはし)会長――はそこには座らず、すでに応接机の端に鎮座していた。暗い木目調のテーブルの奥側――会長の隣には書記のコ……かな? ――が控えているから、紗季がいなかったら一対二で威圧負けしてたかも……。助かったー!

 こういう厳かな会議みたいな場はとにかく苦手な私。それを知ってか、紗季からはあらかじめ釘を差されている。『状況がわかるまで、何も言わないように』――実際、開口一番『何で私呼び出されたの!?』って疑問をぶつけたかったけど、ちゃんと飲み込んどいた。エライぞ、私。

 砂橋会長は長いストレートの髪が印象的で、その美しさに舞先輩を思い出す。でも、やっぱり違う。舞先輩が放つのは優雅なオーラだけど、この人のオーラはどこまでも冷たい。髪の色は少し明るいけれど、そこに明るさは感じない。ニコニコと微笑んでいるのに、全然笑っていない――そんな作り物の笑顔。むしろ怖い。

「えー……、何故呼び出されたかわかっているでしょうけれど」

 会長さんのひと言目に、私は全力で首を横に振る。わかりません! 全然わかりません! そんな私の頭を、紗季が物理的に止める。上からワシっと掴んで。そして、間近から睨まれてしまった。何も言わないのは守ってるけど、過度のリアクションも控えろということらしい。

 ということで、私たちは改めて会長さんと向き合う。それで、会長さんのほうも私たちのアレコレが済んだと察したようだ。やれやれ、と肩をすくめて見せてくるところが、笑顔ながらいやらしい。

「なかなか面白おかしく活動しているようですが……部として昇格したことで、少々浮ついていた、ということでしょうか」

 え? 何それ。どういうこと? 面白おかしいところは否定しないけど……浮ついて……? 会長さんの声は優しげだけど、その言葉の矢はじわじわ私たちの胸に突き刺さる。隣を見ると、紗季は目を閉じて黙ったまま。これはまだ静観しろってことなんだろう。うう、しんどい……!

「部として生徒会のお墨付きを得ることは、何をしてもいいというわけではありませんよ」

 ちくり、とした言葉がまた飛んでくる。私はもう耐えきれず、チラリと紗季を見たけど、紗季は何も返してくれない。くぅっ、反撃はまだなの!?

「もちろん、ストリップ……でしたね。我々も成人である以上、法に触れることではありませんが」

 そうだよ! 二十一世紀じゃないんだから、私たちも立派な成人だもん。けど――

「一歩道理を踏み外せば迷惑行為となることを、成人として失念されておられたようで」

 その声が一層冷たく響き、そして、次の瞬間――


「ということで、ストリップ部は廃部とします♡」


「えええええええええええ!?」


 紗季には『何も言うな』と言われていたけど、さすがにこれは無理! 笑顔でとんでもない爆弾を投下されて、私は思わず叫ばずにはいられなかった。

 けれど、紗季は一歩も引かない。その涼しい顔、強すぎる……!

「会長、先程から何をおっしゃられているのか、私どもには心当たりがありません」

 いつもの淡々とした口調で、けれど確実に反論を開始する紗季。カッコよすぎない!?

「競技ストリップには高校生による全国大会もあり、ストリップ部はそれに向けて規律正しく練習に臨んでおります」

 そうそう! 私たちはただ裸になってるわけじゃなく、大会があって、細々(こまごま)としたルールもあって……それはもう、普通のスポーツのひとつ。他の部活と変わらないんだよ。私の言いたいことを紗季が小難しく代弁してくれて、思わず私は溜飲が下がる思い。けれど、会長さんはそのニコニコ顔を崩さないまま、静かにとんでもないことを言い返す。

「でしたら、何故学校にクレームが来たのでしょう?」

 クレーム!? なんで!? 思わず前のめりになってしまったけれど、紗季は同じ言葉を繰り返す。

「私どもには心当たりがありません」

 その声は冷静そのもの。しかもその端的っぷりは、生徒会に何も情報を渡さない、という鉄壁の意思表示みたいで頼もしすぎる。もしかしたら、会長さんもそんな敵対姿勢を感じ取っているのかも。

