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妖精として生きるつもりです。  作者: 納豆しらす
第一章 『始まり』
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オマケ話 『特訓』

俺は6歳になった頃、父さんの仕事内容がとても気になった。


俺には異能が宿らなかったから、異警軍に入る事はもう無い事だと思った。


だからこそ、気になった。


「父さん!」


俺は聞いてみる。


「父さんの仕事内容ぅ?」


父さんは不思議そうに俺を見る。


「…ちなみになんで?」


「気になったから…」


それだけ答えた。


だってそれ以外答えることないし…


「ふぅーん」


父さんはニコニコしながら俺を見る。


毎回思うけどその目は何?


それって恋バナとかで話すのを嫌がって恥ずかしがってる人とかに向ける目じゃないの?


「よし!わかった!好きなだけ教えてやる!」


父さんは俺に甘かった。


というか、全員に。


「父さんは犯罪者を捕まえる仕事なんでしょ?」


「まぁ、犯罪者と言っても、異犯者が基本だけどな」


「どうやって?」


俺はそこが気になっていた。


異犯者を捕まえると言っても、この世界には人間界のような武器を見た事が無かった。


やはり、異能をぶつけるのだろうか。


でも、攻撃系では無い、異能の場合、どうなるのだろう。


何も出来ないのでは無いだろうか…?


それとも、攻撃系の異能持ちしかなれない職業なのだろうか…?


すると父さんが口を開く。


「異能を使うんだよ」


やはりそうか、ではその辺の細かい事情は何なのだろう…?


俺が聞こうとすると、父さんは話し出す。


「ここで問題!異能で戦う事が出来ない人はどうすればいいでしょうか?」


「そもそも戦わない…とか?」


「半分正解!」


父さんは続ける。


「確かに、戦う以外にも役目はある。指示役だとか、サポートだとか、手当てとか」


「そうなの?」


「ああ。異警軍は、妖警団よりも危険と隣り合わせな仕事だからな。…妖警団は、異警軍の捕まえた凶悪犯を管理したり、押さえつけたりする仕事だ」


「へー!」


俺は明るめに言う。


「だからまぁ、様々な状況に対応できるように役職が沢山あるんだが、最近は攻撃系ではない異能のやつも戦いに行く事が増えた」


父さんは再び俺を見る。


「まぁ、その理由がこれだ」


すると、父さんの手から刀が出てきた。


「ぅえ!?」


俺は驚いた。


「ハッハッハ、驚いたか?」


父さんは刀を持った右手を少し前に出す。


「これは「武器生成ぶきせいせい」と言ってな?身体の中にある魔力を消費して、武器を生み出すんだ」


ナニィィィイイイイイ!!??


「これがあるおかげで様々な異能が輝けるんだ。自分に合った武器や、好きな武器、異能が最も扱える武器など、様々な武器を作り出せる」


なるほど、しかし、これを国民全員が出来るなら、それで事件が起きる気がするのだが…?


「これは、異警軍に入った時にしか覚える事が出来ないから、武器を作れる事を知っていても、やり方を知らない人は割といるし、国民全員がこれを出来る訳じゃないから、珍しいかな?」


なら、大きな問題は無い…か。


でも、魔力の無い俺には無縁だと思ってた。


「父さん!それどうやってやるの?」


出来なくてもいい。


只、知りたい。


「やり方か?えっとな…」


そして、時は過ぎる。



異能も魔力も発現した。


これは好機チャンスだ。


母さん達を守れる。


母さん達を危険な目に遭わせなくて済む。


俺は父さんの言った事を思い出す。


「武器生成…」


これを出来るようになれば…


俺は攻撃系の異能では無い。


だからこそ、これを早く出来る様になりたかった。


そして、そこから特訓を始めた。


全身に魔力が流れるイメージ…


手からそれを放出するイメージ…


武器の形を創造する…


だが、全然出来なかった。


「…ッ…ハァ!」


俺の息は乱れていた。


こんな状態ではいつまで経っても、出来るはずがない。


もっと落ち着け…


焦りは禁物だ。


すると、母さんの呼ぶ声がする。


多分、夕食の時間だ。


俺は食卓へと向かった。



朝は母さんの手伝いをして、昼はみーちゃんと遊び、夜は特訓をする。


そんな生活。


全然、辛くなかった。


夏休みが終わって、学校が始まり、みーちゃんと遊ぶ時間は減ってしまったが、それ以外は特に変わりない。


だが、いつまで経っても、俺には出来なかった。


しかし、最近魔力の流れを捉える事が出来るようになった。


少しずつではあるが、進歩している。


あと少し、あと少し…


そうしていくうちに時間は過ぎていった。


そして、俺は公園で遊んでいた子に捨てられた。


正確には騙された。


でも、そんな事はもうどうでもいい。


だって覚えていないから。


数分前の事なのに、ほとんど何も覚えていないのは何故だろう…?


残ったのは、あの公園で悲しい事があった事だけだ。


でも、もうどうでも良かった。


それから、全てが霞んで見えるようになった。


まるで、眼に光が無いかの様に。


俺は部屋に戻り、今日の特訓を始める。


明日からは特訓の時間が長くなりそうだ。


でも、何で…?


何処かに出掛けていた気がする。


思い出せない。


そんな事を考えていると、右手の先に全身の魔力が流れた様な気がした。



ある日、母さんに告げられる。


零斗と円香を連れて家を出て行けと。


逃げろと。


そして、母さんは死んだ。


俺は2人と、暮らしながら、特訓を続ける。


でも、何故か出来なかった。


魔力が手に流れるまでは出来る。


でも、そこからがダメだ。


そして、父さんの言葉を思い出す。


(大事なのはイメージだ!)


父さんに武器生成のやり方を聞いた時に言っていた。


俺はそこで気付く。


肝心な自分の武器のイメージをしていなかった。


でも、自分の武器はどんなものがいいか思い付かなかった。


再び、父さんを思い出す。


「!…これだ!」


それを思い浮かべながら、右手に魔力を流す。


すると…


「…出来た」


俺の右手には武器が生まれていた。


そして、しっかり思い浮かべた、「刀」を持っていた。


しかし、一気にドッと疲れる。


どうやら、全ての魔力を使ってしまったようだ。


「調整が必要だな…」


俺の特訓は続行が決定した。


そして、2人がいなくなるのはそれから数日後の話だった…



今では、魔力をあまり使う事無く、武器生成が出来るようになった。


これで…


俺の復讐劇の第1歩が進んだ。

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