第1話 異邦人
今日は大学の講義もない言わば休日だったんだ。
人の言う事を聞かない教授も、良くしてくれる助教授にも出会わずに俺は家でごろごろしていた。
撤回。ごろごろしながらゲームしてた。
「・・・このゲームにも飽きたなぁ。」
大学生というからには勉強していると思った方。甘い。イチゴケーキよりも甘いのです。
だいたい大学と言うのはセンター試験を受ける普通科の学生には入学は難しいのかもしれないが俺のような工業専門高校に通っていた奴にとっては推薦で入るのに何の苦もないのだ。
いや、ちゃんと面接の他にペーパーテストもあるよ。あるけど基本専門高校に行ってるんだから好きな科目しか出てこないし。そんなに難しくないし。
数A数B?なにそれ、美味しいの?
数Ⅲに至っては大学入るまで存在さえ知らなかったしな・・・。
まぁ、そんな俺の事情なんて放置して。
今、ちょっと俺は暇を持て余していたんだ。
「なんかこーさ、心ときめく冒険がしたいんだよ。」
現実世界で望めない刺激を求めてゲームをしているのにこのやるせない感はなんだろう。このゲームを二千回クリアしたせいだろうか。流石にやり過ぎてつまらない。
「なんかないかなー。こころときめくものって、さー。」
なんでも良かったんだ。心ときめく事なら。
別に好きな作家さんが新しく本を出した、なんて事でも良かったし。好きな漫画がアニメになる事でも良かった。
新作のゲームがでる、そんな事でも良かったんだ。
ただ、この世界の神様って奴はどうしようもなく天の邪鬼だったらしい。
外は夏らしい陽気な空だった。
公園には沢山の人がいるだろうし海やプールには何千、何万の人がいるだろう。
その中でわざわざ室内にいる俺に向かって落ちて来た雷に、神に、俺がちょっとばかしの殺意を抱いたのは、その日が終わる頃の事だった。
「ん・・・。」
暗闇が目の前に合った。
いや、これはまぶたか。俺は目をつむっているらしい。
意識して、俺は目を開けた。
「・・・ここは・・・?」
目を開けてすぐに俺の目に入ったのは、やけに銀色が奇麗で良く切れそうな刃だった。
「・・・・え?」
・・・・え、ちょ、意味不ww何事www
目の前に剣とか何処の異世界ファンタジーだよwwwwwwww
完全に頭が混乱している俺。しょうがないだろ、普通一般人はこういう反応をするはずだ。うん。
混乱している俺に向かって、頭上から声が降って来た。
「質問に答えなさい。」
「はい。」
即答。拒否権が俺にあるわけがない。ないったらない。
何故か石畳にうつぶせの状態だったんでちょっとキツかったがなんとか声のする方へ顔を向けた。
・・・なにこの美人さん。
なにやら建物の入り口のような場所のその前にあっけにとられた顔をした美人さんが。そして隣にもう一人、なんかやけに楽しそうな顔をした奴が立っていた。
「・・・質問その1、あなたは何者だ。」
「スーパー一般人です。」
・・・変な顔をされた。こういうのをけげんそうって言うんだろうか。
わけわからん状況なりに一生懸命考えて答えたのにその表情は何故だ。
隣の兄ちゃんに至っては今にも吹き出しそうにしている。なんでだ。
「・・・質問その2、どこから現れた。」
・・・どこから現れた?
ちょっとまて、まず俺今何処にいるんだ?
ふと、俺は今見える景色を客観的にみた。建物の入り口から見える外の風景はのどかな田舎を連想させる山道で、その前に剣の美人さん、隣に兄ちゃん。
・・・みた事も無いこの景色。
「あの、質問に答える前にここが何処だか教えてもらえませんでしょうか。」
言い方がへりくだってるって?当たり前だ、怖いもん。
「その質問に私が答えてやろうではないか。」
ふいに、さっきから喋らなかった隣の兄ちゃんが発言した。なんか偉そうな物言いだった。なんかむかつくが答えてくれるのは嬉しいので黙ってみる。
「ここは公国アセレスティアのハウゼとイーシェという町の中間にある山道に突然出来た遺跡のなかだ。」
「・・・・ほえ?」
なんかへんな声がでた。
なんか早口言葉みた・・・違う違う、論点はそこじゃない。
あせれすてあ?はうぜ?いっせ?どこだそれ。頭おかしいのか?
いや、まず俺は家にいたんだ。で、なんか雷みたいのに当たったんだ。室内だったのに。
嫌な予感がバリバリにするが、なんか聞かないと話が進みそうにないので聞いてみる。
「・・・地球って星、知ってます?」
「ちきゅう?知らん。」
うん。ばっさり。
この日以来、俺は神を信じ恨みの念を送る不届きものとしてこの世界【レイベルト】を生きる事になったのだ。
最初の大学うんぬんは気にしないでください。真面目に。
普通科を悪く言ったのではなく。むしろ普通科でやって行ける人とか凄すぎる。と思ってます。だって数学理解出来るんだぜ?普通科の人、凄すぎる!(某蛇の人のカロリー◯イト的に)