「無自覚な方々に自省を期待するほど、我々は寛容ではありません」

 容赦ない反撃だ。けれど、紗季も負けてない。

「法に反せず、校則にも反していない以上、外部からの謂れのないクレームに対しては毅然として生徒を守るのが生徒会のあり方では?」

 正論! 正論すぎる!! 私は心の中で拍手喝采! だけど――会長さんは微動だにしない。

「謂れのないクレームだとしても、学校全体にそのような印象を持たれることは、他の生徒全体に対する不利益になると、生徒会としては判断いたしました」

 笑顔できっぱりと切り捨てるとか怖すぎる……。そして――

「これは、決定事項です」

 ムチャクチャだー!? そんな私の表情を遮るように、会長さんは目を閉じる。話はこれで終わりだと言いたげに。

「もう一限目の授業が始まりますね。部室は二週間以内に原状回復した上で明け渡すように」

 ガラリ、と背後で扉が開く音がする。振り向けば、副会長の高岸さんが出口の傍で待っていた。『早く出ていけ』と言わんばかりの無言の圧力。ひぃ~ん……冷たい~……。かといって、ここで追い出されたら試合終了だよ! ……と気合を入れ直した瞬間、会長の追い打ちが。

「我々にも授業の用意がありますので。それを妨害なさるというおつもりでしたら……」

 それを受けて、紗季がすっと立ち上がる。

「失礼しました」

 それだけ告げると踵を返す紗季。私は慌てて後を追っていた。


 教室に戻ると、すぐにグループチャットに『大ピンチ! 詳しくはお昼休みに!』とだけ送信。授業は始まってしまったけれど、もう先生の話なんて頭に入らない! どうしよう……廃部って、本当にどうしたらいいの!?

 悶々としながら時は過ぎ、終わりのベルが鳴り響いたところで私は由香の席へ猛ダッシュ! 由香のほうも、来るだろうな~、って面持ちで、私を待ち受けてくれていた。

 由香は私の顔を見るなり――少し離れた席の高岸副会長の様子をチラリと確認。私たちのことは完全に無視して、授業用のタブレットをいじっている。少なくとも、同じクラスの私たちを監視しているような雰囲気はない。これは、まー……生徒会の意向は生徒会室で生徒会長が伝えたから、その外で自分がとやかく言うことはない、ってことなのかも。

 ここで話しても大丈夫そう……だけど、一応用心のため、由香は小声で。

「……マジ?」

 ひと言に集約させて私に問う。その表情は、怒りとも失望ともつかない複雑なものだった。あまりに話が急すぎて、事態を飲み込めてないのかもしれない。ただひとつ、由香が確信していることは。

「てかコレ、完全に悪意があるわよね」

「んんん?」

 どういうこと?

「だって、私たちが何をやらかしたとか、クレームとやらの内容から証拠まで、一切提示しなかったんでしょ?」

 そう言われて、私も改めてハッとする。

「うん、だって私たちは潔白だからネ!」

 堂々と胸を張る私に、由香は軽くため息をつきながら言う。

「まー……良く思わない人たちは少なからずいるとは思ってたけど、そーきたかー……」

 だよねー……とションボリしていたところで、私はスマホにメッセージが届いていたことに気がついた。送信者は紗季で――おお、おおお……生徒会室でのやり取りが、私の説明以上にしっかりまとめられてるぅ……というか、私、由香に何も説明してなかった! 当然のように切り出されたから、知ってるものとして話してたよ。

 紗季からのメッセージは『詳しくは部室にて』で締められていた。黙々とその文面を読む私に、由香がサクっと。

「それ読んで復習しておいてね」

「はぁい……」

 私は部長として全力で駆け出したつもりだったのに、紗季に後ろからあっという間に追い抜かれてたとはー……


 お昼休み。部室に漂うのは、どんよりとした空気。練習中は端のほうに寄せている机を真ん中に寄せて、その周りを囲みいつものようにお弁当を広げている。でも、箸を進める手は重たく、会話もほとんどない。生徒会にもたらされたダメージによって、全員が暗い表情をしている。ただし――舞先輩を除いて。

「短いつき合いだったわね」

「そんな悲しいこと言わないで!」

 微笑みながら、しれっと言うので私は慌ててツッコミ! 舞先輩、本当にいつも空気読まないから……! けど、そうやって飄々としながらも、裏ではちゃんと部のことを考えてくれてるんですよね……? 私は信じてますから――というか、私が信じず誰が信じるのか!

