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意欲


 どうしようかと迷ったが、俺の本人で対面することにした。行き来は個人的にこっそりするつもりだが、数年は此処にいて魔法の基礎から学ばないといけなくなってしまった。適当な人物をでっち上げてもいいが、作り上げた人物が迷走しそうで何とも……。


 変わり者の学生に会ってみることにした。依頼を出して回答が来た考え方が今にそぐわない学生たちだ。結果として話が通じて、意欲がありそうな相手と出会うことはできた。4人だったが、これが多いのか少ないのかは不明だ。俺と相性が良くない相手も入れればもっと人数は増えたかもしれないが、リスクも増える。


 契約するつもりだから、特に問題などないと思うが何が起こるかなど先は読めないため、警戒くらいはしようと思う。あとは数か月でも対応をみて、教えることが上手であるかも重要なポイントになる。いくら天才で発想が凄くとも、理解度を下げてた場合の処理方法について説明し、相手が理解できなければ意味がない。


 ここで相手に対して負の感情や本人の気力を折る発言をしないかも今後のモチベーションにつながるため、推奨はしない。暴力はもっての外である。そのように育ってしまった場合はそのようにしか対応出来ないだろうが、依頼して知識は得たいが理解力を力技で得たい訳ではないのだ。DVは断固拒否する。


 古い時代の教育事情が結構垣間見えて何とも言えない気持ちになった。そんな家に、雇った教師の資質に文句を言って欲しい。そこが原因とは弾かれた者たちに理解は出来ないだろうが。


 二人くらい一応天才なのかもしれない突飛な発想の学生も雇うことにした。ただしこいつ等には俺への講師的環境にはない。ただ依頼して発想や理論の組み立てを行ってもらうに過ぎない。ただ魔法さえ起動すればいいのだ。


 こちらに合わせられるが、この二人ほどの突飛な考えが思い浮かばないは言いすぎか。生活破綻者ではないけれど、現代には合っていない者にその二人の成果を読んで、体験し理解しきれない部分を教授してもらう形に変更した。


 何人か雇ってはいるが、まずは天才のような突飛な発想の二人が色々考えて文書にしてまとめてくれることを願うだけ。その間にその他の学生には系統が偏らないように魔法がほぼわからない人へ嚙み砕いて伝える方法を探ってもらうことと、魔法書関連の分かりやすい言語化を頼むことにした。


 本は魔法ギルド以外にも沢山出回っているから、ただ持ちえない属性の魔法はよくわからない。俺の場合は特に感覚が多い。地球時代のファンタジー要素の魔法発現が多いから参考にはし辛い。通常の魔法がどのように行使されて発現に至っているのか考えたこともなかった。


 俺の所持属性と未所持属性の2種ずつを各学生にランダムにしてその系統の魔法書を簡易化してもらう仕事かな。その結果で誰が俺に合っていて、理解しやすいのか知るためにも。早く完成するに越したことはないのだが、未だ魔法の分野は未知数な状況で発展がなさすぎて停滞中なので、腰を据えて取り組まないといけないことくらいは俺にもわかる。


 長期的に顔を合わせるのなら付き合やすい者たちと仕事をした方が気持ちもいいし、顔を合わせるのも億劫になる相手から教えを乞うのも気が滅入る。君を再現するために本当に必要不可欠ならばどんな相手だって飲み込めるけど、今すぐじゃなくてもう少し俺が魔法を理解してからでも十分だと判断。


 あとは時間の問題か。天才二人には別々の依頼をしてそれを俺が理解できるようになればいいが、机上の空論では困るのでちゃんと起動すればいい。そのために実験をし、必要な素材を集めるのが俺の仕事。理解できない部分を講師的位置にいる学生に頼む流れになる。それをまとめられれば、君が再現できるとは思うが、安易に考えすぎだろうか?


 誰に何を割り振るのかみるためにも、彼らとの付き合いは必要になる。その辺りをまとめ探ってもらっている間に、俺は魔法の基礎と応用を多少でも学びつつ、ダンジョンへ探索にでればいい。気晴らしの生産が滞ってしまうがそこは仕方ない。今後生産にもいい影響がでることを願おう。


 必要な素材は溜め込んでいたものでほぼ対応が出来た。隠し階層様様である。ただ実験での使用は許可してあるが、他人に見られないように細心の注意を図ってもらうことにはなる。契約はしているので他者に伝えることなど出来ないのだけれど。


 彼らの対人関係を侮っていた。付き合う相手は最小限過ぎて誰も彼らに意識がないらしい。それでも俺が数人を雇っていることは知れるから面倒なことになるかと思ってはいたが、個人的な魔法の再現をお願いしていると解れば、代々伝わる魔法の記述について再現を悲願にする家は多いらしく特に変でもなんでもなかったようだ。代々伝わってはないのだが、何処でそう認識されたのかは不明だが否定するのも面倒なのでこのままいくことにした。



 基本的に魔法には魔力が必要だ。大規模なものには魔法陣や素材もいる。簡単に出来るなら君を再現するにはただ魔力さえあればいいが、俺だけ知る君を再現は流石に魔力だけでの維持は厳しい。君を再現するのに魔力を使うことに異論はないが、維持に使い続けていれば、魔力枯渇になるし、君は消えるだろう。


