第十四話 『入学試験』
入学試験当日──────────
試験内容は筆記と実技の2種類。
そして、今日は試験の第3フェーズで、今日落ちたら来年までチャンスは無い。
ちなみにフェーズというのは、試験を行う回数で、第3フェーズまである。
基本的に第3フェーズは第1フェーズ、第2フェーズの両方に落ちた人が参加する。
試験難易度に変化は無い。
ちなみに俺は第1フェーズ、第2フェーズの両方とも受けていない。
これは珍しくないようで、第1フェーズを受けていなくても、第2フェーズが。
第1フェーズ、第2フェーズを受けていなくても第3フェーズが受けられる。
俺は後者だ。
ただし、その場合入学確率が下がる。
だから、満点の完全合格を取って、問答無用で合格してやる。
筆記に問題は無い。
問題は実技だ。
試験内容が分からない事がまず問題となる。
そんな事を考えていると、試験会場に着く。
辺りを見回すと、猛っている奴が多い。
皆、後が無いのだろう。
俺は進もうとすると、後ろから声を掛けられる。
振り向くとそこには可憐な女子がいた。
おしとやかというか、天使に近い。
何より、雰囲気が不思議だ。
包み込まれそうな雰囲気。
これは彼女の異能か何かなのだろうか。
すると目の前の女子が口を開く。
「あの、これ落としました……よ」
その女子の手にはハンカチがあった。
母さんの作ったハンカチが。
「あ、ありがとうございます」
見上げると、女子が目を見開いてこちらを見ている。
「?どうかしました?」
「!あ、いえ…」
俺が行こうとすると、再び女子が俺に話しかける。
「…あの!」
「…はい?」
「…お互い、試験頑張りましょうね」
「……はい」
俺は試験会場へ歩いていった。
◇
「制限時間は各教科50分!それでは、初め!」
そして、筆記試験が始まる。
試験で行う教科は、国語、数学、理科、社会だ。
ちなみにこの世界では言語が全て同じで統一されており、学ぶ必要が無い。
正直、数式や化学等は人間界と変わらないから、苦戦はしない。
問題は社会だ。
元の世界との歴史や地理に差がありすぎる。
自分で勉強する時も苦戦した。
妖精の歴史だとか、政府の話だとか。
しかも1番驚いたのは、なんと歴史の教科書に無黒慈が載っていたことだ。
しかもこれが1000年以上前の話らしくて、顔がイラストで描かれている。
で、なぜ無黒慈が教科書に載っているのか、それは、無黒慈が1000年以上前にとある巨大犯罪組織を壊滅させたからであった。
ちなみに細かい詳細はよく分かっていないようで、載っていない。
結構気になるが…
俺はそんな事を考えながら問題を解いていた。
「終了」
そして筆記試験は終了する。
そのまま実技試験へ移行する。
◇
試験者達は皆外へ出る。
ここはグラウンド?…にしては広いな。
「ここは我が校の所有する訓練場だ」
訓練場!?
広くない!?
普通に町スケールの広さしてるぞ?
「お前らに今からやってもらう内容について説明する!」
2人の試験官による説明が始まる。
「まず、ここに魔力兵という、魔力で動く機械がある」
「お前らにはこれを戦闘不能の状態にしてもらう!」
「この機械は大きさや性能ごとにポイント分けされており、沢山ポイントを集めた人を合格とする」
「魔力兵の止め方は何でもいい!攻撃が苦手なヤツはこの機械のスイッチを切れば動きは止まるう!逆に壊してくれても構わない!」
「ただし、他の試験者への攻撃はNGだ」
「でも、他の試験者が狙っていたり、戦っていたりする魔力兵を奪うのは有り!」
「機械のポイントは、1P、2P、5P、10Pの4つだ」
「ほんじゃあ、10秒後に始めるぞ〜?」
「「10!」」
カウントダウンが始まる。
「「9!8!」」
すると、魔力兵が次々と出てきた。
「「7!6!5!」」
しかし、壊しても大丈夫なのだろうか?
…………
まぁ、大丈夫か。
「「4!3!2!1!」」
そして試験が始まる。
「「0!試験スタートだーーーー!」」
試験者は一斉に走り出す。
俺もそれに流れて一緒に走り出した。