「あの様子だとさー……」

 千夏が玉子焼きをモグモグしながら切り出す。今日はふわっと髪を下ろしていて、いつもの元気な印象とは少し違う雰囲気。毛先に少しだけカールがかかっていて、自然体な柔らかさが漂っている。いつもの夏みかんヘアピンで前髪をすっきり留めていて、さっぱりした表情がよく似合っている。

「ご近所様から『ストリップなんてけしからん!』って怒られたから、『あーい、わかりまちたー』って尻尾巻いた感じだよね」

「それも建前で、学校内の反対派が言い訳にしてるだけって感じがするわ」

 由香も冷静に推測を重ねる。さらには紗季も。

「もっといえば、そのクレームとやらの存在自体も怪しいし」

「だよねっ! 証拠も出さずに一方的すぎんでしょ!」

 プンプンと怒りを露わにする千夏に、私はうんうん、と全力で頷く。

 普段ならこういうとき、ワッと勢いに乗せてくれるかがりちゃんが……今日はずっと申し訳なさそう。

「……もしかしたら、バスケ部絡みかも……」

「えっ?」

 私が驚いて振り向くと、かがりちゃんは視線をお弁当箱に落としたまま話を続ける。

「杉田センセー……ウチがチームに入ったとき、全国大会狙おうとしとって……」

 あー……そうだった。かがりちゃんは関西の強豪校からバスケ入学してきたんだよね。そのあまりのバスケっぷりに、顧問の杉田先生は大喜び。こともあろうか、一年生のかがりちゃんをいきなり部長に大昇格! ……しかし、ノリノリなのは先生だけで、部員はみんなイヤ~な顔してて、モチベーションはボロボロ、連携はガタガタ。結局、かがりちゃんがストリップ部と兼部することで、さすがに部長は無理、と辞退。それで、丸く収まった――ハズだったんだけど――

「ウチが辞めて、バスケに専念すれば……」

「そんなことさせないっ!」

 お弁当箱を持ちながら、私は席を立ち上がる。

「かがりちゃんは私が守るよ! 一緒に文化祭出て、それで全国大会にも行くんだから!」

 たとえ杉田先生がかがりちゃんを独占しようとしても、かがりちゃんはもう私たちストリップ部の仲間なんだから! 絶対みんなで文化祭に出演()る!

 これには場の空気もちょっと盛り上がり……そうな兆しはあったけど……ごめん、勢いだけだから、紗季みたいな説得力は持たせられなかったよ……。じゃあ、そのためにどうすればいいか話し合いましょー、と仕切り直しな感じになったところで、扉をノックする音が響く。

「ど、どなたですかー?」

 私が出迎えると――リボンの色から一年生だとわかる眼鏡の女のコが立っていた。誰だろう?

 来訪者は表情を変えずにポツリと。

「……服、着てるんですね」

 えっ、着てますよ!? ストリップ部ってだけで裸族扱いとか、イメージひどすぎませんかー……

 私の応対が不安だったのか、紗季がこちらを見て――少し意外そうな表情を浮かべる。

「今朝、生徒会室で……」

 その小さな呟きを受けて、かがりちゃんが急いで新たな椅子を用意。どうやら、この一年生は生徒会のメンバーのようだ。

 生徒会のコが加わると、ランチタイムが会議な雰囲気へと早変わり。それでもお箸を止めない舞先輩と千夏が逆に異質に見える。新たにやってきた一年生は席に着くと――私たちを見回してから自己紹介を始める。

「お二方には今朝生徒会室でお世話になりましたが……生徒会にて会計を務めております和泉(わいずみ)佳奈(かな)と申します」

 二本の三つ編みが、The・生徒会! って感じで、口調も硬い。良くも悪くも。もし紗季が生徒会だったらこんな感じになってたかも、なんて思ったりする。

「単刀直入に申しますが、私個人としましては、今回の会長の判断には些かの疑念が残ります」

 ……えっ、疑念? 佳奈ちゃんの言葉に、私たちは一斉に顔を上げる。

「今朝の先輩の反応を拝見させていただきまして……一考の余地はある、と私は考えています」

「おおおおっ!」

 佳奈ちゃんがちょっと味方っぽい発言してくれたもんだから、私は思わず声を上げる。紗季はずっと、会長からの口撃にも毅然として揺るがなかったもんね。私ひとりだったらアワアワオロオロで全然ダメだったろうなー……

 と思いきや。

「桜、ギャグ漫画みたいなリアクションしてたものね」

 えっ!? ナニソレ!?