 目の前で君が消えるのはもう見たくない。そう思えばやはり持続的に俺の魔力以外で再現される君がいるのが理想になる。魔法陣と素材を組み合わせるのが無難だろう。通常は魔法陣に素材を合わせることは少ないが、隠し階層のダンジョンで日々見ている。


 高純度魔石に反応して隠し階層へ行けたり、あの転移部屋の魔法陣は多分通常の魔法陣とは違う。何が違うか明確に理解はしていないけど、君が何か伝えようとしているからには何かあるんだろう。早く理解できるようになって君を再現する近道になればいいと思う。


 その点について雇って契約した学生たちに言う気はないが、天才たちにはその方向で依頼を出した。小規模から実験し、確実性がでたら実用性に値する規模での対応へ移行する予定。その結果から俺自身が更なる発想や発展させて君を再現することになるんだけど。


 リアムには長期で探索に入ることを伝え、その間の食事をアイテムバックに収納してもらうように頼んだ。何個かアイテムバックを確保しておいてよかった。戻った時に同量程はいるアイテムバックを置いていけばいつでもリアムの料理が食べれる。


 自作料理をしている時間が今はない。ただ食べたい料理は思い浮かぶので、手間がかかっても手順さえ日々の合間にまとめればリアムが多分作ってくれるだろう。時々失敗してしまうが、それは別で戻ったタイミングで試食し食べれる味ならば、今後アイテムバックへいれてもらうことにしている。


 一度試食もせず、ダンジョンの休憩時間に食べたらひどい目にあったことがあったので。現物もなく手順のみのレシピでの再現はなかなか難しいものがあると実感は出来たが、上層でまだよかったと言わざるを得ない。


 魔法陣には核がない。陣が核なのだが。陣を描くために必要な魔力や魔石、特殊なインクが必要。その素材も色や対象によって変更するらしく非常に面倒。今回は無から有を生み出すため探り探りだから余計に。


 大きい魔石ほど魔力量も大きくいいインクになるらしい。そこは素材加工の店にもよって優劣があるらしいが、そういった店には顔が利くらしく楽しく依頼をこなしてくれているようで何よりだ。過去に生産過程で特殊なインクを作ったことがあったことを思い出した。生産するのに魔法陣は小さいものが必要だったりするのだ。ただ魔法の行使用とは目的が全く違うため、魔法陣の対応位置や指定が全く違うためあまり参考にはならなかったが。


 インク自体はほぼ同じっぽい。魔石と関連の素材を同色で合わせるのが一般的。例えば、風魔石と風系統の素材で緑色になるものを風属性の魔力のみで仕上げると風属性インクが出来上がる。属性はあっていても色が合わない素材もあったりして面白かった記憶がある。それにわざと同系統の素材で別の色を出して対合させる陣もあったりするのだ。


 素材加工の店には素材を持ち込むと特殊なインクがお安くなるとも聞いた。素材を仕入れるところからよりも安くなるのは当然か。やろうと思えば俺も作ることが出来るが、そこを節約するよりもダンジョン探索して素材を集めていた方が君を見ている時間も取れるし、俺の魔力を使う場所もダンジョンのがコスパもタイパもいいだろう。


 出来るものを全部自分で対応するより、出来る相手や店があるなら任せて俺は俺しかできないことをした方がいい。ただ君と居たいだけなんだけどさ。全てはそのために行動しているのだから、君の幻影が消える前に君を再現したいけど、淡くない君を見ていられる限りずっと見ていたいから。



 早く君に触れたい。

 声を頭の中じゃなくて耳から聞きたい。

 そして俺の声で君が笑顔になればいいのに。


 心配はかけたくないのに、心配している君をみると苦しい。

 君から見て俺は無理をしているように見えるのだろうか?

 君さえ傍に、今度こそずっと傍にいてくれれば、俺は何もいらないのに。


 そんな君が常に見えるのに、君ならこんな俺をみてきっと別のことを言うだろうなとも感じる。

 俺の理想の君は俺を心配してほしいのかもしれない?

 現実の君は「 」と一緒に楽しく過ごしているのだろうか。


 あいつさえいなければ、もしかしなくとも、君は傍にきてくれたのではないかと考えてしまう。

 殺しても殺しても「 」が君のそばにいる事実は変わらなくて、どうすればいいのかわからない。


 そうだ何か考えないといけないことがあったはず。

 俺はそれから目を背けて逃げているのかもしれない。


 君は、俺じゃなくてもいいのかな?

 俺だけを見てくれるっていったのに、どうしてなの。

 きっと俺が君からもらったヒントを読み解こうともしないから怒ってる?


 数年も放置してるのに、求めるだけ求めても意味がないってことかな。

 それでも、俺は君を再現せずにはいられない。

 

 きっと君は方向性が間違っていると言うのだろうけど、今の俺にはこれが最善だと感じるから。

 もう君に消えてほしくないんだ。

 先に儚くなった君に俺の気持ちはわからない。


 はやく会いたい。再現でもいいんだ。ただ結果として残したい。

 君への想いが嘘じゃないってことを。


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