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Lei-VERT!  作者: 弐式
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外伝 【夢見ることり】—女—

*この話は外伝です。本編をお求めの方はすっ飛ばしても可。

晴れやかな空、活気溢れる街。

美しい闘技場には大きな垂れ幕がさがっている。



【*の***入団試験会場】



3年に1度の入団試験が行われているのである。




















少々狭い闘技場の廊下、その場を陣取る一人の男がいた。

たくましい体つきはまさしく**に相応しい力を想像させる。わずか5名のみ採用されるこの入団試験において有力候補の一人であった。

廊下を陣取る男の前にとある人物が立つ。

喧嘩を売っているわけではない、試験会場に向かう為にはその男の陣取る廊下を通らなければならないだけだ。

この道以外にも試験会場に続く道はあった、しかし、その人物はあえてその場を通らんと廊下を陣取る男の前に立った。



「ん?なんだ、ひょろいの。この先は試験会場だ、お前みたいなヒョロ助が来るところじゃねぇよ、受付行って帰りな。」



廊下を陣取る男の言葉である。

男は特に相手を愚弄するつもりで言ったのではない、少々おせっかいな親切心だ。

まぁ、ここで帰ってくれれば自身が合格する可能性が上がる、とは思っていたようだが。

たくましい体つきを持つ男が人睨みすればその人物はその眼光に負けて去るだろうと、男は思っていた。



「強いと思ってる奴に心配されても嬉しくない。それに女を通さない受付なんて知るか。」



去るだろうと思われたその人物は以外にも声を返して来た。

しかし、どういう事だろうか。男は考えた。


女を通さない受付?そりゃそうだろ、男であれば農民でもうける事が出来る試験なのだから。…受かるかどうかは、決まっているようなものだが。


男の目の前の人物から鋭い眼光が放たれた。男はその眼光に射抜かれる。先程までのヒョロ助の眼光ではなく何かを覚悟した(おとこ)の目だった。



「…!?おい、ちょっとお前、まさか…!」



男が何かに気付いた。本来はもっと早く気付くはずだった何かに。しかし目の前の人物のあまりの自然さに隠れて気付かなかった【違和感】に。

男が言葉を続ける前に、目の前の人物は男の前を通り過ぎる。

呆然と男はその様子を見つめる。

——先程の、声。少年と言うには高過ぎるあの声は、理由は、おそらく———




「女を通さない受付、か…。とんでもない考えの奴もいたもんだ。」




やれやれ、と言った呆れた表情を男が見せる。力は男のほうが勿論強い、しかし度胸は勝っているのか?と言われれば…どうだろうか。目の前を歩む人物はライオンの巣に飛び込むうさぎのようだと言うのに。

しかし受験票も無しにいったい先を行ったあの人物はどうやって試験を受けるつもりなのだろう。受付で受け取るこの受験票が無ければ試験は受ける事が出来ないのだ。そう、この受験票が…


受験票を取り出そうと男は懐に手を伸ばした。しばらく探った後、その手はズボンのポケットへと移動した。同様に探った後、少々焦ったようにポケットをあさりだした。



あらかたポケットを探り通した後、力なく男の腕は垂れた。


そして滝汗と、不味い、という顔を一つ。









「実力さえ基準値以上だったら受かるかもってか?…あの女やりやがったッ!!」










先に歩む人物の手の顔にしてやったりの笑みが一つ。

彼女の手の中には、一つの受験票が転がされていた——





















「って、事があったな。」

「私の記憶には無いのですが。」

「おい。」



——アクレスティア城内のとある一室で会話が行われている。

会話内容はかつての彼等の出会いについてだったようだ。体つきの良い男はもう一人の人物よりも少し豪華な鎧を身にまとい剣を腰にさげている。



「昔話はともかくとして、状況はどうなのですか?上司殿。」

「宜しくない。正体不明の集団の侵入を城下まで許してしまったらしい。急ぐぞ。」

「了解です。」




男が部屋の扉へ向かう、それに続くもう一人の人物。




手癖の悪い少女は5年の時を経て、一人の騎士という思いを胸に戦場に立っている。

メリカナさんの騎士団試験受験日のお話。伏せ字の意味が全くないお話になりました。サブタイのやる気のなさが伏せ字の無意味を表してますね。

廊下に陣取ってたのはたまにでるメリカナの上司です。仕事の押し付け合いが日課らしいともっぱらのウワサです。

本来同僚か後輩の位置である彼が上司になってる所がメリカナの出世街道の急勾配具合を表してますね。上司と行っても係長くらいですが。

メリカナは「貴族の男が騎士になる」という騎士団の常識をぶち壊す為に試験に出ました。という内容を最初書こうと思ったんだけど長くなりそうだったので止めた。まぁその辺はちょろっと人物説明に書いてありますしね。

ちなみにこの上司さん、今後も「上司」としか名前は出ませんしおそらく最大の見せ場はこの話だと思う。最初出したときはこんなに主役級の話を書くとは思わなかったしな・・・。

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