「素であんな驚き方できるコ、なかなかいないわ」

「そ、そんなにすごい顔してたっけ……?」

 佳奈ちゃんは私の反応に軽く笑みを浮かべてそっと言う。

「少なくとも、本当に身に覚えはないのだと信ずるに値するくらいには」

 けれど、部のメンバーを見回し、表情を改めて

固くする。

「……しかし、他の方々については、その保証はないのですが」

「あるよ! 私が保証するよ!」

「そういうことじゃないから、しばらく黙ってて」

 すぐさま反応する私を、紗季がピシャリ。

「はーい……」

 しょんぼりする私を一瞥すると、佳奈ちゃんは――何だか、ここからが本題って空気。

「実は、外部からクレームがあったのは事実のようなのです」

「えっ!?」

 私の驚きに反して、紗季はまるで想定内とでも言うように静かだった。

「ただ、それはおそらく、同時に潔白であることの証拠になるものかと」

 佳奈ちゃんのその言葉に、由香が苛立ちを露わにする。

「えげつないことを……」

 それはさっき議論に出ていた“拡大解釈で利用された”ケースに違いない。

 佳奈ちゃんは軽く眼鏡を押し上げて姿勢を正すと、少し厳かな声で話し出す。

「生徒会は、その活動内容が不適切であると判断した場合、部の活動を停止、もしくは廃止することができますが――」

 なんかすごく重要なことを言い出した!? 私の心臓がドキドキする中、佳奈ちゃんは続ける。

「その際に、部活動側は一週間以内に意義を申し立てる権利があります」

「おおっ!」

 またしても声を出してしまい、隣の紗季から睨まれてしまった。

「会長が、二週間以内に部室を引き払うよう通告したのは、申し立ての期間一週間と、そこで決定してからの一週間を合わせてのことです」

 佳奈ちゃんの説明に、由香は露骨に眉をひそめる。

「やっぱり、どう考えても裏があるわね」

 その声は張り詰めていて、危機的な状況を再確認させられた。

「この規則を説明しなかったことも、私が抱いた疑念のひとつです。我々は校則を作る立場にありますが、一般生徒はそのすべてを熟知しているわけではありません」

 佳奈ちゃんのその言葉に、私は「あー……」と間抜けな声を漏らす。

 そして、佳奈ちゃんは席を立った。ここでこれ以上説明できることはない、ということなのだろう。

「私の方でも調べてみますが……今週末、改めて情報をすり合わせましょうか」

「そうね」

 と返事をするのは私ではなく紗季。部長、私なんだけどなー……。まあいいけど。

 そのまま退室しようとする佳奈ちゃんの背中に、私はつい声をかける。

「待って! 最後にひとつだけ!」

 振り返る佳奈ちゃんに、私はおずおずと尋ねた。

「あの、えと……」

 こんなことを訊いても何にもならないけど。

「私たちの部活……どう思う?」

 佳奈ちゃんは冷静な表情のまま。

「生徒会管轄下である部活動のひとつです」

 とってもシンプルな答えだった。


 ともかく……生徒会の中に協力的な人がいてくれる、というのは心強い。その思いに応えるためにも、放課後は早速作戦会議だよ! それに向けて、各々事前に調査することに。

 私は、同じクラスの高岸副会長の様子をそっと観察。生徒会員だけに授業中の態度は至極真面目。黒板に向かう姿勢も隙がなく、午後一だというのに、居眠りしそうな様子はまったくない。肩にかかるくらいのミディアムヘアは、明るすぎず暗すぎない絶妙な色合いの茶色で、控えめながらも整った印象だ。

 放課後になっても私たちのことにはまったく関心を示さず、クラスの出しものである演劇のための大道具の制作に没頭している。うーん、副会長さんの中では、ストリップ部の件は終わったことになってるのかなぁ……?

 一方、千夏は同じクラスの生徒会のコの様子を窺うと言っていて、かがりちゃんはバスケ部のほうに出て杉田先生の出方を見る、とのこと。

 そして、紗季は――


「全部わかったわよ」


 ええええええええっ!?


