第二十一話 『授業にしては重い』
アイツだ。
俺は真っ先にそいつの元へ向かった。
「才木 天哉って言ったか…?俺と組もう」
そう、天哉だ。
天哉は言う。
「俺?なんでだよ」
天哉は続ける。
「それに、俺の異能は戦い向きじゃねえぞ」
俺は聞く。
「戦い向きじゃない異能でどうやって入学試験を突破した?」
「それは…」
天哉は言う。
「てか、俺がお前と組むメリットは?」
「退学は回避できるかな」
「…」
天哉は手を俺に差しのべる。
「時間がねぇから組んでやる。他意は無い」
「おお…」
するとその場に雷堂がやって来る。
「磨童〜。組もうぜー」
「悪いな。俺はもう組んだ」
雷堂は実力はあるがアホだ。ただの脳筋にはこの試験は突破出来ないだろう。
「ちぇー、まじかよ」
雷堂は辺りを見回す。
「お!」
何かを見つけたようだ。
「光玄〜。組もうぜー」
…まぁ、放っておこう。
美咲は言う。
「チームが決まりましたね」
ちなみに出来たチームはこんな感じ。
磨童・天哉チーム
雷堂・光玄チーム
美玖・玲奈チーム
歌穂・久美チーム
一・笑太チーム
力斗・和葉チーム
累・照吉チーム
明・春菜チーム
仁志・幸チーム
基本的に仲のいいヤツらの組み合わせだ。
「それでは各チームの戦力状況についてまとめますので少しお待ちを」
何か電話で話し合っているようだ。
相手は恐らく、現役戦士の奴らだろう。
5分程立ち、美咲は振り向き言う。
「厳正の結果、割り振りを決定致しました。1チームずつ発表していきます」
マイクを使って言う。
「只野・米本チームに対するは、五十嵐 遠矢!」
すると、その場に何者かが現れる。
「どうも〜」
「続いて…、堂本・不破チームに対するは、蝶野 恋! そして、佐丹下・影山チームに対するは、地場 亜蓮!」
更に出てくる。
あれ、もしかしてずっとこういう方式で行くの?
流石に長くない?
「では長くなるので、飛ばしていきますよ」
美咲は続ける。
「続いては、東堂・羽宮、轟・阿部、上野・良本チームそれぞれに対するは、薬木 千寿!、綿谷 昴!、鹿柴 蘭々 !」
一気に来たな。
「そして、花園・竹木、金光・八鬼チームそれぞれに対するは、芝森 善、成瀬 瞬!」
ついに最後か。
「黒田・才木チームに対するは、神藤 史郎!」
は?
今なんて…?
なんで俺らだけ十剣と…?
史郎が出てきて言う。
「まぁ、そう案ずるな。手加減はしてやる」
案ずるとかじゃなくてさ、何で十剣なのかを聞いてるんだけど。
まぁ、言っても通じないだろう。
退学させる気しかないのだろうか。
美咲は言う。
「それでは、会場へ移動します」
◇
「皆さんにはこちらのフィールドで試合を行って頂きます」
辺りを見回すと建物が立ち並んでおり、街の風景にそっくりだった。
しかもかなり広い。それこそ、本物の街と見分けのつかないくらい。
どうやらここは青嶺高校、及び他異警軍養成学校が所有している領土だそうだ。
更には、この領土は妖警団や妖衛隊の養成学校も使用可能の為、こういう訓練で使用する専用の場所なのだろう。
てか、場所が遠い。
移動に時間がかかった。
この学校説明長いくせに効率悪くないか…?
美咲が言う。
「それではルール説明です」
ルール説明が始まる。
「まず初めに戦士の皆さんの両腕にタスキをつけます。生徒の皆さんはこのタスキを2本とも取れたら合格です」
なるほど。しかしそれでは俺たちは圧倒的に不利では…?
「更にもう1つ、このエリアには1箇所だけエリアの外に出る事が出来るエリアがあります。そこを通って外に出る事でも合格といたします」
1箇所…か。
1人外に出れば簡単に全員がクリアしそうだな。
「そして、戦士の皆さんにはこちらの捕縛布を渡します。こちらでチームのメンバー全員を捕らえれば捕らえられたチームは不合格となります」
ほう…?
つまり、捕まえるから逃げろって?
タスキをとる試練がある以上逃げ切るって事では無いな。
状況に応じて対応しろということか。
「それから、生徒の皆さんは捕らえられた自分のチームメンバーの捕縛布を解く事が可能です」
片方が捕まっても問題ない、と。
「ただし、片方が捕まっている状態でタスキを取り切れば取りきった時点で捕まっている生徒は不合格となります。また、同様に時間内に外に出た生徒のみを合格といたします」
…なるほど?
完全に実力で選ぶ、と。
「そして、これらの試練を時間内に達成出来なかったチームは問答無用で不合格になります」
制限時間…?
ハハ、時間は有限ってか。
内容はまともだが言ってる事が滅茶苦茶だ。
「それでは準備はよろしいですか?」
ちょっと待てや。心の準備がよろしくない。
この学校ってこういうところあるよな…
「それでは授業を開始します!」
いや、授業て。
号令が掛けられ、全員が動き出した。
「切り替え早すぎだろ…」
「どした?早く行くぞ。遅れてんなよ」
そう言うと、天哉も動き出す。
仕方ない、俺も始めますか。
俺は走り出す。
振り返ると、戦士の方々がそれぞれの担当場所へ向かっていた。
てか、史郎さんは?
俺は嫌な予感がした。
視界に映っていない。
上を見上げた。
なんかいる。
史郎さんが上にいる。
移動するの速くね?
結構ハンデあったよね?
ドン!
目の前に史郎さんが現れる。
「さぁ、見せてみよ。少年共」
「いきなりかよ…」
俺は小声でそう呟くのだった。
今回の話も説明ばかりになってしまったことをここで謝罪致します。次回はしっかりバトルシーン書きます。




