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妖精として生きるつもりです。  作者: 納豆しらす
第二章 『繋ぎ合わせるべき欠片』
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第二十八話 『アホなりの策』

「埒が明かねぇ!」


「ふふふ、もうおしまいか?もっとじゃれたいんだがなぁ・・・」


瞬は顔に笑みを浮かべ雷堂達を見る。

「君達は本当に合格したのかな?」


「しとるわボケェ!!」


光玄が瞬の上から飛び掛る。その勢いのまま足蹴りをかます。

光玄の足が瞬に触れる瞬間に弾き返された。


「・・・っ!」


光玄はそのまま地面に打ち叩かれた。


「ハハハ、僕の身体に触れると反射するということも忘れたのかい?余裕のない子猫ちゃんだ」


自慢の眼鏡に手を当てながら大笑いしている。

先程からずっとこんな様子である。

内心、光玄はイライラしていた。


(クッソ!あのクソ野郎!散々煽り散らかしてきやがって!・・・腹立つなぁ!)


光玄は瞬の顔を見直して再度そう認識する。

そして、そのまま言い返す。


「そっちも忘れたか?今まで俺が()()()()()()()()()()のか・・・」


その発言と共に瞬の真後ろに衝撃が発生した。

衝撃は複数働き、大ダメージを与えるには十分な威力になっていた。

瞬は真っ向からそれをくらい、体制を崩すが、すぐに立て直し、次の攻撃の準備を始める。


しかし、それを見ていた雷堂が素早くフォローする。


「おらよ!足の速度だけは勝ってんだ!」


「!」


思い切り雷堂の蹴りが入った。

瞬は再び体制を崩す。


が、雷堂も共に体制を崩した。


「いてっ!なんだ・・・?何もしてないなずなのに蹴られた・・・?」


瞬は笑う。


「ふふふ、それが異能の面白いところさ」


「どういう・・・」


光玄の発言を遮り、瞬が続ける。


「君、今蹴られただろう?反射したのさ、君の攻撃を」


「「!!」」


2人の間に緊張が走る・・・

はずだった。


「どういう事だ!!!!」


雷堂が既に質問していた。


(やっぱアホだこいつ。)


光玄は大分呆れていた。


しかしまぁ・・・攻撃を反射する・・・か・・・

面倒だな・・・


「・・・試すか」


光玄は走り出し、片っ端からありとあらゆる場所に衝撃を与えた。

地面に。壁に。空に。敵に。


「・・・何をしている?」

瞬は光玄の行動に目を向けた。


しかし、雷堂は瞬の妨害をし続ける。

「何か、策があんだろ?任せろ!気は引いとく!」


雷堂は言う。

しかし、瞬は雷堂を無視する。


雷堂は気を引けなかった。


「え!?嘘だろ!?」


瞬が光玄に向かい、攻撃を放とうとする。

その瞬間、光玄は呟いた。


「・・・入ったな?」


その言葉と同時に光玄の異能は発動する。


光玄の放った攻撃は衝撃に変化し、既に瞬の周囲を取り囲んでいた。


瞬には一度に衝撃が押し寄せる。


瞬に初めてのダメージが通った。


「はは!やっぱりだ!お前、1度に反射できる数には限りがあるな!?」


そう、瞬は光玄の衝撃を反射していた。しかし、数が多く、反射したのはダメージの大きい3つの衝撃だけだった。


「フフ、そこに気付いたからと言ってどうこうなる問題でもないでしょう?現に、貴方たちは2人、私が反射できるのは3つ。いくらなんでも手が足りないのでは?」


「おらよ!!!」


雷堂がとてつもない速度で瞬を蹴り飛ばす。

光玄はまた呟く。

「もう1つ、お前は見えているものしか反射出来ない!鏡と同じ仕組みだ。騙そうとしても無駄だ。お前が反射出来るのはお前の手持ちの鏡の数だけだ」


瞬は目を見開いてから言う。

「フ、やるじゃないか、相手の異能の本質を見抜くのは戦士にとって必要な事だ。その通りさ。だから私は魔力を使い、鏡を作り出す。つまり、やろうと思えばいくらでも反射出来る。だから・・・」


瞬は周囲に大量の鏡を作り出す。


「こういう事も出来る」


雷堂は言う。

「・・・つまり、今攻撃しても無意味ってことか?」


「そういう事だ。少しは賢くなったじゃないか」

瞬は笑いながら言う。


雷堂は何かを思いついた顔で光玄を見た。


「・・・何だ」


光玄は嫌そうな顔をする。


「耳貸してくれ」


雷堂がそう言うと、光玄は本当に嫌そうな顔をして、耳を貸す。


「──────────」


雷堂の言葉に光玄は目を見開いた。


「そんなアホみたいな策が通用すんのかよ・・・」


「大丈夫だって!俺を信じろ!失敗したらまた何か考えよう!」


雷堂はとてもポジティブだった。


「はぁ、やるか・・・」


光玄は体制を整える。


雷堂がスタートダッシュの体制になり、構える。


瞬は2人の光景を見て、笑いながら言う。

「何をしても、無駄ですよ」


それと同時に攻撃が放たれる。


雷堂は攻撃を避けると同時には、鏡に突撃して行った。

雷堂は鏡を思い切り蹴る。

雷堂は反射ダメージを喰らいつつも、鏡を割った。


それと同時に光玄も鏡に直接攻撃する。


2人の策は瞬の限界が来るまで鏡を割り続ける事だった。


「何を馬鹿な・・・。先に倒れるのはそっちですよ」

と言いながら、瞬は魔力を込めた。


「まぁ、1人ずつでもいいのですが、まとめてやってしまいましょうか」

そう言うと、瞬は手に込めた魔力を思い切り放つ。


光玄はその魔力に手元の鏡を投げ付けた。

その鏡は魔力を反射すると共に割れ、瞬に魔力が還る。


「なっ・・・!」


瞬は大きくそれをかわす。

そして、新たな攻撃をしようとするも、鏡は既に全て割られていた。


「これが弱点か」

光玄は笑みを浮かべた。


「鏡がなければ何も出来ない!それがお前の敗因だ!」


瞬は唖然とした。


「フッ、ハハハ!やるじゃないか、この短時間でそこまでするとは!天晴だ!」


瞬は笑いながら言う。


「気に入った、私の負けだ。タスキを君達にやろう。私は君達のこれからが見たくなった」


瞬はそう言うと、自分の両腕からタスキを外す。


「いいのか?」

雷堂はたずねる。


「ああ、その代わり、面白いものを見せてくれ」


そう言うと、瞬はタスキを2人に手渡した。


「さぁ、行くがいい。私は待っている。君達が1級まで上がってくる事を!」


そう言うと、瞬は笑いながら去って行った。


「よ・・・よっしゃあああ!!」


雷堂は跳んで喜んだ。


「そんな喜ぶ事か?」


「喜ぶだろ!合格だぞ!」


「そうか」


光玄は何かを考えたまま、黙り込む。


「光玄?」


光玄は名前を呼ばれ、口を開く。


「その、最後の策に関しては・・・何だ・・・助かった」


雷堂はその言葉を聞くと大きな笑みを浮かべた。


「いいって事よ!俺たち親友だろ!?」


「は?お前と親友になった覚えは・・・」


「行こうぜ光玄!俺たち合格したぞ!」


「2回も言わなくていいだろ!」


こうして、光玄、雷堂ペアは合格という形で試験を終了した。

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