「先生に何も相談してくれないなんて寂しいんだけど……」

 小此木先生がしょんぼりした声でそう漏らす。あー……そういえば、真っ先に問い質すべきは顧問の先生だったよねー……

 けど、ここで由香が鋭いツッコミ。

「私たちが伝えるまで、先生自身は知らなかったんですか?」

 最初から小さくなっていた先生は、生徒から指摘されてさらに小さくなっていく。

「そ、それは……この時期、クラスの子たちからの相談も増えるし……文化祭が終わったらすぐ中間試験だし……」

 先生だって忙しいのね、と納得しかけたところで、紗季がフォロー。

「職員室内でも、私が先生に協力を持ちかけるまでこのことを知らなかった、っていうこと自体が不自然なわけで」

「そっ、そうなのよっ! うちの部の子が何かやらかしたのなら、普通は顧問である先生に一報入るはずでしょう!?」

 慌てる先生に、千夏はニヤニヤ。

「もしかして先生……嫌われてる……?」

「違いますっ! 意図的に隠されてたんですーっ!」

 ぷくーっと膨れる先生、ちょっと可愛い。けれど、すぐにその表情を真面目に戻す。

「クレームを受けたのは横山先生だったらしいんだけど、どうも別の先生から『この件は他言無用』って口止めされてたとかで……」

 別の先生――私たちの脳裏に真っ先に浮かんだのは――バスケ部の杉田先生――かがりちゃんがこの場にいなくて良かったかも。

「誰が、ということも、横山先生には教えていただけなかったけれど……」

「ともかく、クレームの内容は完全に判明したってわけ」

 紗季は事前に先生から聞いているらしい。先生はちょっと言いにくそうだけど、言葉を選びながら話を進める。

「先週金曜日の深夜、学校近辺の公園で、学生が如何わしい行為をしていたとか……」

「先週の金曜日?」

 私の頭の中でその日を思い返す。すると――

「アタシたち、KIDSに泊まってたじゃん!」

 千夏がバシッと叫ぶ。そうだ、アリバイ完璧! みんなで盛り上がったところで……紗季だけが何故か神妙。その様子に気づいて、部室の空気が一気に静まる。何故なら、あの夜は――

「もしかして、私を疑ってる?」

 いやいや、確かに紗季だけアリバイないけれども!

「内容が、如何わしい行為、でなければ」

「舞先輩っ!」

 なんてこと言うの! けれども、千夏はケラケラ笑う。

「紗季を疑う余地なんてないっしょ!」

「ストリップも嫌がる紗季が、公園でそんなことなんて、いよいよありえないわ」

 由香の意見に私も賛成! けれど、紗季自身が後ろ向き。

「何なら、私をパージしてくれてもいいけど。元々部員じゃないし」

「そんなことしないよ! 紗季は大切な友達だもん!」

 紗季の投げやりな言葉に、私は即座に首を振って応える。けれど、ここで何故か舞先輩がじーっと私を見て。

「じゃあ私は?」

 何でそこで対抗してくるんですか……

「舞先輩は、私の目標で、憧れで……大切な先輩ですっ!」

 と、ここで由香が口を挟む。

「千夏は訊かないでね」

「なんで!?」

「くどいから」

 もちろん、千夏も由香も、かがりちゃんも、もちろん先生だってみんな大切な仲間だと思ってるよ!

 私からの答えを聞かなくても、千夏はニコニコ。

「ともかく、アタシたちの潔白は明らかなわけで……」

「それで、どう動く?」

 由香が尋ねると、紗季が慎重な口調で答える。

「下手に先手を打つと、新たな手を打たれるかもしれないわ」

「下手に、っていうと?」

 私の問いかけに、紗季は方針を解説してくれる。

「一週間以内、ってことらしいけどね、喜び勇んで事前に突きつけたら、残りの期間で再工作されかねない、ということよ」

 これで、千夏も納得。

「敵に時間を与えないってことかー」

「椎名さんの話だと、生徒会の子たちも、無理筋って察してるようだし……」

 教員さえ疑ってるのに止められないんだから、この学校の生徒会って強いんだなぁ……

 ここで、由香が話を戻す。

「で、和泉さんにはどう伝える?」

「うん?」

 誰だって?

「和泉佳奈。生徒会会計の」

「ああ」

 紗季に言われてフルネームを思い出した。

「とーぜん、しらばっくれるとこじゃね?」

 千夏はちょっと意地悪なことを言うけれど。

「それは、相手が持ってきた情報次第、かしらね」

 状況を確定しないの、紗季らしいなぁ。きっと、あらゆる可能性を考慮してるに違いない。そんな思考回路についていけず、千夏はギブアップ。

「……当日、ふたりに任せていい?」

「もちろんだよ!」

 と、私は元気よく返してみたものの。

「いや、基本紗季でしょ」

 由香がさらりと指摘。さらには舞先輩まで。

「部長という名の、カカシのようなもの」

「そんな悲しいこと言わないで!」

 私は即座に返すけれども……それで笑いが起きちゃうあたり……まあ、しょうがないなぁ、なんて、私は頭を掻くしかなかった。


 週末の放課後、部室は静かだった。いつもの賑やかな雰囲気が嘘のように、今日は緊張感が漂っている。そんな中、私と紗季は、ついに佳奈ちゃん――生徒会会計さんと合流。

「お待たせしました」

 扉を開けて入ってきた佳奈ちゃんは、いつも通りの落ち着いた雰囲気。眼鏡をキラリと光らせながら、鞄からタブレットを取り出した。その無駄のない動きに、思わず私は姿勢を正してしまう。

