第十七話 『入学 そして...』
4月8日。
今日は入学式だ。
高校の入学式は何年ぶりだろうか。
入場口が見えて来た。
俺は足を踏み入れた。
そう、踏み入れた。
俺は、ようやく全てが始まった気がした。
◇
「───であるからして、君たちには...」
そこでは、校長が話していた。
話は長い。
でも、俺が驚いたのはそこじゃない。
それは、校長が現十剣の人物だった事だ。
おそらく、教師陣も異警軍の戦士達で成り立っているのだろう。
そりゃそうだ。
人に物事を教えるなら、経験してる方が教えやすい。
勿論、聴いてるこっちも分かりやすい。
ただ、十剣が校長ということは、相当厳重な場所だということになる。
おそらく最高戦力が揃ってる。
もしかしたら...
俺は希望を胸に抱いていた。
◇
俺は自分の教室を探していた。
この学校は最難関であり、募集人数も少ないため、各科毎にクラスがひとつしか存在しない。
だが広い。
学校がめっちゃ広い。
教室の場所が全然分からない。
1―Aだというのは分かってるんだ。
すると、目の前にすごいガタイのいい妖精が出てきた。
すると、目が合う。
近づいてくる。
え、何?怖い。
すると、その妖精が口を開く。
「...こっち」
そして、案内される。
「...ここ」
そこを見ると1―Aと書かれた教室が。
「ぁ...どうも」
その妖精はペコッと頭を下げると、歩いて去っていった。
感謝しなくちゃ。
てか、名前聞き忘れた。
...今度会ったら聞くか。
そして、俺は教室に入る。
すると...
「あ!?ンだよてめぇ!!」
「は?お前こそなんだよ!」
何か言い争ってんだけど...
しかも、よく見ると片方雷堂なんですけど...
もう片方は...
「...あ?」
荒い。
色々と。
見た目自体は格別怖い訳じゃないのに。
荒い。
俺は少し考える。
よし!何も見なかった事にしよう!
俺は黙って自分の席まで向かった。
すると、
「おい待てやてめぇ!」
あーあ、絡まれた。
最悪だ。
「何黙って通り過ぎようとしてんだボケ!」
近寄ってきた。
身長は俺とさほど変わらないはずなのに歩幅が広く感じる。
というか、歩くの早い。
あれ、デジャヴ?
教室に入る前にも誰かに迫られたな...
「あ?んだてめぇ。舐めてんのか?」
舐めてねえよ。
なんでそういう解釈できるんだよ。
「おお!磨童じゃねえか!久しぶりだな!」
黙れ雷堂。
コイツキレさせたのお前か?
だとしたら巻き込むなよ。
「あ?てめぇコイツの知り合いか?2人揃って俺を馬鹿にしてんのか?」
「いやいや、俺は別に馬鹿にしてねえよ!」
「そうだ!俺はお前にちょっと注意しただけだろ?怒られて逆ギレとかガキかよ」
余計な事言うなよ!!!
...待て、注意?
何があったんだ?
横を見ると、入試であった女子がいた。
だから小声で聞いてみた。
「なぁ、これ何があったんだ?」
「えっとねー...」
◇
磨童が教室に入る少し前...
「おー!すげー!色んな奴がいる!流石青嶺!」
雷堂が騒いでいた。
雷堂は席に座ってからも落ち着きがなかった。
「なあなあ、担任どんな人だろうな?楽しみだな!」
隣の席の女子に滅茶苦茶話し掛けていた。
「まだ色んなやつがいんのかな?楽しみだな!」
「てか、名前なんて言うんだ?」
「え!異能は異能は?」
ずっと。
そして、さっきのキレた男がやって来た。
「おいてめぇ、さっきからうるせえよ」
「...誰だアンタ」
雷堂に再びスイッチがつく。
「なぁ、アンタの異能は何だ?てか名前は?教えてくれよ!なあなあなあ!」
「うるせぇっつってんだよ!黙れ!」
そして、雷堂はようやく静かになる。
「チッ...なんでてめぇみてえな奴がここにいんだよ」
「何だよその言い方」
「いいか?俺はお前達と違うんだ。てめぇみてえのがいると迷惑なんだよ」
「...その言い方良くないぞ」
「は?」
「なんていうかこう...モテないぞ!」
「は?」
◇
...で、現在に至ると。
あれ?これ悪いの雷堂じゃね?
「聞いてくれよ磨童ー。コイツさ...」
「雷堂」
「ん?」
「頭下げる覚悟はいいか?」
「へ?」
その後、雷堂は全力で謝罪した。
いや、させられた。
...俺に。
そしてそいつは口を開く。
「なぁ、アンタ名前は?」
俺に聞いてきた。
「人に名前を聞くなら、自分から名乗るのが礼儀じゃないのか?」
「...俺は八鬼 光玄。...で、アンタは?」
「俺は黒田 磨童。よろしくな」
「...ああ。よろしく」
光玄は言う。
「精々、俺の役に立ってくれる事を期待してる」
そして、光玄は自分の席に着く。
俺も自分の席に向かう。
そして、クラスでは気まずい空気が流れていた。




