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妖精として生きるつもりです。  作者: 納豆しらす
第二章 『繋ぎ合わせるべき欠片』
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第二十七話 『今日の運勢1位だって!やったね!』

仁志と幸の2人は今だ戦士には遭遇していなかった。


「これ!このまま出口抜ければクリアだよね!?」


仁志が走りながら言う。


「うん!そのはず!」


幸が答える。


周囲には未だ、五十嵐 遠矢の姿は見えない。

2人は出口に向かい走り続ける。

すると、視界には出口が見えた。


「あった!」

「出口だ!」


2人は出口目掛けて全速力で走り出す。


しかし、突然2人の体が浮いた。


「「ゑ?」」


「そう簡単には行かせねぇよ?俺にも戦士としての自覚はある。そう簡単に突破させるもんかよ」


「えっ!?何でここに⋯!?」


仁志が驚く。


「はは、気付かないんだな。出口を超える直前で全てをチャラにしてやれば中々面白そうな展開になると思ったんだがな⋯。外れたみたいだ。」


「だからここまで走らせて!?悪魔じゃん⋯」


「そうだそうだ!」


幸も共に文句を言う。


「生憎だが、俺もアンタらも妖精だ。悪魔でも何でもない」


遠矢は笑顔で言う。


「⋯おっし!歯ぁ食いしばれ?」


「「え?」」


2人は風に飛ばされる様に今走ってきた道を戻された。


「最悪だ────!」


仁志は大声でそう言う。


周囲には遠矢の笑い声が響き渡っていた。



「これ⋯まずいよ!さっさと着地しないとずっと吹き飛ばされる⋯!」


「分かってんだけど⋯止まらない!!」


仁志は慌てながら答える。


大分な速度で2人は飛んでいた。


「とりあえず⋯!僕の異能でどうにか⋯!」


「止まるわけないでしょ!普通になるだけの力に何が⋯」


「喋ってるたぁ、余裕だなぁ」


「「!!」」


速攻で遠矢が追い付いていた。


まずいまずいまずい⋯!

今何かされたら確実にまずい⋯!


ここは空中。思いっきり地面に叩き落とされれば流石に無事では済まない。


仁志は頭の中で考えを張り巡らせていた。


このまま着地して⋯駄目だ!間に合わない!そもそも上手く着地できる気がしない!

だったら受け止めて⋯いや、無理だ。受けきれる自信が無い。それこそ、状況が悪化する。

なら、上手くかわして⋯いや、避ける前にやられる。


「駄目だ!普通の考えしか浮かばない!!」


「アンタ、思考まで普通になるの!?」


「おらよ!」


2人揃って思い切り地面に向かって吹き飛ばされる。

落下の勢いが更に増す。

コンクリートに思い切り何かがぶつかる音がした。


「痛たた⋯」


「痛てて⋯」


「あれ?」


幸が驚く。


「私、あんまり怪我してない!思いっきりぶつかってたのに!ラッキー!」


「僕のこと踏んだからだろ⋯。普通に怪我したんだけど」


「アンタの異能は『普通』だもんね?そりゃ怪我するわー。それに比べて私の『幸運』は自分に良い事が起きるの!アンタの上位互換よ」


「うるさいやい⋯。別に僕だってこんなことしたくてしてる訳じゃない⋯」


「嘘ーっ!?喋り方まで普通なんですけどー!ウケるーw」


「ははは、何イチャイチャしてんだ?試験はまだ終わってねぇぞ!」


遠矢は強風を起こす。


「ちょわっ!」

「ぅえっ!?」


2人は再び吹き飛ばされる。

⋯と思いきや今度は風の感触を感じる。というか、風に触れられる。


「風が実体化してる⋯?」


「え?」


仁志は風が実体化してる事に気が付いた。

それに続き、幸も風に触れられる事に気付く。


「⋯!ほんとだ、触れられる」


すると突然風が消えた。


「やけに気付くのが早いじゃないか。まだ5分も経ってないんだけどなぁ?」


遠矢が攻撃をやめ、近付いてくる。


「俺の異能は『波風』。波のように風を起こす。そしてそれは実体にしても同じ事だ」


遠矢が2人に顔を近づける。


「やっぱ使えるもんは使うべきだ。異能は扱いによってはどんなものでも強くなる。異能が弱いから⋯って言うのは見苦しい言い訳だ」


遠矢は2人に上から目線(物理)で言う。


「聞いた感じ、お前らの異能は幸運を起こすものと全てが普通になるものって感じか?」


2人は無言で遠矢を見つめる。


「無言は肯定の合図だぜ?」


2人はそれでも黙って遠矢を見続ける。


「そうか、そこまで俺と喋りたくねぇんだな?」


「あの⋯」


幸が口を開く。


「あ?何だ?降参か?」


「頭にその⋯ついてますよ⋯?⋯ウンが」


「は?」


そう言われ、遠矢は自分の頭を見る。

するとそこにはついていたのだ。鳥の⋯が。


「ま、まぁ!ウンがついたってことは!?運がついてるってことで!いい事ありますよきっと!」


仁志がフォローする。


「ほ、ほら!今日の運勢1位だったーとか!」


「俺は今日、最下位だったんだよ!運勢がぁ!」


「あ、終わった」


仁志が呟く。


遠矢がブチ切れた。遠矢は頭についた⋯を異能を使い取り払った。


「テメェらぶちのめしてやらぁ!!」


「とばっちり!!!」


仁志が大声で言う。


「うるせぇよ!たしかに八つ当たりだけどよ、授業という名義でボコボコに出来んのさ!ははは!」


「ダメだこの妖精ひと!話通じない!」


2人はその場を逃げ出し、遠矢はものすごい速度で追う。攻撃を走りながら放ってくるので2人はことごとく食らう。


「ねぇ!これ、どうすればいいんだったっけ!?わっ!?」


思い切り攻撃が放たれる。


「確か!ついてるタスキを・・・!」


仁志は振り返る。


あれ?ない・・・?


仁志は遠矢についているであろうタスキを探す。

しかし、見つからない。


「あれじゃない・・・!?」


幸が空に指を指した。

仁志はその方向を見る。


なんとそこには遠矢の起こした風に巻き込まれ浮いているタスキが2本あった。


「・・・いや!せっこ!!!」


普通に取ろうと思えば届かない高さにある。

取らせる気は完全にゼロに近い。


「相手を間違えてる!絶対に!」


仁志は叫ぶ。


「おらぁ!!!」


「「どわぁぁぁ!!!」」


遠矢は攻撃の手を一切緩めなかった。

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