「和泉さんは、どのような情報を?」

 紗季が尋ねると佳奈ちゃんはテーブルにタブレットを置き、すぐにプレゼンアプリを開く。そこには、佳奈ちゃんがまとめたと思われる情報が綺麗にわかりやすく並んでいた。

「そのクレームは、学校のホームページのフォームから送られてきたもののようです」

 淡々と説明する佳奈ちゃんの声は妙に冷静で、だけど確実に私たちの耳に響いてくる。

「ホームページから……って、ネットで?」

「そうです。いわゆる、企業や店舗で見かけるような、典型的な問い合わせフォームですね」

 そう言って、佳奈ちゃんは一枚のスクリーンショットを見せてくれた。

「この投稿には『折り返し連絡不要』というチェックが入っていましたが、念のため、教員側に頼んで記載された連絡先に折り返してもらいました」

「教員側って誰に?」

 他言無用って口止めされてたようだし、横山先生ではなさそうだけど。

「真田先生です。数学担当の」

「ああ、去年教わってた!」

 ひぇ~……あの先生、めちゃくちゃ厳しくて苦手だったなぁ……

「なるほど……あの先生、甘いところがあるから」

 えっ!? と驚く私に、佳奈ちゃん眼鏡を直しながら自慢げに言う。

「私、数学はI・A共に学年順位一桁ですから」

 あー……そういうことかー……。紗季も数学得意だしねー……。数学だけじゃないけど。

 私がガックリしたことで、佳奈ちゃんもちょっと姿勢を正す。

「……ともかく、真田先生から、送信者本人に直接連絡を取っていただいたところ……先週金曜日の夜一〇時すぎ、塾帰りの子どもが押村公園で、裸の人がうろうろしているのを見た――とのことです。それで、その親御さんがクレームを入れたとか」

「押村公園って、石山高校のほうが近いじゃん!」

「そういう問題じゃないから」

 あまりの理不尽さに思わず声を上げた私に、紗季は冷ややかな目を向ける。

「そちらの部活動の件については、近隣住民の間にもまことしやかに広まっているようでして」

 佳奈ちゃんは淡々と説明してくれたけど……きっと、その親御さんもストリップに対して否定的な立場なんだろうなぁ……

「反対派から反対派への伝言ゲーム……まさに悪夢ね」

 紗季がぽつりとつぶやく。

「このやりとりはすべて録音してあります。必要に応じて証拠として提出可能です」

 佳奈ちゃんの手際の良さに、こっちも対抗!

「私たちも、MI-YA-COさんに頼めば証言してくれると思う!」

 なんて力強く宣言してみたものの。

「……高校に部外者を連れてくるの?」

「ば、場合によっては……」

 なんとなく自分でも、そこまで迷惑はかけられないよなぁ、と思ったり思わなかったり。

「ともかく、それ以外でもありったけの証拠を準備しておきなさい」

「はーい」

 紗季からの指示に、私は素直に返事をした。ともあれ、私たちの情報は一致しているので、これ以上共有することはなさそうだ。佳奈ちゃんは立ち上がりながら淡々と言う。

「私にできることはすべてやったつもりです。あとは、お二方にお任せします」

 そして、扉の前で見送ったけれど、そこで、こちらへ振り向くことなく――

「生徒会を、不名誉な独裁者にしないでください」

 そう告げて、佳奈ちゃんは昇降口のほうへと去っていく。その背中から――私は初めて佳奈ちゃんから強い思いを受け取った気がした。そっか……私たちは私たちのためで頑張っているけれど、佳奈ちゃんも自分(生徒会)のために頑張ってるんだなぁ……。そういうことなら、佳奈ちゃんのためにも負けられないよね!

 最終決戦は週明けの月曜日――それに向けて、私たちはできる限りのことを全部やろう!


 幸いなことに――合宿の日、スタジオの近くで買い物したときのレシートが残っていた。これで、ストリップ部のメンバーがそこにいたことの簡単な証明にはなるはず。それでも疑うのなら……防犯カメラの録画でも何でも持ってこーい! ってことで。

 始業前の朝、生徒会室に足を踏み入れる私と紗季。その空間には、いつも通りの静けさと張り詰めた空気が漂っていた。文化祭の準備期間ともなると、予算申請やら設備の許可やら、生徒会の放課後の時間は埋まりがち。だから、普段より三〇分早く開いているのだそうだ。そんな話を聞くと、少しだけ生徒会メンバーに対する尊敬の念が芽生える。だけど、これからの会話がその静けさを掻き乱すのだと思うと、緊張感で背筋が寒い。

「お待ちしておりました」

 砂橋会長がニコニコとした笑顔で迎えてくれる。だけど、その笑顔の裏にある本心が全然読めないのが相変わらず怖い。佳奈ちゃんは自分の机で作業と向き合っているようだけど、こちらを気にして手が止まっているようだ。きっと、心の中では私たちを応援してくれていると信じている。

「本日は、ストリップ部の件について、何かご報告があるとのことですが?」

 相変わらずの穏やかさでそう言う会長さんに対し、紗季がスッと切り出した。

「はい。まず、クレームの内容について確認させていただきます」

 紗季は表情ひとつ変えずに言葉を続ける。私はただただ黙って応援するばかり。

「こちらでも調査させていただきましたが、問題があったとされる時間、ストリップ部のメンバー全員は合宿中でありました。その事実を裏付ける証拠や証言の用意もあります」

 紗季の冷静な口調が、会長さんの表情をほんの少しだけ硬くしたように見えた。その毅然とした説明に、私は心の中で歓声を送る。さすが紗季! そして、先に手の内を見せないところもさすがだなぁ。

 会長さんは相変わらずニコニコとした笑顔を浮かべていたけれど、内心ではきっと、紗季の説得力に驚いているに違いない! と私は思ってたんだけど――ふと、変わらないはずの会長さんの笑顔の奥に、何か不敵なものが宿った。そして、とんでもない言葉を口にする。

「……それで?」

 え? それで……って……。いやいやいや、そうじゃないでしょ! 私たちは何もしてないって、たったいま証明したでしょ!?

 けれど、会長さんは――やっぱりニコニコで、それでいて恐ろしいことを言ってのける。

「そもそもクレームの時点で証拠がないのです。潔白がどうだのアリバイがどうだの……そんなものは最初から論点になっていないとご理解いただけていなかったようで」

「えっ……?」

 思わず声を漏らした私。だって、それじゃあ、何のためにこの資料を用意したのかわかんないじゃん! 佳奈ちゃんにも協力してもらって、情報やら証拠やら集めて……それが……そんな簡単なひと言で……?

「近所でわいせつ事件がありました。……いえ、あったの“かも”しれません」

 会長は遠くを見るような目で言葉を続ける。

「ですが、そのとき真っ先に通報したのが、警察でも、他の学校でもなく、我が校であった……それが問題なのです」

「ですが……ッ」

 相変わらずの笑顔を浮かべたまま冷淡な言葉を投げかけてくる砂橋会長に向けて声を上げる紗季。いつもの冷静な表情を崩さないように努めているけど、内心の焦りがにじんでわずかに震えていた。

「仰りたいことはわかりますよ。無辜(むこ)の生徒を貶めて校則が成り立つのか……そうお考えなのでしょう?」

「むこ? ――むこぉぼっぷ!?」

 急に聞きなれない単語が飛び出し、私は思わず紗季に尋ねようとする。しかし、その瞬間、紗季の肘が私の脇腹に突き刺さり――あわわっ、喉元まで出かけた言葉を飲み込む羽目に。どうやらいまはそんなやり取りをしている場合じゃないらしい。

「ご立派な理想ではありますが、物事には限度があります。……やれやれ、次の生徒総会までに、部活動に関する項目を見直す必要がありそうですね」

 ため息交じりにそう言うと、砂橋会長の笑顔が、さらにぞっとするほど冷たく見えた。いままでで一番怖い――眉も、目元も、すべてが笑っているはずなのに、どうしてこんなに寒気がするの?

「あなたたちは、好き勝手やっていても学校生活は続いていく……そう考えているかもしれませんが――」

 ニコニコとしたまま、会長の声色がさらに低くなる。

「案外、吹けば飛ぶようなものなのですよ。あなた方の部活と同様に」

 会長はつまらなそうに微笑を浮かべると、椅子にゆったりと座り直し、最終通告を告げる。そこには私たちに一切の反論を許さないような圧倒的な支配力を宿していた。

「それでは、一週間後に該当の部室は閉鎖させていただきます。退去の準備を滞りなくよろしくお願いいたしますね♡」

 そう言って会長さんは微笑みながら、話を打ち切った。その微笑みは、まさに私たちを追い詰める勝利宣言。そう――最初から交渉の余地などなかったのだ。最初に言っていたとおり――これは、決定事項――

 紗季の悔しそうな横顔に、私なんかじゃ何も言えない。黙って生徒会室を出ると、紗季と私は自分たちの教室に向かって歩き始めた。けれども、まだ胸の中には会長さんの言葉がぐるぐると渦巻いている。紗季はいつもの冷静な表情を崩していないように見えるけれど――その無言が、かえってつらい。

 そのとき、背後から急ぎ足の音が響いてくる。

「椎名先輩、鈴木先輩!」

 振り返ると、佳奈ちゃんが追いかけてきていた。その眼鏡越しに見える瞳は、普段の冷静さを保ちながらも、どこか不安そうに揺れている。

「今回の件は、生徒会として決定されてしまいました。私にも、もうどうすることもできません……本当に申し訳ありませんでした……!」

 佳奈ちゃんは静かに謝罪の言葉を紡ぎながらも、その声の奥に強い悔しさと無力感が滲んでいた。普段の毅然とした姿とのギャップに、私は心が苦しくなる。その姿に胸がいっぱいになって、私は何か言おうと手を伸ばしかけた。

 けれど、その手を紗季が軽く引いて、静かに制す。

「桜、行くわよ」

「……うん」

 歩き出してからも、私の中で佳奈ちゃんの涙ぐんだ瞳が焼きついていた。さっき、何か言ってあげられればよかった。あのとき、私にできることは何だったんだろう――そんな考えがぐるぐると巡る。

 その思いが、どうやら紗季にも伝わったらしい。

「あまり情を移すものではないわ。彼女もまた、生徒会なのだから」

 その言葉には、一見冷たい響きがあったけれど――どこか寂しさのようなものもにじんでいる。それを感じられたから――私は少しだけ救われた気がした。


 昼休みの部室は――静かだった。いや、普段の賑やかさからしたら地の底に沈んだような静けさである。

「……あー……これからどーするよー。アタシ、もうストリップ一直線だったのにー。文化祭に全国大会……どーしてくれんのさ!」

 天井を見上げて不満をぶちまける千夏。高く結び上げたアップヘアが、少しだけほつれているのが、ガッカリした心境を物語っている。せっかく『これから部活がんばるぞー!』と意気込んでキメてきたのに、いまはその熱意もどこか行き場を失ったようだ。

 その隣では由香がため息混じりに続ける。

「私も……弓の演習、休もうかな。なんか、そんな気分じゃないし」

 かがりちゃんまで、もじもじしながらポツリ。

「ウチも……。このままやと、また部長に押し上げられるかもしれへん……」

 昨日までの勢いはどこへやら。せっかくうまく回り始めていた歯車がことごとくつまずいているみたい。

「私だって、こんな終わり方は望んでなかったわよ」

 そんなこと言う紗季の声まで、どこか力がない。でも……そうやって蹲ってたってどうにもならないんだから!

「ナニ言ってんの。まだ始まってもいないでしょ!」

 私には紗季のように根拠や証拠を示すことなんてできない。けれど――それで紗季がちょっと笑ってくれたから、私は自信満々に声を張り上げる。

「なーんかね、これが学校の総意だー、みたいに言ってるのが気に入らないんだよねっ! 少なくとも私たちは違うし、小此木先生だって私たちの味方だし!」

「桜……?」

 紗季はきっと、私がただ出任せを言って励ましてるんだと思ったんだろうけど――それだけじゃない。私の心の中には本当に、まだ負けてないって気持ちが湧き上がっていた。

「こーなったらさ、私たちにも味方がいっぱいいるって思い知らせてやろうよっ!」

 この言葉に、千夏がパッと顔を上げる。

「つまり、アタシたちのほうこそが学生の総意だ! って見せつけてやればいいんだねっ!」

 やっぱり千夏はこういうとき、真っ先に乗っかってきてくれる。由香たちはその先にある実現方法まで考えちゃうから、ちょっと時間がかかるんだけど――やっぱり頼りになるのはこのふたりだ。

「……とりあえず、水商売とか風俗でバイトしてるコを巻き込んでみよっか。このままだとあなたたちもヤバイよって」

 ようやく、由香も動き出してくれた。

「それと、生徒会やクラス行事にも積極的に参加して、模範的な生徒であることを示すべきね」

 紗季の提案に、かがりちゃんがちょっと不安げに確認する。

「朝の声掛けとか挨拶とかやるんですか?」

「そんなあざといことは風紀委員にでも任せておけばいいのよ。私たちは、あくまで一般的な優良生徒として」

 良かったー! なんてホッとしたところで――

「となると、ヤバイのは……」

 由香が千夏に視線を向けると、千夏が大げさにのけぞって見せる。

「ぬわーーー、アタシかー! てか、これでも平均は取ってるんだけどー!」

「理系科目、時々ポシャるでしょ」

「それは理系が悪い」

「言ってろ」

 そんな千夏と由香のやり取り見てたら、ちょっとほっこりしてきちゃった。

「まーまー、試験はもう少し先だから……」

 よし! これでみんな元通り! 元気になってくれたかなー……なんて、みんなを見回してみると……何故か舞先輩がドヤ顔で頷いている。

「うんうん、さすがは私の桜」

 舞先輩のって……えぇ……? しかも、そんな舞先輩を紗季がものすごい顔で睨んでるんだけど……。お願い! せっかくみんな前向きになってきたところなんだから、これ以上ワケわかんないことで揉めないでー!


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